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SUMMER SONIC 2012 8/18イベントレポート

初日の雨模様などなかったかのように、2日目の幕張は抜けるような青空。9時の開場と同時に、各ステージのフロアやフードコートに一気に熱気が満ちていく。FLiP(「MOUNTAIN STAGE」)/WHITE ASH(「SONIC STAGE」)/SHUN(「RAINBOW STAGE」)/Btype Qualia(「BEACH STAGE」)といった邦楽新鋭たちが2日目のオープニング・アクトを務めている間にも、屋外のみならずメッセ内の温度もぐんぐん上昇していくのがわかる。

「MARINE STAGE」の口火を切ったのは、黒人ソウル・シンガーを擁するUSハリウッド発の新鋭:VINTAGE TROUBLEが60s直系の骨太なロックンロールを聴かせたかと思うと、同じくアメリカのラップ・ロック変異体:GYM CLASS HEROESが、ヒップホップ×ロックンロール×R&Bを足しっ放しにしたような熱量で灼熱の「MARINE STAGE」をさらに天井知らずの狂騒の中へと叩き込んでいく。ポップ・シンガーとして格段に成長を遂げた阿部真央、初の「MARINE STAGE」出演への意気込みを華麗なパフォーマンスに注ぎ込んだPerfumeという邦楽アクトに続いては、「SONIC MANIA」にも登場していたマイアミ発・全世界的お祭り番長ラッパー:PITBULL! Perfume後に一瞬だけ降った豪雨とその雨上がりの風景すら最高の舞台装置に変えるアゲっぷりはさすがだ。

2日目の「MOUNTAIN STAGE」は邦楽ロックンロールの精鋭:[Champagne]でスタート。昨年は「RAINBOW STAGE」に出演していた4人組:TRIBESは今年は「MOUNTAIN STAGE」に登場。UKロックンロールのロマンを結晶させたようなその楽曲が、オーディエンスの情熱を1つまた1つと真夏の熱気の中へ解き放っていく。今や台湾を超えて広くアジア圏で活躍するMAYDAYの熱演に続いては、2005年の「SUMMER SONIC」ではTHE LA'S再結成の一翼を担っていたジョン・パワーが再結成CASTとして登場。UKロック〜ギター・ポップの王道とも言うべきスケール感のメロディが、広大なメッセの空間を心地好い高揚感で満たしている。THE CARDIGANSのアクトは、「plays Gran Tourismo」と銘打たれていた通り、世界的出世作となった1998年の名盤『Gran Tourismo』のディープな楽曲を中心に披露しつつ、ヒット曲「Lovefool」を披露するサービス精神も覗かせていた。


アダム・ベインブリッジの1人ユニット:KINDNESSの脱力系ディスコ・ポップ・ワールドで幕を開けたのは「SONIC STAGE」。ポスト・パンクもパワー・ポップもエレクトロもすべてをUKロックど真ん中に直結する異才5人組:SPECTORがフロアを沸かせ、OTHER LIVESはギター/ベース/ドラムのみならずヴァイオリン/チェロ/鉄琴/トランペットなどを5人のメンバーが持ち替えながら独自の精緻な音風景を立ち上がらせていく。今年の「Springroove」でも初来日と思えないほどの熱気を生み出していたNYハーレム出身の女性ラッパー:AZEALIA BANKSは、ワイヤレス・マイクを手にステージ狭しと歩き回り歌い回りながら圧巻の才能を爆発させていたし、テクノ・サウンドを21世紀型パンクとして鳴らしながら熱烈な支持を集めるPOLYSICSは「BUGGIE TECHINICA」から「Let's ダバダバ」まで惜しみなく放射して「SONIC STAGE」をアゲ倒していた。

ハードコア・パンクからアイドルまで咲き乱れた屋内ステージ

一方、「RAINBOW STAGE」のトップバッターは、UKロック・レジェンドの2世&3世をメンバーに擁するBELAKISS。骨太な楽曲とミステリアスなサウンドが独特のサイケデリック感を醸し出し、その実力と存在感を見せつけていた。そして土屋アンナ。先日行われたaudio-technica創立50周年記念イベント『50th Anniversary audio-technica Live Party ありがとう50年』にも出演していた彼女は、ワイヤレスマイク「AEW5000Series」越しにあふれ出すパワフルなヴォーカリゼーションでもって、「rose」のヘヴィ・ロック・アンサンブルも「Brave vibration」のスケール感あふれるサウンドも自在に乗りこなしていく。「今日は盛り上がるよ! もう、靴脱いじゃうよ!」と言いながら、ハイヒールをフロアに投げ込んでみせる彼女の熱気が、フロアを力強く巻き込んでいた。

