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“進化”し続けるKISSサウンドをAEシリーズが鮮烈にフォロー!
— KISS:“ALIVE IN JAPAN 2003” —
2003/3/12 in 日本武道館
ABOUT THE ARTIST


 彼らのライブが聴けるのは、もうこれが最後なのか——とファンを心配させた“THE FAREWELL TOUR 1973-2001”から丸2年、あのKISSが再び日本にやってきました。
前回はエリック・シンガーだったドラムが今回はオリジナルメンバーのピーター・クリスになった代わりに、ギターのエース・フレーリーは参加せず、トミー・セイヤーTommy Thayerがエースの代役を務めるという形での特別公演です。“ALIVE IN JAPAN2003”と題された今回のライブが実現したのは、KISSの30周年を記念してクラシックのオーケストラと共演した“KISS SYMPHONY”というライブが2月末にオーストラリアのメルボルンであったためらしいのですが、3月11/12/13日の日本武道館のチケットが早々とsold outしてしまったため、15日に横浜アリーナで追加公演を行なうという相変わらずの人気ぶりでした。
 前回の“FAREWELL TOUR”に続いて、今回の“ALIVE IN JAPAN 2003”でも、マイクはほぼ全面的にaudio-technicaが使われたため、2日目になる3月12日、日本武道館でのライブを聴かせていただきました。この日のライブの様子を、FOHエンジニアのKenVan Druten氏へのインタビューと合わせてご紹介します。

 この日、武道館の周辺では昼過ぎ頃からファンの姿が目につくようになりましたが、折りから対イラク戦争の懸念が強まっていたため、入場の際の手荷物検査も入念に行なわれ、その影響もあってか、開演は約30分遅れの19:30近くになりました。——しかしこの遅れは、KISSにとってもファンにとっても、かえって集中力を高めることになったようです。満を持したように4人がステージに姿を現わし、始まった最初の曲「Deuce」から、ジーンの姿には風格が漂い、ポールはしなやかに舞い、エース役のトミーにも何の異和感もなく、最後まで見事な演奏を聴かせてくれました。
 もっとも、はじめの2、3曲は、ラウドなサウンドにやや耳がついて行けない感じにもなりましたが、4曲目の「Shout it Out Loud」でジーンが火吹きのパフォーマンスを見せてくれた頃から、サウンドがとてもよく聴き取れるようになりました。そのクオリティは、まったく申し分がないというしかないもので、マッシヴな低域には締まりがあり、中域や高域のボリューム感も十分で、全体にラウドでありながらクリアーで、伸びとキレのよさがありました。

 ここで、今回のライブで使われたマイクのラインナップをご紹介しておきましょう。まずギターアンプには、計5本のAE3000が使われました。このAE3000は日本では未発売ですが、オーディオテクニカがライブステージ用に開発したArtist Eliteシリーズのモデルの一つで、防音タイプの特製のギターアンプを客席からはまったく見えないステージの左右の下に振り分けて設置するというユニークなセッティングになっていました。次にドラム回りですが、オーバーヘッドにはやはりAE3000を4本、ハイハットやスネアのボトム、ベル等に同じく日本では未発売のAE5100を計5本、そして、キックドラムにはAE2500というものでした。このAE2500も日本では未発売です。ちなみに、スネアのアッパーとタム類、そしてボーカル用のマイクは他社のものでした。


日本未発売 AE3000

 もう一度ステージに戻ると、5曲目の「Firehouse」の頃には、怒涛のようなKISSのパワーに武道館が丸ごと飲み込まれたかのようで、ステージとファンが一体となったgreat!というしかないような素晴らしいロックンロールショウが展開されて行きました。
 また、今回はとりわけ、ピーター・クリスのドラミングの鮮烈さがトータルなサウンドのクオリティを一層高めていたように感じられました。彼の演奏をライブで見たのは今回が初めてでしたが、それは実にしなやかかつスタイリッシュで、彼のドラミングにこそKISSのサウンドの謎を解くカギがあるのではないかという気がしました。残念ながら、“FAREWELL TOUR”の時のエリック・シンガーのドラミングではKISSというバンドの本当の姿はわからなかったような気がします。ここという時のスピード感やタイムキープの正確さなど、ピーターのテクニックの冴えは驚くべきものですし、おそらく彼は、ロックの歴史の中でも屈指のinnovativeなドラマーの一人であるに違いありません。
 ステージも終盤に入ろうとする頃には、ポールがリード役となって「La Bamba」「Day Tripper」「Stairway to Heaven」といった他のアーティストの名曲のサワリを演奏してみせるという心のなごむ一幕もあって、最後まで自信と余裕にあふれた堂々としたライブでした。3月10日にはローリング・ストーンズもこの武道館でライブを行なっており、KISSのライブはストーンズと入れ替わるようにして行なわれたわけですが、サウンドのクオリティやファンの満足度という点では、この日のライブは王者ストーンズにも一歩もひけを取らなかったのではないだろうかと思われました。
 この日、KISSは今でも進化し続けているのだということを、驚きとともに改めて確認できたような気がします。月並みな言い方になりますが、彼らはやはり、“生きている伝説”とでも呼ぶしかない存在なのだろうと思います。KISSの活躍、KISSの進撃は、当分とどまることがないでしょう。



