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熱かった!METALLICAのジャパン・ツアー、
マイクはすべてオーディオテクニカ!

—METALLICA:JAPAN TOUR 2003—
 2003/11/7 代々木競技場第一体育館
ABOUT THE ARTIST


 1980年代前半にロサンゼルスで活動を始めて以来、過激なまでにヘヴィでスピード感に満ちたサウンドで世界中のロックファンを震撼させ、ロックの歴史を塗り変えてきたモンスターバンド・METALLICA。“ヘヴィ・メタル”の枠だけに収まらず、“世界で最もビッグなロックバンドの一つ”といわれるこのMETALLICAの久々のジャパン・ツアーがこのほどようやく実現し、11月6日の東京・代々木競技場第一体育館から11月14日の名古屋レインボーホールまで、全国5会場で、のべ6日の公演が行なわれました。
 ところで、METALLICAのツアーのエンジニアが“BiG Mick”HUGHES(“ビッグ・ミック”ヒューズ)氏であるというのは、SRの世界では広く知られていることですが、ヒューズ氏はかねてからオーディオテクニカのマイクのファンであり、今回のジャパン・ツアーでも、ヒューズ氏がチョイスしたマイクはすべてオーディオテクニカのものでした。そこで、ここでは、ツアー2日目の11月7日、東京・代々木競技場第一体育館での公演の様子をレポートします。

 この日、開演の予定時間は19:00でしたが、いつものことなのか、時計の針が19:00を回っても、METALLICAの4人はなかなかステージに現われません。その不在に反比例するように、ファンで埋めつくされた会場の中には熱気が充満して、19:20を過ぎようとする頃、ついに会場の照明が落ち、どよめきのような歓声とともにライブがスタートしました。
 ファンの熱さは驚くほどで、最初の曲「Blackened」のイントロが始まると同時に客席は総立ち状態になって、曲のサビの部分ではたちまち合唱が起こりました。それに応えるように、ジェイムズ(vo&g)もとてもフランクな調子でファンに向かって語りかけ、スピード感に満ちた演奏が展開されて行きましたが、それでも、客席で聴く限りでは、5曲目の「The Thing That Should Not Be」あたりまではドラムとベースのタイミングにかすかなズレがあって、まだエンジンがよく暖まってはいないような感じがありました。
 しかし、20:00になろうとする頃、ニューアルバム「ST.ANGER」からシングルカットもされた新曲「Frantic」のあたりから、ジェイムズとカーク(g)、ロバート(b)のギターのアンサンブルも緊密度が高まって、METALLICAは、徐々にその真の姿を見せ始めました。
 ただ、開演から約1時間、4人が最初にステージを去ろうとした時には、正直なところ、「これで終わってしまうのだろうか?」という物足りなさもありました。これは、開演前のインタビューの際にヒューズ氏も語っていたように、会場の代々木第一体育館の床下にはプールとして使用される空間があるため、その影響からか、サウンドにややキレが足りないように感じられたことも関係していたでしょう。

 けれども、4人が再びステージに現われ、アンコールが始まると、そんな懸念は粉砕され、完全に吹き飛ばされてしまいました。ジェイムズとカークのギターの“鳴り”が見違えるように鋭さを増し、疾走し、からみ合うかと思うと、ロバートのベースもぐっとタイトでよく走るようになり、ラーズのドラムも息を飲むほどの重量感で響きます。それは、これまでに味わったことがないようなスケールの大きなサウンドで、目もくらむほどの音の洪水という印象なのですが、その一音一音が、実に鮮明でパワフルなのです。——つまり、METALLICAの4人の演奏がすさまじいのはもちろんなのですが、サウンド面では決して条件がよいとはいえない会場であるだけに、その不利も確実にカバーしてしまうヒューズ氏のサウンド・チューニングの腕には驚嘆せずには
いられませんでした。
 それにしても、この、アンコールに入ってからのMETALLICAの演奏とサウンドは、本当に素晴らしいものでした。4人のアンサンブルは実に緻密であると同時にスリリングで、ジェイムズのボーカルからも、一つひとつのギターのフレーズからも熱気がほとばしり、そのすべてが一つになって、嵐のようなグルーヴが生み出されていました。それはまるで、完璧に整備された巨大なエンジンを全開にして走り出したギンギンのアメ車のようなもので、スピードが乗ってしまえば簡単に停まったりもできず、「行けるところまで行く」ことだけが運命でもあるかのようにも感じさせられたのでした。——実際に、アンコールは3度にも及び、すべてが終わったのは21:30を回った頃で、アンコールに入る前と入った後の時間がほぼ同じだったのは、やはり驚きでした。

