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ヘッドライナーにSCORPIONSとWHITESNAKEを迎えた轟音の宴「LOUD PARK 16」。日本最大級のメタル・フェスを今年もaudio-technicaがサポート!

日本発のヘヴィ・メタル・フェスティバルとして2006年から続く『LOUD PARK』。11回目を迎えた今年は、10月8日(土)、9日(日)の2日間にわたってさいたまスーパーアリーナで開催された。

10月8日(土):1日目

午前中からスタートし、連日10時間以上も轟音が響き渡ることでおなじみの『LOUD PARK』だが、初日となった8日も、朝から続々とメタル・ファンが集結。轟音の宴の始まりを心待ちにする中、午前10時にI Promised OnceがBIG ROCK STAGEに登場。彼らは今年から始まったオープニング・アクトの一般公募企画「出れんの!?ラウパ!?」で100組を超える応募者の中から選ばれた日独混合のメタルコア・バンドだ。一方、KINGDOM STAGEには台湾の新鋭FLESH JUICERが登場し、両者のステージにより、今年も『LOUD PARK』が幕を開けた。

オープング・アクトの熱演に続いてアメリカはテキサス出身のSONS OF TEXASがULTIMATE STAGEにあらわれた。昨年リリースした1stアルバム『Baptized In The Rio Grande』の輸入盤が日本でも好セールスを記録し、現在の最も注目を集めているバンドの1つである。骨太なリフを持ちつつも、ギター・ソロなどではメロディアスな面も垣間見せる彼らのサウンドは、前評判に違わぬもので、フィル・アンセルモを引き合いに語られることの多い野太い声を持つマーク・モラレス(vo)は“叫べ~!!”と盛んにフロアを扇動し、ライヴを盛り上げていった。その一方では、フロントの面々が大袈裟にヘッド・バンギングをしたり、ステップ合わせるなど、コミカルな一面も披露し、余裕すら感じさせるステージを披露してくれた。

『LOUD PARK』初となるDJスタイルでのパフォーマンスを披露した覆面アーティストZARDONIC、リッチー・ブラックモアが今年実現させた再編RAINBOWのシンガーに抜擢されたロニー・ロメロ擁するLORDS OF BLACK、日本が誇る“嬢メタル”の先駆ALDIOUS、そして、アラビアン・ダンサーを従えて妖艶なサウンドとパフォーマンスを披露したチュニジアの新星MYRATHなど、次代を担うバンドのライヴが続き、会場は徐々に熱気を帯びていく。そんな中、登場したのはCANDLEMASS。スウェーデン出身の彼らは30年のキャリアを誇るベテランで、ドゥーム・メタルの開祖と言われる彼らの初来日公演が、この『LOUD PARK』でついに実現である。オープニングの「Mirror Mirror」ではマッツ・レヴィン(vo)が扇動していきなりコール&レスポンスを巻き起こすなど、冒頭からそのステージさばきは貫禄十分。以降もヘヴィなリフを緩急自在に操るまさにドゥーミーなサウンドを響き渡らせた。もちろん、現在最先端のドゥームからすれば、アップテンポな場面もあるし、キャッチーなメロディも飛び出すが、その禍々しいリフは、さすがはドゥームの開祖と言えるものだった。ラストは名曲「Solitude」。サビでは大合唱が巻き起こる。それは、(途中解散していた時期もあるが)一途に自らのメタルを鳴らし続けてきた彼らへの、日本のメタル・ファンからの敬意のあらわれだったように思われ、思わず胸が熱くなった。また、ライヴの後半には病気療養中のレイフ・エドリングがベースをプレイ。初来日公演に華を添えてくれた。

ALDIOUS/CANDLEMASS

これまではどちらかというとフロアで大暴れといったタイプではないバンドが続いたが、EXODUSの出番を迎えて、フロアは一気にカオス状態に。ここまでで一番と思えるほどすし詰め状態のフロアには、彼らが繰り出すスラッシーなリフに合わせて巨大なサークルが出現。スティーヴ・ゼトロ・スーザ(vo)は“もっと暴れろ!”とばかりにフロアをガンガン炊きつけていく。途中、SLAYERの「Raining Blood」をさわりだけ披露……と思ったら、今回はSLAYERのツアーに参加中のゲイリー・ホルト(g)が不在。もう一人のギタリスト、リー・アルタスのHEATHENでのパートナー、クラーゲン・ラムがサポートするという編成でのライヴだった。