◎FOHエンジニア、ケン・ヴァン・ドゥルテンKen Van Druten氏へのインタビュー

☆今回のツアーでは、ボーカル用は別として、ほとんどオーディオテクニカのマイクをお使いいただいています。お使いになっていて、どんな印象をお持ちかということからうかがいたいと思うのですが。
ドゥルテン〔以下、D〕:まず、コンデンサーとダイナミックの2つのユニットを組み込んであるAE2500だけれど、あれには本当に感心したね。これまで、キックドラムには別々のメーカーのマイク2本を組み合せて使っていたのだけれど、AE2500は、1本でその2本に負けないだけのクオリティの音を出してくれるからね。コンデンサーのユニットは高めの音を歯切れよくとらえてくれるので、バチがドラムの皮にミートする感じがよく出るし、ダイナミックの方は空気が振動する感じをうまく出していると思う。キックドラム用のマイクは、そのどちらもしっかり出せるようじゃないと困ると、ぼくは以前から思っていたのだけれどね。実際、昨日(11日)使ってみた結果でも、AE2500は申し分がないと思ったね。

☆ギターアンプやオーバーヘッドにお使いいただいているAE3000についてはいかがでしょうか。

D:ぼくはあれをオーバーヘッドとギター、それにベースにも使っているけれど、まずオーバーヘッド用としても、AE3000はグレイトなマイクだね。大きなダイアフラムのユニットを使ったコンデンサーマイクだから当然かも知れないけれど、AE3000は高域の描写力が抜群で、これがドラムの音だという感じをとてもよく出してくれるんだ。
これまではAT4050/CM5を使ってきたのだけれど、AE3000はかなりコンパクトで軽くなっているという点でもオーバーヘッド用に向いていると思うね。

☆ギター用としてはいかがですか。
D:ぼくがこれまでギターアンプ用に使ってきたのはAT4050/CM5なのだけれど、AE3000はAT4050/CM5とほとんど変わらない音を出してくれていると思う。まだ使い始めたばかりだから、あまりはっきりとは言えないのだけれど、ギターやベースの中低域の音、周波数でいえば200Hzから250Hzあたりの音が、AE3000の方がほんの少しくっきりと聴こえるという感じがして、それがぼくの好みには合っているということだろうね。その点を除けば、AE3000とAT4050/CM5の音にほとんど違いはないという気がするね。

☆ドラムにはAE5100を何本もお使いいただいていますが。
D:AE5100はハイハットとカウベル、それにライドとスネアのボトムに使っているけれど、とくに金属の響きを伝えるのに向いているマイクだと思うね。価格がどれくらいかわからないけれど、AE3000も一緒に、これからもずっと使いつづけることになるんじゃないかな。ぼくたちエンジニアは、とにかく、どれだけいい音を出してくれるかということがすべてだからね。

☆どうもありがとうございました。


PROFILE

KISS キッス
ジーン・シモンズGene Simmons(b)とポール・スタンレー Paul Stanley(g、vo)の二人にピーター・クリスPeter Criss(ds)が加わり、1972年に結成。’73年からのエース・フレーリーAce Frehley(g)も入れた4人がオリジナルメンバー。派手なメイクとコスチュームに加え、観客の度肝を抜くダイナミックなステージが話題となり、人気グループへの道を歩みはじめる。
'77年の初来日コンサートをNHKが放送するなど、日本でも絶大な人気を誇っている。その後、度重なるメンバーチェンジを経験するが、'96年からオリジナルメンバーでの活動を再開。そのルックスに似合わず、骨太なロックンロールそのものといってよいKISSのサウンドには、まさにいぶし銀のような輝きがある。彼らのステージ、彼らの歴史は、今まさしく伝説になろうとしている。

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