 この日使用されたマイクのラインナップですが、まずギターには、Artist Eliteシリーズの一つであるAE2500が計4本とAT4050/CM5が2本(ペアで使用)使われました。その使い方は、ヒューズ氏が自分で考案したというユニークなもので、スピーカーを内側に向けて組み込んだ箱の中に十分な吸音材とともにマイクをセットしておくというものです(写真参照)。この“マイク一体型のギターアンプ”とも言えそうな箱のことを、ヒューズ氏は「秘密兵器さ」と言って笑っていましたが、これはステージの裏手に設置され、ステージ上の通常のギターアンプはダミーだとのことでした。
 次にドラム回りですが、キックドラムにはギターと同じAE2500、スネアにはATM23HE、タムとライドにATM35、ハイハットにAT4041というものでした。
 そしてボーカルには、やはりArtist EliteシリーズのAE5400が5本、ステージの前面にほぼ等間隔にセットされ、ジェイムズは右に左にと移動しながら、この5本をほぼ均等に使って歌ったのですが、ジェイムズのボーカルは怒涛のようなサウンドにも埋もれずによく伸びて、最初から最後までとても明瞭に聴こえました。これは、MCでもさかんにファンに語りかけ、客席とコミュニケートしようとしていたジェイムズにとって大きなプラス要因になったことは疑いなく、実に納得のゆくマイクチョイスだったと思います。
 当然のことですが、このマイクのラインナップは今回のジャパン・ツアーの間ずっと変わらず、これといった変更はありませんでした(今後の海外でのツアーでも基本的には同じことだろうと思われます)。

 再度この日のステージを振り返ってみると、METALLICAの何が素晴らしいのかといえば、演奏のテクニックやサウンドはもちろんですが、きっとそれ以上に、彼らのガッツ=気迫が“ロックそのもの”と思えるほどに熱くてパワフルなので、それがファンを惹きつけて止まないのだろうという気がします。「本物は違うなあ!」とでもいうところでしょうか。そして、たとえ“脇役”ではあるとしても、オーディオテクニカのマイクロフォンも、その本物中の本物のステージをしっかりと支えていることを、多少は誇りに思ってもよいに違いありません。

ヴォーカル AE5400

ギターアンプ AE2500

   
 

ベースアンプ AT4050/CM5

 
 
 



◎“BiG Mick”氏のインタビュー
“AE2500をギター用に使うと、実にスケール感の豊かな素晴らしい音が出るんだ。構造もとてもよく考えて作られているし、PAを通して出てくるギターの音のプレゼンスは信じられないぐらいだし”

☆ヒューズさんはオーディオテクニカのマイクがお好きで、今回のツアーでもマイクはオーディオテクニカで揃えていただいているとのことです。2002年の"SUMMER SONIC"においでになった際にもお話をお聞かせいただきましたが、あの時にはまだAEシリーズが出ていませんでした。今回は、同シリーズの内、とくにAE2500とAE5400を選んでお使いいただいていますので、この2つのマイクについてのご感想からお聞きしたいと思います。

