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 “ピュア&パワフル”な至高のサウンドに満場のファンが酔いしれた!
— DEEP FOREST:“Dear Friend Tour”in JAPAN 2003 —
featuring 元 ちとせ2003/2/13 in 渋谷公会堂
ABOUT THE ARTIST


 伝統音楽の中の“聖なる歌”と最新のテクノロジーを結びつけるというユニークなアプローチで世界のミュージックシーンに大きな影響を与えてきたフランスの音楽ユニットDEEP FORESTがこのほど来日し、2月12日から17日まで、東京・大阪・名古屋の3都市で、のべ5日にわたるライブツアー“Dear Friend Tour”を行ない
ました。
 このツアーは、彼らが活動をスタートした1992年から10年が経過したことを記念すると同時に、昨年6月に発売されたDEEP FOREST4枚目のオリジナル・アルバム「MUSIC DETECTED」で“日本のディーバ”元ちとせをフィーチャーしていること、さらに、初のベスト・アルバム「essence of DEEP FOREST」が発売されることに合わせたもので、スペシャル・ゲストとして元ちとせを迎えて行なわれました。
ここでは、ツアー2日目の2月13日、東京・渋谷公会堂でのライブの様子をレポートします。

 この日は、同じ渋谷公会堂でのツアー初日に続き、チケットは早々と完売しており、18:30の開場を待ち切れないように続々とファンがつめかけて来ます。そのため、5分ほど早く開場になると、座席はたちまち埋まってゆきました。ファンはほとんどが20代から30代ぐらいまでで、男女比もほぼ半々といったところでしょうか。平日なので、勤め帰りらしい服装の人が多いのが目につきます。そして、遅れたファンが次々に駆けつけてくる中、ライブは予定の19:00きっかりにスタートしました。
 オープニングの曲は「MUSIC DETECTED」の冒頭に収録されている「INDIA」で、まずインドの民俗楽器らしい柔らかな弦楽器の音が流れたかと思うと、そこから先は、まるで音の絵巻物でも見るかのように、インディアテイストが濃厚な女性のボーカル、力強いドラムとギター、そしてシンセサイザーとヴァイオリンなどが入れ替わっては折り重なり、聴く者の耳をというよりも、その身体ごとわしづかみにするようにホールの中を満たします。CDで聴いていた初期の曲よりもサウンドが格段にパワフルでヘヴィになっているようで、一瞬戸惑いも感じますが、曲の姿が見えてくるにつれて、「たしかにDEEP FORESTだ!」ということも、よくわかります。
 それに、驚かされるのはサウンドの“純度”で、十分にヘヴィでパワフルであるにもかかわらず、まったく濁りや曇りが感じられず、あくまでもクリアーで切れがよいのです。初めて目にするステージ上のDEEP FORESTの演奏能力の高さにも強烈なインパクトを受けるのですが、オープニングからこれだけクオリティの高い音が出てくるSRには、ちょっとお目にかかったことがない——という気がしました。
 案の定、この「INDIA」が、まるで断ち切られたかのようにピタリと終わると、会場から一斉に歓声が湧き起こりました。どんなライブでも、ファンの常として、当然歓声ぐらいは出るものだと言ってしまえばそれまでですが、この時の歓声は、曲の素晴らしさとDEEP FORESTの演奏能力の高さ、そして、聴こえる音のクオリティの高さへの感嘆の念からの歓声だったといって間違いないでしょう。
 これは、2曲目の「COMPUTER MACHINE」でも、3曲目の「ENDANGEREDSPECIES」でも同じことで、3曲目には客席のあちらこちらでファンが立ち上がり始め、4曲目の「BEAUTY IN YOUR EYES」が終わる頃には、場内はほぼ総立ちに近い状態になりました。

 今回のツアーは、“DEEP FORESTそのもの”というべきMichel Sanchezミッシェル・サンチェズとEric Mouquetエリック・ムーケの二人のほかに、アルバム「MUSIC DETECTED」にも参加しているドラムのDavid Fallデヴィッド・ファール、今回のみの参加らしいギターのNorbert Galoノルベール・ガロの二人が加わった
4人のバンドによるものでしたが、この4人が生み出すサウンドは実に色彩感豊かで、厚みがあると同時にキレがよく、非常にパワフルでもあって、ワールドワイドに活躍しているユニットの実力を思い知らされた感がしました。個別に言えば、キーボードとシンセサイザーを駆使するミッシェル・サンチェズとエリック・ムーケの二人は当然だとしても、フュージョン=ジャズ風のテイストを感じさせるノルベール・ガロの流麗でアーシーなギターも文句のつけようがないものですが、とりわけ、デヴィッド・ファールのしなやかで切れ味鋭く、強力なドライブ感のあるドラミングは、世界でも指折りのレベルではないかと思われます。
 このバンドに、曲によってBeverly Jo Scottビヴァリー・ジョー・スコットとスペシャル・ゲストの元ちとせのボーカルが加わる、というのが今回のツアーのおおよその構成です。

