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PUNKSPRING 2012/Springroove 2012

泣き虫ロック=WEEZERが鳴らした「パンク祭典」のクライマックス

3月28・29日:名古屋、30日:大阪と巡ってきた『PUNKSPRING 2013』も、この日の幕張メッセ公演でいよいよファイナル!ということで、前日の『Springroove 2013』以上に肌寒い小雨模様の幕張メッセに集結したキッズは朝から熱気十分。ヒカル(BOUNTY HUNTER)のオープニングDJが響く中、開場と同時に多くの参加者が屋外のグッズ売り場へ直行、気合いのほどを窺わせていた。そして――。

ヘッドライナーとして登場したのは、『PUNKSPRING』初出演となるWEEZER。かつて「泣き虫ロック」と評された彼らだけに、他のUS勢と比べればフロントマン=リヴァース・クオモの佇まいにはパンク的な骨太感こそ希薄なものの、1曲目からハード・ポップ・ナンバー「My Name Is Jones」で割れんばかりの歓声を巻き起こし、「Hash Pipe」でフロア丸ごと大きなシンガロングへ導き、観客のハートをぐいぐい惹き付けてみせる。「スコットさん、ちょっと歌ってください」とスコット(B)に「Dope Nose」のヴォーカル・パートを任せたリヴァースが「そういえば、他のスコットさんもいます!」と「RED STAGE」舞台に呼び込んだのは、アルバム『スコットとリバース』を共作したALLiSTERのスコット・マーフィー。スコットとともに日本語で歌い上げた「Homely Girl」のみならず、「Beverly Hills」「Say It Ain't So」「Pork And Beans」「Buddy Holly」……日本のファンの期待に100%応える熱演を見せてくれた。

一方の「BLUE STAGE」のトリを務めたのは、07年・09年に続いて『PUNKSPRING』3度目の登場となるNOFX。ファット・マイクはMCなどでは至ってリラックスしたムードを醸し出しつつ、「Murder The Government」「Franco Un-American」などを速射砲のように炸裂させ、元祖メロコアの貫禄とタフネスを感じさせていた。まさに今年がNOFX結成30周年アニバーサリー・イヤーということで、ライブの途中で舞台にバースデーケーキが運び込まれる。そこへ姿を見せたNAMBA69・難波章浩の「このケーキ、Hi-STANDARDからです!」のコールに、フロアから熱い歓声が湧き起こっていた。

ONE OK ROCK、難波章浩……アグレッシブな狂騒感を生んだ邦楽バンドの闘志

「Can't Keep My Hands Off You」でWEEZERのリヴァースを、「Summer paradise」でONE OK ROCKのTakaを招いてメッセを熱狂へと導いていたSIMPLE PLAN。昨年復帰したジム・リンドバーグ(Vo)を擁し、25年のキャリアで鍛え上がった骨太爆走パンク・サウンドでフロアを圧倒してみせたのは、『PUNKSPRING』5年ぶりの出演となるPENNYWISE。「Violins」「Mr.Coffee」といったファスト・ナンバーで観客を揺さぶりつつ、「『PUNKSPRING』、カンパーイ!」というジョーイのコールで会場を沸かせていたLAGWAGON……といったパンク・レジェンドたちの名演怪演に対して、ブルー・グラス/フォーク・パンクの雄=OLD MAN MARKLEY、USメロディック・ハードコアの担い手=TITLE FIGHT、独特のスケール感とポップ感で爽快な風を吹かせるMAYDAY PARADE……といった00年代組の活躍が、この日の幕張メッセの熱気にひときわ豊かな色彩感を与えていた。

そんな洋楽勢に劣らず、オープニングを務めたKNOCK OUT MONKEY、この日が初ライブとなったex.BEAT CRUSADERS・ヒダカトオルの新バンド=THE STARBEMS、レゲエ・パンクにメタル/ハードコア/スクリーモも取り込み極限進化を遂げたSiMをはじめ、日本のバンドの健闘が光っていた。昨年に引き続いての登場:ONE OK ROCKは、最新シングル曲「Deeper Deeper」から「完全感覚Dreamer」まで鉄壁のセットリストでメッセを完全支配していた。「distance」「Emotions」などハイブリッドでエモーショナルな爆音でフロアを狂騒ダンス天国に変えてみせたのはオオカミ集団・MAN WITH A MISSION。Fear, and Loathing in Las Vegasはエレクトロコアの世界的潮流すら飛び越える勢いのダイナミズムでオーディエンスを沸かせていたし、「PARTY PARTY」など強靭なサウンドを披露したTOTALFATの「日本人として、TOTALFATとして、シーンを盛り上げていきたいと思います!」というShun(B・Vo)の宣誓が観客の情熱と熱く響き合っていた。

そして……そんな日本の若手バンドの熱演を後押ししたのはやはり、日本最大のパンク・アイコン=Hi-STANDARDの難波章浩。この日、3ピースの新バンド=NAMBA69として「BLUE STAGE」中盤にオン・ステージした難波、「目覚めようぜ日本!」と「WAKE UP」を披露し、「みんな輝いちゃおうか!」と「STAY GOLD」で轟々たるシンガロングを巻き起こしていく。最後の「未来へ~It's your future~」を終え、「ステイ・ロック、ステイ・パンク!」と高らかに叫んで去っていく難波に、惜しみない拍手が送られた。

WEEZERのアンコール曲「Undone - The Sweater Song」をもって、幕張メッセを熱く沸かせた『Springroove』『PUNKSPRING』の2日間は大団円。新たなムーブメントとともに盛り上がりを見せている日本のダンス・ミュージックの現在地を示してみせた『Springroove』。世代もジャンルも超えたパンク・ロックの可能性と底力を提示した『PUNKSPRING』。シーンの「今」をリアルに反映するこの2つのフェスの成功が、日本の音楽の「これから」の発展への道標となることを願っています。
audio-technicaは今後もスポンサードという形を通して、日本のフェス文化と音楽文化のさらなる発展をバックアップしていきたいと考えています。