「シューゲイザー系の亜種」ではない濃密な轟音サイケデリック・ロックと疾走感で「RAINBOW STAGE」を魅了したのはUK新星:TOY。その白昼夢のような快楽を爆裂狂騒感で上書きしたのが、京都発の異色キーボード・トリオ:モーモールルギャバン。卓越したテクニックをも押し流すほどの情熱と絶叫MC混じりに「ユキちゃんの遺伝子」「野口、久津川で爆死」といった楽曲を畳み掛け、最後は「サイケな恋人」でもはやお馴染みとなった会場一丸の「パンティー!」コールを巻き起こす。「ディア・ロンリーガール」から新曲「HEART BEAT」まで幅広く披露し、J-POPをリードする歌姫としての存在感を示した加藤ミリヤ。ここ日本でも人気を誇るチャン・グンソクは、DJ BIG BROTHERとのダンス・ミュージック・ユニット:TEAM Hとして登場。「Chase the Light!」「jump」「crossover」など、変幻自在かつカオティックなハイブリッド・ハードコア・サウンドで超満員のオーディエンスを狂騒の絶頂へと導いたのは、神戸が生んだ奇跡の6人組:Fear, and Loathing in Las Vegas……そして。2日間の「RAINBOW STAGE」のクロージング・アクトを務めたのは、全国急速席巻中のアイドル・ユニット:ももいろクローバーZ。「ロック・ファンのみなさんにアイドルの力を見せつけてやるんで!」という宣言とともに、「労働讃歌」「Z女戦争」など熱血ポップ・ナンバーが満員の観客に降り注いだ。

札幌出身・カナダ経由のシンガー・ソングライターRihwaから始まった2日目「BEACH STAGE」。カナダのインディー・ポップ:WALK OFF THE EARTHに続いて、lecca/Pay money To my Pain/FIRE BALL with Home Grownと邦楽アクトが登場。残念ながらトリのPENNYWISEがキャンセルとなった2日目「BEACH STAGE」を熱く締め括ったのは、土屋アンナと同じくaudio-technica創立50周年記念イベントを沸かせていたDef Tech。Dub Master Xとともにステージに現れたShenとMicroは、ワイヤレスマイク「AEW5000Series」を手に、暮れ行く幕張の夕陽をその歌声でさらに美しく、ダイナミックに彩ってみせていた。「ISLAND STAGE」にはFire EX./1976/Quarterback/Yu-Huan DMDM(台湾)、Glen Check/クナムグァ・ヨライディンステラ/Guckkasten/チャン・ギハと顔たち(韓国)……と、この日は台湾&韓国のアーティストが集結。「GARDEN STAGE」にはおおはた雄一&坂本美雨のユニット「おお雨」をはじめ45trio/長澤知之/永野亮といった個性的な邦楽アーティストのアクトが繰り広げられていた。


HOOBASTANK堂々見参! そしてRIHANNA、NEW ORDERの終幕へ

2日目も後半に差し掛かり、「SUMMER SONIC 2012」はフィナーレへ向けてしだいに熱気が高まっていく。「MOUNTAIN STAGE」にはニュー・アルバム『FIGHT OR FLIGHT』をリリースしたばかりのHOOBASTANKがオン・ステージ! 「We came back!」とオーディエンスの歓声に応えながら、何より「This Is Gonna Hurt」「No Win Situation」など新作からのナンバーを「今」のアンセムとして堂々と響かせていくダグの姿には、神々しいまでのパワーが宿っている。「Brand New Song!」と叫んで突入した「No Destination(Fight Or Flight)」で、フロアにジャンプの嵐を巻き起こし、USロックのバイタリティを十二分にアピールしてみせていた。7年ぶりに新作を発表したGARBAGEは今なおモンスター級の破壊力を誇るサウンドで「MOUNTAIN STAGE」を震撼させ、ヘッドライナーとして登場したUKの巨星:NEW ORDERは中心人物=ピーター・フックの不在をよりハイパーに研ぎ澄ませたサウンドとプレイでカバーし、21時過ぎても満員のフロアを濃密な妖気で酔わせてみせていた。

ロックもソウルもエレクトロも粉砕&再構築して「SONIC STAGE」に極彩色のポップ空間を描き出してみせたのはFOSTER THE PEOPLE。実に27年ぶりとなる日本のステージで、「Shout」「Head Over Heels」など80年代UKエレポップの名曲を聴かせてくれたのはTEARS FOR FEARS。そして、「SONIC STAGE」のみならず「SUMMER SONIC 2012」全体のクロージング・アクトとして登場したスコットランドのプロデューサー:CALVIN HARRISの、歌モノも盛り込んだエレクトロ〜ハウス・サウンドが、フェスの終わりを惜しむオーディエンスの熱気混じりの寂寞感とともに響いていく。


洋楽ダンス系アクトが勢揃いした「MARINE STAGE」2日目後半。キーボードやギターを操りながら、ダンサー陣とともにハード&パワフルなアクトを展開したKE$HA。前日の大阪公演では出演キャンセルとなったJAMIROQUAIは、なんと体調不良を圧して「MARINE STAGE」のステージに登場。入場規制が行われるほど観客が詰めかけたスタジアムを、新旧ファンク・ナンバーで揺らしていく図はまさに圧巻。日本におけるジェイ・ケイの根強い人気を実証していた。そして……2日目のヘッドライナー:RIHANNA! R&Bの先鋭性よりは完璧にデザインされたショウ・エンターテインメントとしての完成度で、数万人に及ぶオーディエンスの熱気を真っ向から受け止めてみせていた。アンコールの「Love The Way You Lie」「Umbrella」「We Found Love」3連発までトータル20曲。あまりにもゴージャスな幕切れだった。

こうして、13年目の開催も大成功を収めた「SUMMER SONIC」。生活に寄り添い、豊かに彩る音楽文化の多彩さを、そのラインナップと熱演を通して提示する至福の空間が、そこには確かにありました。audio-technicaは今後も、こうした日本のフェス文化と音楽のさらなる発展をバックアップするため、よりよい製品と、音楽を通してのコミュニケーションの場を提供していきたいと考えています。

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