 SRに関しては、ビヴァリー・ジョー・スコットと元ちとせのボーカルも含めて、このツアーではほぼ全面的にオーディオテクニカのマイクが使われました。
 まずドラムですが、キックにAE2500(国内では未発売)、スネアにATM25、タムにATM35、ライドとハイハットにAT4051、オーバーヘッドにAT4033aを使用した他に、キックドラムの両サイドにAT4050/CM5を配するというユニークなセッティングをしていました。これは、マイクのセッティングを担当したCharles Deschutterチャールズ・デシュター氏によれば、ドラムの音の重みを逃さずとらえるための試みだそうで、「AT4050/CM5は余計な音を拾ったりせずに、ドラムのズシッという感じをとてもよく出してくれるんだ」とのことでした。
 ドラム以外には、ビヴァリー・ジョー・スコットと元ちとせのボーカルにコンデンサー型のユニットを搭載したワイヤレスのATW-T98Cが、元ちとせの三弦(サンシン)用にATM25が使われましたが、キーボードやシンセサイザーはもちろんラインですし、ギターもダイレクト入力でしたので、他社製のマイクはエリック・ムーケのボーカル用のものだけだったことになります。


キック:AE2500(国内未発売)
  オーバーヘッド:AT4033a

 ここでステージに戻ると、6曲目の「YUKI SONG」でビヴァリー・ジョー・スコットが登場しましたが、ATW-T98Cは彼女の繊細で表情豊かな歌声をくっきりととらえていて、申し分ありませんでした。そして10曲目、エリック・ムーケのMCによる紹介があって元ちとせがステージに現われ、まず三弦を力強く鳴らし ながら、アルバム「MUSIC DETECTED」にも収録されている「WILL YOU BE READY」のイントロを歌い出すと、そこにビヴァリー・ジョー・スコットも加わって、サウンドは徐々にヘヴィになります。ファンはすでにDEEP FORESTのサウンドの美と力にすっかり魅了されていたと言ってよいでしょうが、壮麗な伽藍を思わせるようなこの曲で、客席の盛り上がりは最高潮に達したようでした。
 元ちとせは、続いて彼女の持ち歌である「凛とする」を歌いましたが、この曲はエリック・ムーケが作曲したものです。そして、実際に見る彼女はかなり小柄なのですが、その声は、どこからこれだけの声が出るのかと思うほどにパワフルでエモーショナルな力に満ちていて、満場のファンも、彼女の歌声にただ圧倒されるかのようでした。ATW-T98Cは、身体全体からしぼり出されるような彼女の歌声にとてもよくマッチしていたと言ってよいでしょう。
 元ちとせが歌い終えたところで、ライブはいよいよ終盤という感じになって、「DIGNITY」「While The Earth Sleeps」と続き、最後に「Deep Forest」が演奏されてメンバー紹介があり、ここで一旦全員が退場しましたが、すっかりエキサイトしたファンを残して、これで終りになるはずはありません。嵐のようなアンコールの拍手の中、ほどなくバンドが出てきて、始まったのは、DEEP FORESTの記念碑ともいえる名曲「Sweet Lullaby」です。これはもう、ファンにとっては至福の時間ともいうべきで、サンプリングされたアフリカンヴォイスが、まるで客席全体が合唱しているかのように場内に響き渡りました。
 ここで、元ちとせが再度登場してジミー・ヘンドリックスの「Little Wing」を歌い、さらに「Forest Hymn」と「COMPUTER MACHINE」がもう一度演奏されて、ライブはようやく終了しました。

