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SUMMER SONIC 2012 8/10イベントレポート

THE STONE ROSES/PET SHOP BOYS/KLAXONSから電気グルーヴ/サカナクション/Perfumeまで洋邦の精鋭が顔を揃えたオールナイト・イベント「SONICMANIA」の、一夜明けても冷めやらぬ熱気。そして、「SUMMER SONIC」当日の幕張を覆った、記録的な猛暑を記録した今年の夏の中でも最大級の陽気。2日間に及ぶ巨大フェスティバルは最高の幕開けを迎えた。QVCマリンフィールドにそびえ立つ「SUMMER SONIC」最大の「MARINE STAGE」をはじめ、幕張メッセ展示ホール1〜8号館に設けられた「MOUNTAIN STAGE」「SONIC STAGE」「RAINBOW STAGE」、海に面した幕張の浜の「BEACH STAGE」、屋外キャンプ・サイト=SEASIDE VILLAGE近くの野外ステージ「GARDEN STAGE」、QVCマリンフィールドそばの異次元DJ空間=「SILENT DISCO」、マリンフィールド前駐車場の「ASIAN MARKET」内に設置されたアジア圏若手アーティストのステージ「ISLAND STAGE」、という会場レイアウト。1日6万5千人のオーディエンスを心行くまで楽しませる、万全のステージ構成だ。


METALLICA、超硬質スラッシュ・メタルの重轟音でロックを制する

1日目「MARINE STAGE」で貫禄のヘッドライン・アクトを見せていたのが、スラッシュ・メタル・マスター:METALLICA。前回・2006年出演時には、歴史的名盤『Master Of Puppets』完全再現ライブというスペシャルなステージを繰り広げていたMETALLICAは、この日も「Master Of Puppets」など強力ナンバーに加え、『Death Magnetic』(08年)の「The Day that Never Comes」、さらに「Carpe Diem Baby」「I Disappear...」などレア曲まで含め、2時間以上に及ぶ熾烈なライブを展開。デビューから30年以上経った今なおその強度を増し続ける、スリリングでダイナミックなサウンドスケープ! メタルの枠を越えたスケールのヘヴィ・ロックの迫力で、スタジアムを埋め尽くしたオーディエンスを圧倒していた。「Orion」では亡きクリフ・バートンへ改めて追悼の意を表したり、アンコールで「Creeping Death」「Battery」に続いてジェイムズ・ヘットフィールドが「もう時間がないんだよ」と時計を見るフリをしつつさらに「Seek & Destroy」を畳み掛けてスタジアム丸ごと熱狂の渦に叩き込んだり……と、熱心なメタル・ファンからこの日初めてMETALLICAの音に触れたであろう観客まで狂騒の彼方へ導いていたのはさすがとしか言いようがない。


LINKIN PARKが4年ぶり「MARINE STAGE」で見せた迫力

そしてトリ前には、LINKIN PARKが4年ぶりに「SUMMER SONIC」に登場! 2006年の「SUMMER SONIC」でヘッドライナーを務めていたLINKIN PARKとMETALLICAの「MARINE STAGE」揃い踏みの実現である。いきなり1曲目「A Place for My Head」で《〜THE BEST OF ME》《GO AWAY!》のコール&レスポンスで満場のスタジアムを揺さぶったかと思うと、「Papercut」「Somewhere I Belong」「New Divide」など代表曲を惜しみなく連射、さらに昨年リリースの最新アルバム『Living Things』の「Castle of Glass」「Lost in the Echo」まで幅広く演奏。世界を震撼させるヘヴィでハイパーなハイブリッド・ロックのアンサンブル。そして、audio-technicaのワイヤレス・マイクを駆使してエネルギッシュな歌を放射するチェスター・ベニントン&マイク・シノダ。メドレーも含めて20曲以上、ワンマン・ライブに匹敵する豪華なメニューを披露してくれた。また、チェスター&マイクは1日目深夜に開催されたオールナイトの「MIDNIGHT SONIC」でSTEVE AOKIのステージに登場、STEVEとのコラボ楽曲であるLINKIN PARKの新曲「A Light That Never Comes」を世界初披露!というサプライズまでプレゼントしてくれた。