EXODUSに続いてはSHINEDOWNが登場。フロントの3人はスーツに身を包み、きびきびとステージ上を動き回り、要所ではジャンプをきめるのだが、そのタイミングがピタリと合っており、さすがは年間200本のステージをこなしたこともあるライヴ・バンドといったところ。後方に控えるバリー・カーチ(d)も派手なアクションでドラムを叩きまくり、会場のテンションを上げていった。また、曲間にはSEを流して空白の時間を作らず、さらに中盤にはブレント・スミス(vo)がステージを下り、フロア中を走り回るなど、さまざまな趣向を凝らしながら一気に突き進んでいった。

EXODUS/SHINEDOWN

初日のヘッドライナーを務めたのはSCORPIONS。昨年、結成50周年(!)を迎え、その記念ツアーの一環として『LOUD PARK』への参戦となった。気がつけば、ステージ前は超満員状態に。そんな中、サイレンが鳴り響き、昨年発表した最新アルバム『Return To Forever(祝杯の蠍団)』のオープニングを飾る「Going Out With A Bang」でライヴはスタート。曲の後半にはクラウス・マイネ(vo)が、彼らのために備えられたセンター・ステージへと移動し、フロアの観客にアピール。以降もライヴ中、メンバーが入れ替わり立ち代わりこのステージまで移動しては、ライヴを盛り上げていた。ステージ後方とドラム台がスクリーンになっており、2曲目の「Make It Real」では日の丸が映し出されるなど、さまざまな映像を駆使した演出も見事だった。セットリストとしては80年代以降の代表曲と、最新アルバム収録曲が中心となっていたが、途中、「Top Of The Bill」「Steamrock Fever」など70年代の代表曲もメドレーで披露。当時を知るオールド・ファンを狂喜させた。SCORPIONSといえば、日本では70年代から高い人気を誇るバンドであり、来日公演を収録した名作ライヴ・バルバム『Tokyo Tapes』も残しているが、そこにも収録された日本の楽曲「荒城の月」をこの日も披露。クラウスがアカペラで歌い、会場中が大合唱で応える場面はこの日のハイライトの1つとなった。また、春から元MOTORHEADのミッキー・ディーがドラムをプレイしていることもあり、昨年急逝したMOTORHEADの創始者、レミー・キルミスターに哀悼の意をあらわし、彼らの代表曲「Overkill」のカバーも披露。スクリーンにレミーの姿が映し出される中、ミッキーが豪快にツーバスを踏み鳴らすシーンも感動的だった。ラストの「Big City Nights」で再び大合唱が巻き起こり、ライヴはとりあえず終了し、アンコールへ。ここでなんと明日出演予定の元メンバー、ウリ・ジョン・ロート(g)が客演。これも70年代の名曲の1つ「We’ll Brun The Sky」をプレイ。最後はクラウスとウリが抱き合う姿も見られた。ウリがステージを去ったあと、バンドはもう1曲だけとばかりに「Rock You Like A Hurricane」を演奏。またまた大合唱が沸き起こり、ライヴは大団円となった。

SCORPIONS

10月9日(日):2日目

2日目は、やはり「出れんの!?ラウパ!?」で選出されたオープニング・アクト、Fury Of Fearのライヴで開幕した。英国の新鋭スラッシャー、SAVAGE MESSIAH、引退宣言が飛び出したKUNI、80年代からメタル・シーンを支える面々が終結した新バンド、THE DEAD DAISIES、男女二声シンガーを擁するイタリアのLACUNA COILなどが、それぞれに個性的なパフォーマンスを披露したのに続き、RIOTがBIG ROCK STAGEに登場した。14年の『LOUD PARK』、昨年の単独公演に続き、3年連続の来日となる彼らは、今回、初期のギタリスト、リック・ヴェンチュラを引き連れ、『Fire Down Under』(81年)の完全再現ライヴを行うという趣向である。リック、マイク・フリンツ、ニック・リーのギタリスト3人が並ぶ光景は壮観で、トレードマークである流麗なギター・サウンドを3人で紡いでいく姿は、12年に急逝した中心人物マーク・リアリ(g)の遺志を受け継ぎ、次の世代へと語り継いでいるようにも感じられた。また、トッド・マイケル・ホールの強力な歌声は、同作のシンガーで、やはりすでに鬼籍に入っているガイ・スペランザを彷彿とさせるものだったようにも思う。