ヒューズ〔以下、H〕
:AE2500もAE5400もとても気に入っているので、話すことはたっぷりあるよ(笑)。まずAE2500だけれど、これまで、バスドラム用のマイクというのは悩みのタネで、思ったような音を出してくれたマイクはほとんどなかったといってもいいんだ。もう一つ感度がよくなかったり、セッティングしにくかったりでね。でも、AE2500は、これまでの他社のマイクに較べて明らかにいい音が出ているし、バスドラム用のマイクとして文句のない出来だと思うね。
 ただ、せっかくだからこの機会にいっておきたいのだけれど、AE2500をギター用に使うと、実にスケール感の豊かな素晴らしい音が出るんだ。感度だけでいうならAT4050がベストだろうと思うけれど、トータルに見ると、AE2500は驚くほどよくできたマイクだと思うね。構造もとてもよく考えて作られているし、PAを通して出てくるギターの音のプレゼンスは信じられないぐらいだし。ぼくは、誰にでも、とにかく一度AE2500をギターに使ってみるように薦めたいね。
 というのも、AE2500は使いやすさも抜群で、マイクをセットしたら、周波数特性がとても素直なので、EQもほとんどかける必要がないし、ギターのチャンネルはフラットにしたままで、ただレベルを上げ下げするだけで、ほかには何もしなくても文句のない音が出るんだよ。

☆そこまでギターにも合っているとは、われわれもちょっと考えていませんでしたね。あなたにこれだけお褒めいただけると、感激します。
H:次にボーカル用のAE5400だけれど、これもとても感じのいいマイクだね。これまでのオーディオテクニカのボーカル用のマイクもよかったけれど、AE5400はとくにいいね。全体の作りもさらに洗練されてきたと思うし、とてもしっかりした音なのでミックスもしやすくて、とにかく、一段とよくなったのはたしかだよ。実にいいマイクであることは間違いないね。

☆AEシリーズにはAE3000ですとかAE5100というマイクもあるのですが、もしそれらをお使いになったことがあるようでしたら、ご感想をお聞きしたいと思います。
H:いや、それはまだ見てないね。同じシリーズの新製品なら、ぜひ使ってみたいものだけれど。〔カタログを見て〕このAE3000の方はタムに使うとよさそうだね?アメリカに戻ったら試してみたいので、手配してもらえるならうれしいね。

☆そうですね。早速、連絡しておくようにします。
H:AE2500についてもう少しだけ言っておくと、2つのユニットの内、コンデンサーの方がハイエンドからローエンドまでの全帯域をよくカバーしている一方で、ダイナミックの方は中低域のレスポンスがいいので、全体でとてもパンチのきいたいい音が出るんだね。ぼくが聴いた感じではコンデンサーの方がほんの少し弱いので、少しだけレベルを上げているのだけれど、EQをまったくかけずにそのままでギターに使えるのだから、素晴らしいというしかないね。
 もちろん、バスドラム用としても申し分なくて、とても強い音が出せるので、ほかのマイクを使っているエンジニアにも、ぜひこれを使ってみるように薦めたいね。ユニットを2つ使っているのが変だと感じる人間もいるかも知れないけれども、実はこれは素晴らしいアイデアで、使ってみればそのよさがわかるはずだから。

☆よくわかりました。お忙しいところ、今日はどうもありがとうございます。

〔2003年11月7日 東京・代々木競技場第一体育館にて〕


PROFILE

METALLICA メタリカ
1981年、ジェイムズ・ヘットフィールド(vo&g)とラーズ・ウルリッヒ(dr)を中心にロサンゼルスで結成。83年にファーストアルバム「KILL EM' ALL(キル・エム・オール)」をリリースし、傑作として名高い86年のサードアルバム「MASTER OF PUPPETS(邦題:メタル・マスター)」で人気を不動のものにした。同年のヨーロッパツアー中にベースのクリフ・バートンが事故死するという不幸に見舞われたが、代わってジェイソン・ニューステッドが加入。91年にリリースされた「METALLICA」は1600万枚ものセールスを記録し、彼らがヘヴィ・メタル・シーンの頂点に君臨するバンドであることを強く印象づけた。その後、ブルースやカントリーにアプローチし、アンプラグドやオーケストラとの共演にもチャレンジするなど、彼らをめぐる話題は尽きない。03年リリースのアルバム「ST.ANGER(セイント・アンガー)」も15ヶ国でチャートのトップに立つなど、世界中のファンから熱烈な支持を受け続けている。誰もが認める“最もビッグなロック・バンド”の一つ。

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