会社案内
技術部1課 SQDグループ
カートリッジ設計担当
小泉洋介
2002年入社
高い志をもって音にこだわる
純粋アナログサウンド
私は2002年の入社から、足かけ10年間カートリッジの設計を担当しています。
昨年は、50周年記念モデルAT50ANVを設計し、有難いことに各方面から様々な賞をいただきましたが、今年はそのAT50ANVを元にしたAT-ART7を送り出しました。
このカートリッジは50ANVの技術を活かした空芯MC型で、鉄心型と違う透き通ったピュアな音質を受け継いでいます。50ANVはお蔭さまで多くの賞をいただくなどたいへん好評でしたが、限定生産のため早期に完売してしまいました。この音の特長を壊さずにつぎのレギュラーモデルを、ということでART7の開発に取り組んだわけなのです。
ですから基本的な設計や音づくりをできるだけ変えず、生産コストを下げることが目標になり、その点でかなり苦労しました。
キーポイントはコイルのコア、巻枠です。ワイアカットという手間のかかる工法でつくっていた純チタンのコアを、液晶ポリマーの精密成型素材に変更しました。この素材は軽くて強度が高く、実はテクニカフクイの光ピックアップ部品などに使用実績もあって信頼できるのですが、やってみるとチタンのようにしっかりきちっとコイルを巻くのが予想外にむずかしいのです。すると、音は変わってしまいます。この問題は、名人級の巻線技術をもつベテラン従業員に慣れてもらうほかありませんでした。自動機などでできるレベルではないからです。
あと、同様に50ANVではチタン材を使っていたベース部材を削り出しアルミ材に変更したこともあって、ART7の最終的な音質は多少マイルドで温かい方向にまとまっています。
空芯らしさの点では一歩を譲るかもしれませんが、50ANVの音はやや分析的というご意見もなかにはありましたので、ワイドレンジながら温度感が高くバランスのよいART7を気に入っていただけるお客様は、きっと沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
どちらにせよ、空芯型は磁気ひずみが少ない分だけ低効率です。この欠点を補う高出力を、ふたつのモデルで達成したわけですから、今度はパワフルなその磁気回路を生かした鉄心型にも挑戦したいですね。
アナログ技術には多角的な方法論があっていいと思います。
●ケースカバーを取り外したAT-ART7
ハウジングとベースには軽量で剛性の高いアルミ削り出し材を採用。空芯構造の発電系は、50周年記念モデルAT50ANVの基本設計をそのままに、コイルの巻枠を純チタンから液晶ポリマーに変えてさらなる軽質量化を実現しています。マグネットは、当社の鉄心型MCに比べ体積比で2倍に相当する大型サイズのネオジウム材です。
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