「LSシリーズ」開発者インタビュー

テーマは“音楽の楽しさを体感できる音作り”
ライブ会場の特等席・ベストポジションにいるような
写実性と臨場感を表現したインナーイヤーヘッドホンが登場

株式会社オーディオテクニカ マーケティング本部 企画部
コンシューマー企画課 ポータブルリスニンググループ 主務
國分裕昭氏 (「LS」シリーズの企画を担当) 写真:左

株式会社オーディオテクニカ 技術本部 コンシューマープロダクツ開発部
ポータブルリスニング開発課
米山大輔氏 (ATH-LS70 ATH-LS50 の開発を担当) 写真:中

株式会社オーディオテクニカ 技術本部 コンシューマープロダクツ開発部
ポータブルリスニング開発課
坪根広大氏 (ATH-LS400 ATH-LS300 ATH-LS200 の開発を担当) 写真:右
音楽ジャンル、シチュエーションに合わせ、リスニングスタイルの多様化が進む状況を受け、「原音再生」「高解像度」「高レスポンス」をコンセプトにした「Sound Reality」シリーズ、重低音に特化したヘッドホン「SOLID BASS」シリーズなど、様々なニーズに合わせた製品を送り出してきたオーディオテクニカ。その最新シリーズがフェスやライブ会場の臨場感をコンセプトにした「LS」シリーズだ。聴いていて楽しい、心が躍り出すような音作りをテーマにしたという「LS」シリーズの開発の背景、サウンド性の特徴などについて、開発を担当した3名に聞いた。
「装着感を高め、低域を逃がさないことでメリハリのあるサウンドを実現」
―― インナーイヤーヘッドホンの新シリーズ「LS」シリーズは、原音に忠実な音質により非常に評価が高かった「IM」シリーズの後継機種として捉えてよいのでしょうか?
國分 「LS」シリーズが「IM」シリーズの後継機種かと言うと、じつはすこし解釈が違っていまして。「IM」シリーズはもともとモニター用のイヤホンとして発売していたのですが、その専門性をさらに高めたものが、2016年4月に発売したプロ仕様のイヤホン「ATH-E70」「ATH-E50」「ATH-E40」になります。今回の「LS」シリーズはそれを一般ユーザーの方のリスニング用に特化させたシリーズということですね。
―― 「LS」シリーズの基本テーマは「フェスやライブ会場の熱気あふれる空気感を味わうことができる、心が躍り出すような音作り」ということだとか。
國分 はい。「魅力のあるリスニング用の音とは何だろう?」と考えたときに、ひとつの答えとして「ライブハウスやコンサートホールで聴く音」というところに辿り着きまして。楽曲制作における音作りに適していて、フラットで付帯音のないものが「ATH-E70」などのモニター仕様のイヤホンだとしたら、今回の「LS」シリーズは、聴いていて純粋に楽しい音作りを目指しました。
米山 派手で元気な音作りということですね。ライブハウスの音圧もイメージしていました。
―― “聴いていて楽しい音”“ライブ感”を具現化したのが「LS」シリーズである、と。設計の方向性はどういうものだったのでしょうか?
坪根 聴いていて楽しく、写実性の高い音質にするために上位機種にはバランスド・アーマチュアドライバー(BA)を採用しました。しかし、BAは耳の装着感が良くないと、低音が抜けてしまう傾向があって。そこをいかに克服するかが、最初のポイントでしたね。もともとBAは中音域・高音域の解像度が非常に高いので、装着感を高めて低音を逃がさないようにすることで、全体としてメリハリのあるサウンドが実現できると考えました。
米山 まず装着感を高めるというのは、ダイナミック型の「ATH-LS70」「ATH-LS50」も同じです。導管の角度、長さなどを試しながら、なるべく多くの人の耳にフィットする形状を選びました。
國分 ボディ自体も可能な限り小さくしています。音作りのためのドライバーの数は決まっているので、そのバランスをどう取るかも、「LS」シリーズの開発のポイントでした。