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■Brad Madix Interview[2002年1月15日、渋谷AXにて] MR.BIG(ミスター・ビッグ)のFOHエンジニアとして来日したブラッド・マディクス(Brad Madix)氏は、オーディオテクニカのコンデンサーマイクAT4050/CM5の信望者としても知られています。渋谷AXでのライヴに向けてサウンドチェックに余念のない彼を訪ね、その合間を縫ってATとの出会いや今回のサウンド・セッティングについて訊いてみました。
 


Brad Madix(ブラッド・マディクス)

★あなたの略歴を教えてください。  
僕は、ボストンのバークリー・カレッジ・オブ・ミュージックで、ミュージック・プロダクションとエンジニアリングを学んだんだ。卒業後はバンドでキーボードを弾いていて、レコーディング契約を取れそうになったけど結局駄 目になって・・。バンド活動中にスタジオでミキシングを経験し、このときから技術面 に興味を持つようになったんだ。初めてミキシングを担当したのは、ジョン・キャファティ&ザ・ビーヴァー・ブラウン・バンド。1984か85年の頃だったが、楽しかったので、この仕事をずっと続けようと思ってね。その後サバイバー、サイケデリック・ファーズなどのツアーに、エンジニアとして参加するようになったんだ。 エレクトリック・テクニシャンとしてロサンゼルスでデフ・レパードと仕事をするようになったけど、最初はサウンド・クルーとしてだった。彼らの大ヒット・アルバム『ヒステリア(Hysteria)』のツアーに同行し、PAを担当した。最初のカナダ・ツアーにも参加したんだよ。その後は、主にクイーンズライチ、マリリン・マンソン、ブルース・ホーンズビーらと仕事をしている。

★ミスター・ビッグを担当するようになったのは?
1991年だと思うけど、ラッシュのオープニング・アクトでやったのが最初だ。ミスター・ビッグはケヴィン・エルソン(Kevin Elson 註:レイナード・スキナード、エアロスミス、マイケル・ジャクソンらを担当するプロデューサー&エンジニア)がずっと担当していたが、彼が忙しかったので、僕が代わりにやることになったようなものだ。それから、もう10年さ(笑)。

★世界中に多くのマイクがありますが、 ATを使うようになった理由は?
使い初めて10年くらいになる。最初に使ったのはクイーンズライチの時だけど、まずAT4050/CM5を薦められたんだ。テクニカU.S.のジョエル・シンガーに「ギター用に使ってみたらどうか」ってね。そこでギターに試してみたら、誰が聴いても音がグンと良くなった、特にアンビエントが改善されたのが明らかだった。それからというものは、あちこちでテクニカのマイクを試してみた。基本的には、全部満足すべき結果 が得られたんだ。ことあるごとにテクニカのマイクを使うようになって、それまでのマイクと入れ替えていったんだが、そのたびに以前よりサウンドが改善されたのが明らかだった。それが理由だね。

★楽器別のセッティングは?
ビリー(ベース)は、2つのサウンドを使いこなしている。一つはノーマルなベース・サウンド、つまり重低音を生かしたもの。そしてもうひとつは、高域を歪ませた鋭いサウンドだ。ローエンドはダイレクトボックスを使ってラインに送り(註:ビリーはソロでMIDI音源のオルガンの音色を重ねたりする)、ハイエンドの歪ませたサウンドはAT4050/CM5を使ってマイクで拾って、それらを組み合わせる。ギターとベースが一緒にプレイするときにも、レスポンスが早くてマッチングがいいしね。AT4050/CM5で拾うディストーション・サウンドは、ギターみたいにエッジの聴いた明瞭なサウンドが得られるわけさ。ドラムスにはキックドラム(いわゆるバスドラ)にAT4055を2本を背面 にセットしている。キックのクイックとスナップを利かせるためだけど、AT4055をキックのフロントヘッドの穴の中に入れて、メインのキックドラム・サウンドを拾っている。こうすると、重低音とナイスな中域、ベターなスナップが得られるんだ。スネアには2本のATM23HEをトップにセットして、広いエリアを受け持たせる。タムタムにはATM35を使っている。ロープロファイルの良いマイクで、ほかのマイクよりもローエンドが伸びていると思う。オーバーヘッド用にはAT4050/CM5。なぜならレンジが広いし、アンビエントの良い、よりナチュラルなドラム・サウンドを出せるからなんだ。あとは....テクニカのAT4041を、スネアの下側にセットしてると思う(笑)。ギター・アンプには、2本のAT4050/CM5をセットしている。1本は(キャビネットの中の)スピーカーのセンターに向けて、よりブライトな音を拾う。もう1本はスピーカーのエッジに向け、よりローエンドを出すようにして、組み合わせているんだ。

★ワイドレンジなサウンドを出すため?
そう。それと指向性の問題や、バンドの好みもあるね。

★さっきドラムスのセッティングで、かなり苦労していたようですが?
ちょっぴりね(笑)。スネアとタムは問題なかったが....キック・ドラムが今日はヘッドを少し低めにチューニングしていたので、振幅が多過ぎた。そこでタオルを中に詰め込んだことで、若干改善されたよ。

★ライブの時に注意していることは?
できるだけ、前回のライヴの状態を、そのまま再現するようにしている。もちろん、毎日が同じ条件や状態じゃないから、セッティングも少しづつ変えているけど、スタート地点はいつも同じところに揃えるようにしているんだ。そこから少しづつ調整していく。慣れているところから始めれば、上手くいくということだね。それ以外では、常にミキシング・コンソールのヘッドオーヴァーやオーヴァードライブについてチェックしている。

★バンド・メンバーから「ああして欲しい、こうして欲しい」といった注文は来るんですか?
テスト中に「このようにしたい」と言ってくれば、私はその言葉を理解して解釈し、そうなるように技術的な操作をするわけ。彼らは、PAの技術面 には詳しくないからね。

★日本のホールはどう思う?
以前はシアターやアリーナで仕事をすることが多かったが、最近はこういったホールも多くなってきている。つい最近も日本で2箇所、そのような場所で仕事をした。例えば、ZEEPやこのAX、そして赤坂BLITZなどだね。機材もいいし、会場もとてもナイスだし、気に入っている。きれいだし、エクセレントだね。短い時間でしたが、ブラッドは非常に協力的で、気さくに応えてくれました。ミキシングコンソールの傍らに置かれたAppleのPowerBookG4を駆使し、サウンド・チェック用はもちろんハードディスク・レコーディングまでこなしてしまうという、まさにプログレッシヴなエンジニアでもありました。(O)

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