他にもFALL OUT BOY(US)/BULLET FOR MY VALENTINE(UK)/VOLBEAT(DEN)といった海外精鋭バンドが顔を並べた「MARINE STAGE」で強烈な存在感を放っていたのが、ONE OK ROCKとマキシマム ザ ホルモンの邦楽勢。自身最大規模のアリーナ・ツアーを成功させたばかりのONE OK ROCKは、「Deeper Deeper」「Nothing Helps」など最新アルバム『人生×僕=』の楽曲と「アンサイズニア」「完全感覚Dreamer」といった必殺ナンバーを織り重ねながら、「かかってこいよ『SUMMER SONIC』!」(Taka)とオーディエンスを煽りまくり、「MARINE STAGE」を至上の狂騒天国へと叩き込んでいた。一方、実に6年ぶりの新作アルバム『予襲復讐』をリリースしたばかりのホルモンも「やばいよこの暑さ! 21世紀始まって以来の暑さだそうです!」というナヲの絶叫とともに「便所サンダルダンス」「my girl」「恋のスペルマ」などを炸裂させ、アイドル・ポップとハードコアがとぐろを巻く壮絶な熱狂空間を生み出していく。最後はラウド・ダンス・ロック・アンセム「恋のメガラバ」投下で大団円!

古豪CHEAP TRICK、パワー・ポップ魂全開の熱演

一方、メッセの「MOUNTAIN STAGE」で堂々のステージを見せつけていたのは、パワー・ポップの古豪・CHEAP TRICK。いきなり「Dream Police」の絶唱で「MOUNTAIN STAGE」を震わせる純白ポリスマン姿のロビン・ザンダー。紙吹雪よろしくピックをバラ撒きロックンロール・ギターを響かせるリック・ニールセン。12弦ベースを操りながら楽曲を爽快にドライヴさせるトム・ピーターソン。バーニー・カルロスの代わりにビートを司るリックの息子=ダックス・ニールセン。「Clock Strikes Ten」「Surrender」など70年代曲から最新アルバムの「Sick Man Of Europe」までぶっ放すパワー・ポップ・レジェンドの姿は、実に爽快な凄味にあふれていた。最後はリックが5ネック・ギターを構えての「Goodnight」!

今回の「SUMMER SONIC」開催に先立って、当初「MOUNTAIN STAGE」1日目のラストに出演が予定されていたBEADY EYEがゲム・アーチャーの負傷のため出演をキャンセルするというアクシデントがあったものの、同じくUKシーンの雄:STEREOPHONICSが見事ヘッドライナーに相応しいアクトを見せていた。さらに、英国が生んだ新世代ロックンロール・ヒーロー=JAKE BUGG、細美武士率いる至上の音楽表現者集団=the HIATUS、そしてタイムテーブルの変動に伴って急遽出演が決定した邦楽ロックンロールの星:[Champagne]、さらにFIDLAR(US)/ALT-J(UK)/The Flickers(JP/opening act)といった多彩なアーティストが、ただでさえ暑いメッセ内の空間をさらに熱気で満たしていた。

ヒップホップ界最高のリリシスト:NASをはじめ、M.I.A/MEW/KODALINE/BASTILLE/CHVRCHES/androp/黒木渚(opening act)といった世代も音楽性も超越したラインナップが実現した「SONIC STAGE」。ツインズ・ユニット:AMIAYA(opening act)のホット&ポップなステージで幕を開け、SIAM SHADE・DAITAが新たに立ち上げた「洋楽バンド」:BREAKING ARROWSの「日本初ライブ」の豪快なギター・サウンド、ミニマルとポップがパワフルに弾けるBUFFALO DAUGHTER、そして赤い公園/the GazettE/coldrain/BABYMETAL/CNBLUE/FTISLANDといった邦楽&K-POP勢の才能が出揃った「RAINBOW STAGE」。さらに、「BEACH STAGE」(LIVING COLOUR/MATZKA/TOMMY EMMANUEL/JAGWAR MA/KAY/大橋トリオ/Rake/石崎ひゅーい[opening act])、「GARDEN STAGE」(山崎まさよし/Caravan/SERAH SUE/GABRIELLE APLIN/阿部芙蓉美/Ovall/Kishi Bashi)、「ISLAND STAGE」(RESIDENCE A/GENE KASIDIT/GEAR&ERASER/YELLOW FANG/NIKKILEE/CLIQUETPAR/CHAOS MIND/Red Bull Live on the Road[ザ・クレーター、ハチマキ、SECOND WALL])……幾多のサウンドとエモーションが渾然一体となって、灼熱の「SUMMER SONIC」1日目にさらなる高揚感を描き出していった。


夜が更けても「SUMMER SONIC」初日は終わらない。深夜アクト「MIDNIGHT SONIC」では、前述のSTEVE AOKI(「SONIC STAGE」)、日本のハードコア新鋭:Crossfaithのアクトを皮切りに、チャン・グンソクを擁するTEAM H、ポップ・マエストロ:小室哲哉、さらに数々のDJアクトが幕張の熱帯夜を激しく揺さぶり、むせ返るような多幸感をそのまま2日目へとつないでいくのである。