会社案内
技術本部
ホームリスニング開発課
マネージャー
小泉洋介
2002年入社
アナログ技術の粋を凝縮したワールドリファレンス
AT-ART1000、つちかってきたものの集大成がここに
ダイレクトパワー方式と名づけたこのカートリッジは、レコードの音溝に記録された音楽情報を損なわずそっくりそのまま電気信号に変換できたら、という理想に沿って開発した新しいMC型です。磁気ひずみの少ない空芯発電コイルが、カンチレバーの根元ではなく針先のすぐ近く、真上にあります。そこが今までと違う、なによりの特長ですね。考えかたとしてそれは正しいはずですし、技術者にとっては究極的な夢だったと思います。当社でも30年ほど前にチャレンジしたことがあるのですが、製品化には至りませんでした。安定した生産がむずかしかったのです。
近年、アナログオーディオがぼつぼつ再認識されはじめ、音のよいカートリッジのニーズも増えてきました。AT-ART7などの空芯MC型が成功したこともあって、つぎはダイレクトパワー方式、最高のMC型だと。
周囲からはそんなの本当にできるの?といわれましたが、昔に比べて技術環境がはるかに整い、ネオジムマグネットをはじめとする構成素材も進歩しています。今なら可能だと思いました。それが4年ほど前のことです。
ところが、やってみるとやはりむずかしい。とりわけチャンネルセパレーションがなかなかじゅうぶんにならず苦戦しました。左右ふたつの空芯コイルをとにかく正確・精密に、所定の位置へしっかり組み込むための技術開発が、どうしても必要だと分かったのです。そのへんは企業秘密で詳しくお話しできませんが、じつはマイクロホンの振動版を加工する技術が役立っています。
そんなわけでAT-ART1000の製品化にあたっては、これまでつちかってきたいろいろなテクノロジーが存分に生かされています。そして製品の組立ては、ごく少数の熟練スタッフによる100%手仕事です。作業時には、測定しながらベストな再生特性が得られる(空芯コイルが磁気回路の正しい位置に収まる)最適針圧を1台ごとに決定し、個々の標準値として取扱説明書に記入するといった手間もかけています。それらのデータは、針交換や修理サービスの時に参照して微調整をおこなうため、すべて工場に保管されます。
AT-ART1000は、日本国内だけでなく欧米アジア諸国でも大好評をいただきました。アナログサウンドのすばらしさが世界中にもっともっと伝わればと思います。
ダイレクトパワー方式の至芸、AT-ART1000
●ダイレクトパワー方式の至芸、AT-ART1000
ダイレクトパワー方式は、空芯型MCカートリッジのピュアな音質を極限まで生かしきるために開発されたAT-ART1000独自の新構造。発電コイルが針先の真上に配置されています。そこへ正確な針圧を加えることでこのコイルが磁気回路の最適位置に沈みこみ、かつてないほどの忠実度で音溝の波形を感知。従来のカートリッジでは捉えきれなかった微細な音楽信号も、逃さずピックアップすることができます。レコードに針を降ろせばすぐに驚く、違いあざやかな高音質。それはアナログオーディオの大きな飛躍です。
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