幼少期から大学を卒業するまでにマレーシア、タイ、ドイツ、イギリスと複数の国で生活をしてきた甲斐まりかさん。それぞれの国で触れた言語や文化の違い、目で見たこと、耳で聴いた音、そのすべてが彼女のアイデンティティに深く刻み込まれている。

今回、モデル、女優、コラムの執筆とマルチな才能を発揮する甲斐まりかさんに「日常に寄りそう心地よい音楽」をテーマにプレイリストを作っていただきました。選曲した曲と甲斐さんとの接点や、甲斐さんにとっての音楽についてお聞きしました。海外生活の長い、マルチリンガルな甲斐さんならではのエピソードをお話いただきました。

甲斐まりかの日常に寄りそう心地よい音楽

バリエーション豊かなプレイリスト、選曲の理由は?

普段から旅することが大好きなんです。でも旅先の環境で馴染むまでに気持ちが落ち着かないときがあって、そんな時に聴きたいプレイリストとしてセレクトしてみました。

自分のベースのテンションを大事にしていて、高揚しすぎず、クールすぎず、日常のテンションで過ごせるものというか。選曲したアーティストでいうとTom MischとかHONNE、FKJは常にスタメンですね。基本は洋楽を聴くことが多いのですが、今回宇多田ヒカルの“花束を君に”を選曲したのは、両親が唯一CDを持っていた邦楽アーティストだからです。その影響もあって聴いていて、この曲は歌詞がすごく切ないんですけど好きな曲だったので入れてみました。

特に想い入れのある曲は?

QUEENの“Love Of My Life”ですね!この曲を聴くと自分がイギリスの大学に通っていた時のことを思い出してノスタルジックな気持ちになります。高校生の時、母と大学を見学しにイギリスへ行ったのですが、その時にQUEENが題材のミュージカルを観る機会があり、めちゃくちゃハマりました。全編QUEENの曲で、最後にBrian May本人が出てきてギターを弾くんです。毎日、その1曲だけのために登場するんですよ、すごくないですか!?そこからQUEENがすごく好きになって。今もしFreddie Mercuryが生きていたら、絶対ライブに行きたいです。

イギリスで生活している時に感じたのは、イギリスの人たちはほんとにみんなQUEENが大好き!飲んでいる時や解散のタイミングでも“We Are The Champions”を合唱するんです(笑)。そのくらいイギリスの人たちにとってQUEENは誇りなんだなぁって思いましたね。

新しい音楽との出会い、どんな時が多いですか?

ライブをキッカケに聴いて、そのアーティストを知って好きになることは多いです。イギリスって、夏になると色んなフェスが開催されているので、そこでも出会いがありましたね。中学〜高校時代はドイツに住んでいたので、テクノやハウスが身近にありました。きっとドイツに住んでいなかったら、ハウスやテクノのような音楽は聴いていなかったかもって思います。

あとは音楽好きの友達が多いので「最近これ聴いてるんだけど、知ってる?」って感じでよく情報交換もしてます。今回のプレイリストに入れたTame Impalaは、3人の友達と車で小旅行に行った時に知って、そこからずっと聴いています。友達とは好きなものが似ているのですが、どこかちょっと違うんですよね。聴いている音楽ってその人が育った背景が影響しているように感じて、面白いなって思います。

甲斐さんのアイデンティティはやはり育った背景にある?

両親がもともと旅好きで、2人に連れられていつもどこかを旅していました。行った国々で色んな文化に触れていたので、そこでの影響は大きいです。そういった経験が自身のライフスタイルに繋がるということは感じています。私のなかで、自分の母が一番理想の女性像に近いんです。本当に明るくて自由で、だけどみんなに愛情を持っていて。自分の人生を豊かにすることを何より大事にしている人なんです。私が大学を卒業して、一旦子育てが終わってから母はまたすごく楽しそうで。2年前の夏なんて、ヒマラヤ山脈を10日間かけて友達と登りに行って、急にパラグライダーをしている写真が送られてきたり(笑)。いつでもどんな時でもオープンマインドで、すごく素直な人です。

甲斐さんにとって旅と音楽は日常にあるもの?