KUNI/RIOT

昨日、SCORPIONSのライヴに客演したウリ・ジョン・ロートは、予定を10分ほど遅れてステージにあらわれた。5人のメンバーを従え、中央でギターを操る彼の姿は“仙人”の異名に違わぬもので、神々しささえ感じられた。もちろん、そのプレイも神業といったところで「The Sails Of Charon」や「Fly To The Rainbow」で披露した官能的なギター・ソロには思わず息を飲んだ。現在のウリは、70年代、SCORPIONSで彼が生み出した楽曲をメインとしたライヴを展開しており、この日も、その時代の名曲を次々と披露。SCORPIONSは80年代以降の楽曲を中心としたライヴだっただけに、彼らとウリのライヴを見ることで、バンドの50年を俯瞰できるという喜ばしい結果となり、特に70年代から支持してきた日本のファンにとっては、嬉しい2日間となった。

現在の米メタル・シーンを牽引するKILLSWITCH ENGAGEは、猛々しいサウンドを一気呵成に叩きつけた。フロントの4人は留まることなく、ステージを暴れまわり、それに呼応してフロアも狂騒状態に。ジェシー・リーチ(vo)が“でかいサークルを作れ!”と扇動すると、フロアには巨大サークルが出現し、クラウド・サーフも続出。会場の温度をグングンと上昇させるような圧巻のライヴだった。

KILLSWITCH ENGAGE


2日間の殿を務めたのはWHITESNAKE。彼らは現在は“Greatset Hits Tour”と銘打ち、80年代後半にメガヒットした『Slide It In』(84年)、『Whitesnake』(87年)、『Slip Of The Tongue』(89年)の楽曲を中心としたセットリストによるツアーを続行中。というわけで「Bad Boys」でライヴの幕を切って落とした。これは88年の来日公演と同じで、当時を知るファンは胸を熱くしたことだろう。途中「Children Of The Night」のフレーズを挟み込むアレンジも、当時と同様だった。デヴィッドは、序盤は若干声がかすれる印象もあったが、徐々に調子を上げていき、強力なシャウトを連発。また、股間からマイク・スタンドを天に突き上げるおなじみのアクションも連発し、ステージ袖で投げキッスを送るなど、そのセクシーぶりも、さらには“歌って!”と合唱を促す日本語のMCも健在だった。終盤は「Still Of The Night」でデヴィッドがこれまで以上の渾身のシャウトで魅せ、ラストの「Burn」では再び大合唱が巻き起こり、最後にもう一度渾身のシャウトを轟かせると、会場の雰囲気は絶頂を迎え、2日間の宴は大団円となった。

WHITESNAKE

今年ヘッドライナーを務めたSCORPIONSとWHITESNAKEは、きしくも84年に開催された伝説のメタル・フェス“Super Rock 84”に出演した2組。32年の時を経て、日本の地で再び邂逅するということで、今回は“Super Rock 16”だと揶揄(?)する向きもあったが、ともかく、メタルの歴史を築いてきた2組が今なお健在で、当時に勝るとも劣らないパフォーマンスを披露してくれたというのは、メタル・ファンとしては感慨深いものだったのではないだろうか。CAMDLEMASS、DOKKEN、RIOTといった2組のレジェンドに続くベテラン勢や、SONS OF TEXAS、SHINEDOWN、KILLSWITCH ENGAGEなど、レジェンドたちに影響を受けた次代を担う世代のバンドも熱演を披露。それは、メタルという音楽文化が脈々と受け継がれていることの証明のようでもあり、2日間でメタルの歴史絵巻を見るようなイベントだったようにも思う。

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