 全体を通してふり返ってみると、初期のDEEP FORESTのアルバムではリズムは打ち込みが中心だったと思われますが、4thアルバムの「MUSIC DETECTED」でもわかるように、デヴィッド・ファールのドラムが加わったことでDEEP FORESTのサウンドはかなり大きく変化しており、今回のライブで、その違いがよくわかったように思います。また、この変化は「Sweet Lullaby」のような初期の曲にも及んでいるわけですが、それを一言でいうならば、よりヘヴィで厚みのあるサウンドになったということです。ただし、すでに述べたように、だからといってサウンドの“純度”が落ちるようなことはまったくなくて、キレや輝きが増しているようでもあったことに、“本家の凄み”のようなものを感じました。
 そもそも、DEEP FORESTといえば、ヒーリング系のアンビエント・ミュージックの一種だろうと思われることも多かったようですし、彼らの曲の大半がサンプリングを主体にしたものであることを考えると、一体、ライブのステージはどんなものになるのだろう?という思いもありましたが、そんな疑念は冒頭からきれいさっぱりと吹き飛ばされました。ミッシェル・サンチェズとエリック・ムーケのクリエイターとしての力を疑う人間などいるはずもないでしょうが、今回のステージを見て、彼らが演奏者=パフォーマーとしても超一流であることを、まざまざと思い知らされました。
そして、デヴィッド・ファールという若くて強力なドラマーを得た今、DEEPFORESTは、ほとんど“無敵のライブ・バンド”でもあるのではないかと思えてきます。今回、オーディオテクニカのマイクが、そんな彼らのパワーをがっしり受け止め、その魅力を存分に伝えることができたことも疑いないでしょう。
 実際、MCをほとんど一人で担当していたエリック・ムーケも、この日のステージにはとても満足したようで、最後にステージを去る間際のMCで盛んに「Thankyou!」をくり返すとともに、「audio-technica is all right!」とも言っていたのは、決して耳のせいではなかったはずです。

 なお、今回チーフ・エンジニアを努めたのはPierre Jacquotピエール・ジャコ氏でしたが、これまでジャコ氏はオーディオテクニカのマイクをほとんど使ったことがないという事情もあって、オーディオテクニカのマイクについての経験が豊富なチャールズ・デシュター氏(今回はモニター担当として参加)が、セッティングから
レベルの調整まで、フルにサポートしてくださいました。デシュター氏の熱意あふれる仕事ぶりに、改めて感謝の念を表明しておきたいと思います。
 また、今回のツアーは東京・大阪・名古屋のみでしたが、DEEP FORESTにはできるだけ早く再度日本を訪れ、札幌、福岡等の他の主要都市のファンにも今回のような素晴らしいステージを見せてやってほしいものだと願わずにはいられません。


PROFILE

DEEP FOREST(ディープ・フォレスト)。Michel Sanchez(ミシェル・サンチェーズ)とEric Mouquet(エリック・ムーケ)の二人によるフランスの音楽ユニット。1992年にリリースされたデビュー曲「Deep Forest」と「Sweet Lullaby」のエスニック・テイストに溢れた斬新なサウンドで一躍ワールドワイドな注目を集め、以後、世界各地の伝統音楽の歌い手たちとのコラボレーションを続けると同時に、様々なミュージシャンへの曲の提供やアルバムのプロデュースなど、精力的な活動を展開。日本では、これまでに発売された3枚のオリジナル・アルバム「WORLD MIX」「BOHEM」「COMPARSA」がすべて10万枚以上のセールスを記録(ゴールドディスク認定)しており、2002年6月にリリースされた4thアルバム「MUSIC DETECTED」では元ちとせをフィーチャーして話題を集めている。『ストレンジ・デイズ』のエンディング・テーマ「While The Earth Sleeps」(ピーター・ガブリエルをフィーチャー)など、映画に使われている曲も多い。


元(はじめ)ちとせ。1979年、奄美大島(鹿児島県)生まれ。小学生の頃から島唄を習い始め、中学3年生の時に県民民謡大会で優勝。高校3年生の時に、史上最年少で奄美民謡大賞を受賞。大阪で美容師を目ざして働いた後に上京し、2001年、山崎まさよしやキャロル・キングなどの曲をカバーしたミニアルバムとオリジナル曲のミニアルバムを相次いで発表して音楽ファンの注目を集めた。2002年2月にリリースされたメジャーデビューシングル「ワダツミの木」は、深い情感をたたえた歌声で大きな話題を呼び、チャートのトップに立つメガヒットとなった。同年7月にはメジャー1stアルバム「ハイヌミカゼ」をリリース。さらに、「この街」がNHKの朝の連続テレビドラマ「まんてん」の主題歌になるなど、着実にトップシンガーへの道を歩み続けている。

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