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Springroove 2013/PUNKSPRING 2013

NE-YOが見せた全米No.1ポップ・アーティストの凄味

3月30日、幕張メッセ。朝から冷たい風が吹く会場は肌寒いくらいだが、ドレスとハイヒールでキメた女性客も、Tシャツ姿で踊りまくろうという若い参加者も、この1日を最高に楽しみたい!という高揚感が、すでにDJ MAYUMIによるオープニングDJの時点から満ちあふれている。

昨年同様、「BLUE STAGE」「RED STAGE」の2ステージ制での開催となった『Springroove 2013』&『PUNKSPRRING 2013』。2006年のスタート当初は、R&B/ヒップホップの真髄を凝縮した「クラブのダンス・フロアの巨大版」的な空気感のフェスだった『Springroove』だが、3年ぶりの復活開催となった昨年の『Springroove』では、ヘッドライナーのDAVID GUETTAをはじめ、DJ/EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)系も取り込んで、まったく新しい熱気と開放感を生み出していた。そして今年――5年ぶりにヘッドライナーとして登場したNE-YO、さらにWILL.I.AM/ZEDDといった顔ぶれに象徴される通り、「R&B/ヒップホップの王道感」「EDM全盛の2013年ダンス・ミュージックの潮流」の両方の要素が、ここ幕張メッセに結集する形となった。

「BLUE STAGE」でこの日の大トリを務めたのはNE-YO。エレクトロ・ディスコ・ナンバー「Let's Go」をはじめ「Beautiful Monster」「Sexy Love」などヒットソング群のみならず、最新アルバム『R.E.D.』の「Lazy Love」まで、新旧名曲を惜しみなく披露して、広大な会場を熱いダンスと歓声で包んでいた。アクションや表情のひとつひとつに至るまで完璧なパフォーマンスから滲む、全米No.1ポップ・アーティストの凄味。そして、R&BもEDMも完全に血肉化した彼の歌とサウンド。感極まったようなオーディエンスの大歓声を受けて、曲間でにっこり微笑むNE-YO。この場所の多幸感そのもののような決定的瞬間だった。


WILL.I.AM、ZEDDらDJアクトが生み出す新次元の熱狂

第一弾アーティスト発表時から出演がアナウンスされていたスウェーデンのエレクトロ・ハウス精鋭DJ23歳=AVICIIが残念ながら体調不良のためキャンセルとなってしまったが、その分NE-YOら各アーティストが持ち時間を拡大して熱演を展開していた『Springroove 2013』。そんな中、「RED STAGE」のラストを飾ったBLACK EYED PEASのWILL.I.AMは、DJセットでの出演ながら「I Gotta Feeling」では生歌まで披露する1人BLACK EYED PEAS状態になったり、ソロ新作からの「#THATPOWER(feat.ジャスティン・ビーバー)」でダンサー陣とロボット・ダンスを披露したり……と盛り沢山なアクトでフロアをアゲまくっていた。そして、レディー・ガガも讃えるプリンス・オブ・EDM=ドイツの22歳DJ=ZEDD。デビュー・シングル「Spectrum」、人気ゲーム『ゼルダの伝説』のテーマ曲をサンプリングした「The Legend Of Zelda」といった曲群にダフト・パンク「One More Time」などを織り込みつつ、AVICIIの名曲「Levels」を鳴り響かせ、オーディエンスの熱い歌声で震わせてみせたのが印象的だった。

LAコリアタウンから飛び出したヒップホップ突然変異体的ユニット=FAR EAST MOVEMENTは、ボディに装着したパッド類やショルダーキーボードなどを駆使してルール無用の狂騒天国を演出。レゲエ/ダンスホール・グループの雄=T.O.K.は、濃密なグルーヴから極彩色のコーラスまで自在な音像でメッセを魅了していた。今回が初来日となるルーマニア発のシンガー=INNAは、胸元露なラバースーツ姿とマドンナ直系ポップ・アイコンとしての迫力で日本のオーディエンスを圧倒してみせた。昨年のBIGBANG/2NE1に続き、K-POP系から今年はSHINeeが登場、女性ファンの熱烈な歓声を集めていた。

多彩なアーティストが顔を揃えた『Springroove 2013』では、日本のアーティストも十二分にその存在感を発揮していた。ライブ初披露のエモーショナルなバラード「Half of You」の絶唱やアグレッシブなビート・ナンバー「Elevator」でフロアを沸かせていた三浦大知。ゴールドの腕時計とネックレスをきらめかせながら、日本人の誇りと意地をこめて「YELLOW GOLD」を力強く歌い上げていたのは、愛知・小牧市発出身→NY拠点のヒップホップ・アーティスト=AK-69。そして、新曲「30」や「Be」などあえてバラード曲を連発して、ヴォーカリストとしての圧巻の表現力をオーディエンスの胸に刻み込んでいたMs.OOJA……邦楽シーンの「今」と「これから」を支える才気と意欲を存分に見せつけていた。