今回のプレイリストも旅先での日常、心地よさをイメージしていて、旅に行った時も、その時のシチュエーションと気分に合った音楽をかけるようにしています。アメリカの西海岸に行ったときは、友達と車を借りて大陸横断的なロードトリップをしました。ずっと景色の変わらない一本道を走りながら、ロードトリップ感のある音楽をかけて楽しみました。ロードトリップでは、少しアップテンポでノスタルジックなムードの曲が聴きたくて、みんなで口ずさめるThe Beatlesをたくさん流していましたね。“Here Comes The Sun”が特に好きです。

“Here Comes The Sun”

思い出深い旅のエピソードがあれば教えてください。

大学の卒業旅行でモロッコのマラケシュという街に行ったのですが、この旅は自分にとって思い出深いですね。仲の良い友人との女2人旅で、移動はずっとバスか電車。その子とは好きな音楽も似ていて、旅の間でもイヤホンを1個ずつシェアして同じ曲を聴いたりしてました。旅の道中、電車で7時間くらい移動する時があって、砂漠のような景色が延々と続くなかPetit Biscuitというアーティストの曲“Sunset Lover”を選んで、「この景色に合うね〜」って話ながらずっと聴いていました。

真夏のモロッコってすごく暑くて、湿気のある埃っぽい砂漠の空気や匂いがあって、この“Sunset Lover”とモロッコの空気感はすごくリンクしているように感じました。この曲を聴くと今でも、友達と過ごした2人だけの時間を思い出せるんです。このモロッコ旅は、自分にとって大学生活を終えてイギリスから日本に帰る学生生活最後の旅行だったし、日本に帰ってこれまでとは違う新しい世界に踏みだす自分の背中を押すための大冒険でもありました。思い出に残るというのは、自分の当時のメンタリティとその時に感じられた刺激があったからなのかなって思います。

Petit Biscuit“Sunset Lover”

甲斐さんにとって特別な旅となったモロッコ。その旅先で音楽以外にも思い出となったのが“香り”。帰国後にAesopで見つけたこの香水が、モロッコで出会った香り。「スパイシーでウッディな、中性的な香りがすごく魅力的。音楽の好みと一緒で、香りもその人を象徴するのかなって。今はこの香りが私らしさの象徴になっているように思います」

甲斐さんにとって音楽とはどんな存在?

音楽は自分のメンタルに寄り添ってくれるものであり、思い出をより深くしてくれるもの。それと、自分らしさを取り戻せる時間になるというか。朝起きた時は、今日の1日が気持ちよく過ごせるような曲を聴きますし、夜寝る前は1人で過ごす大切な時間なので、音楽を聴きながら日記を書いたりしています。ルーティンで聴いているというか、メンタルを保つために聴いているところもあります。モロッコの旅のように自分の背中を押してくれる存在だと思うし、これからも音楽と一緒にもっと自由に、どこへでも行けるんじゃないかなって思っています。

最後に、オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホンについて

普段からワイヤレスイヤホンATH-CK3TWのレッドを使っています。買い物している時に、毎回耳から外さなくても耳元のタッチでプレイ・ストップを操作できるのはすごく便利ですよね。いつもはケースごと持ち歩いてるのですが、入れているあいだに充電できるのも良いんです。つけた瞬間に周りの音が聴こえなくなるくらいの密閉感があって、頭の内側で音が心地よく響いている感じがします。

イヤホンを通して音楽を聴くことって、自分とイヤホンがともに音楽体験をしていることだと思うんです。旅先でも日常でも、自分のペースを大事にする上で欠かせないモノですね。

甲斐まりかさん出演ATH-CK3TWのコンセプトムービーはこちらから

Information

ATH-CK3TW

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甲斐まりか

1995年10月8日生まれ。モデル。現在さまざまなファッション誌やCM等で活躍している。日本とタイのハーフで英語も堪能な他、ドイツ語、フランス語も勉強しているマルチリンガルで、語学の知識が豊富。旅のエッセイ連載もしていて、執筆活動にも意欲的。
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Photos:Nozomu Toyoshima
Words:野中ミサキ(NaNo.works)
Styling by 小泉茜
Hair&Make-up by 手塚裕美
撮影協力:epulor