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話題を呼ぶモンゴル800の全国ツアーで、
躍動するサウンドをフルサポート!

—MONGOL800 全国PARTY!!“百々 2004”—
 2004/7/10 渋谷AX
ABOUT THE ARTIST

ヴォーカル AE6100


 日本のロックの歴史に新たな一歩を印したアルバム「MESSAGE」のリリースから約2年半ぶりに、この3月、モンゴル800がニューアルバム「百々」(もも)をリリースし、4月24日の地元沖縄・宜野湾を皮切りに、9月中旬の札幌まで、全国47都道府県をめぐる全国ツアー“百々 2004”を展開しています。モンゴル800は2001年にも全国ツアーを行なっていますが、この時は全国9都市だけで、他のバンドと組んでのツアーでしたから、単独での本格的な全国ツアーは今回が初めてということになります。
 オーディオテクニカは、この注目のツアーのマイクを全面的にサポートさせていただくことになり、ツアー中盤の7月10日(土)、東京・渋谷AXでのライブを聴かせていただきました。

 この日のステージは、まずヒップホップ風の二人組のポップスユニットSOFFet(ソッフェ)のオープニングアクトで始まりました。明るく軽快なラップ調の曲は、耳当たりも悪くはないのですが、計7曲はちょっと長すぎるかな……と思ったところでようやく終り、ちょうど20:00を回ろうとする頃、キヨサク、タカシ、サトシの3人が大きな拍手に迎えられてステージに現れ、演奏が始まりました。
 その最初の数曲ですが、少し経ってからのMCで彼ら自身も語っていたように、ボルテージが上がりすぎていたせいなのか、声もやや上ずり気味で、キヨサクとタカシのボーカル用のマイクはAE6100でしたが、最初はかなりこもっているように聴こえたため、ちょっと心配させられました。しかし、3曲目の「HAPPYBIRTHDAY」の頃から徐々にバランスがよくなり、6曲目の「Melody」のあたりから全体の音のキレもよくなって、気持よく聴けるようになりました。
 実のところ、この渋谷AXからエンジニアが代わり、新任の米須氏にとってはこの日が初日も同然だったらしく、一方、マイクは前任の方のチョイスをベースにしているとのことで、個々のマイクの特性を充分にはつかみきれないままでの本番入りというハンデがあったようです。そのためもあってか、ライブの半ばすぎぐらいまでは、サウンドのバランスに少し出入りが多いような印象も受けました。聴感上の好みということもあるでしょうし、米須氏自身、まだスネアのトップに最適なマイクはどれかが決まらないとおっしゃっていたように、ドラムがややカブリ気味で、タムやスネアの音が重くにごったようにも聴こえたのが幾分残念でした。ドラムがもう少しヌケのよい音にチューニングされると、ドライブ感もさらに増して、全体のバランスも申し分のないものになったように思います。

 ここで、ボーカル用のAE6100以外のマイクについてもラインナップを確認しておきましょう。
 まずギターアンプですが、これは世界的にも定評のあるAT4050/CM5が2本で、音のキレも伸びも申し分なく、ベストチョイスであることは間違いないでしょう。次に、ベースアンプにはATM23HEとAE5100がペアでセッティングされていましたが、これはイントロをベースで弾く曲もあるため、その際の効果を考えた上でのチョイスだとのことで、ライブの終盤に演奏された「琉球愛歌」のイントロでのベースとギターのアンサンブルは実に美しく、ネライはとても的確だったと思います。そしてドラムですが、キックドラムにAE2500、スネアトップにAE6100、スネアのボトムにはAE3000、タムとフロアタムにはATM35、ハイハットとオーバーヘッドにはAE5100というものでした。前述のように、聴感上、ドラムの音には全体にもう少しヌケが欲しいなという感じがしましたので、今後、他のマイクも試していただくなどして煮詰めて行っていただければと思いました。なお、ドラムのサトシのコーラス用のマイクはAE4100で、これも文句のないチョイスだったと思います。

 アンコールも含め、ライブが終了したのは22:05。ライティング以外にはこれといった演出もない代わりに、フロアを埋めたファンと一体となった熱演で駆け抜けたような約2時間のステージでした。改めて全体を振り返ってみると、モンゴル800のサウンドにはCDで聴いていても抜群の疾走感があって、それがストレートで陰影の深い歌詞と結びつくことによって生まれる高揚感に大きな魅力があると思うのですが、ライブでは、彼ら3人の自然体のMCも楽しく、サウンドにはさらに躍動感と厚みが感じられ、それをまさしく3人だけで生み出していることにもっと注目すべきではないかと感じました。つまり、ギターなりベースなり、個々の楽器のプレーヤーとしては彼らはまだ発展途上でしょうし、テクニシャンということでは、彼らの上を行くプレーヤーの名を挙げることはとくに難しいことでもないでしょう。
 しかし、この3人が一体となって生み出すサウンドの躍動感に接すると、(少なくとも国内では)これを超えられるようなバンドがどれだけあるだろうか——
と思わされるのです。注意して聴けば、彼らが生み出すサウンドはとてもイノヴェーティヴで(とくにタカシのギター)、決してすでにあるモデルをなぞろうとするようなものではないことがわかります。と同時に、パンキッシュな曲から民謡に近いようなバラードまで、“歌”のスタイルがとても幅広いことも彼らの大きな特色だといってよいでしょう。そして、ロックの歴史に残るようなスーパーなバンドには、みな似たような特徴があると考えさせられたりもします。

 実際のところ、モンゴル800の3人がどこまで成長し続け、どれだけビッグなバンドになるのかは、まだわかりません。しかし、この日のステージから、彼らが今、日本の若者たちの希望の星のような存在になりつつあることが実感できましたし、彼らが目先の成功だけに安住しようなどとはしていないということもよく
わかりました。
 音楽とはコミュニケートすることだ——という考えがありますが、この3人ほどに伝えることや理解し合うことにひたむきで、そのための高い能力を持ったバンドは、この国のアーティストの中でも珍しいかも知れません。そして、オーディオテクニカのマイクが、彼らの望むようなコミュニケーションのための欠かせない道具の一つになるとすれば、お互いにとって、とてもハッピーなことであるのはたしかです。

 この日のステージでは、SRのトータルなバランスは万全の一歩手前というところだったかと思いますが、終盤に入ってからのサウンドはパワフルであると同時にとてもクリアーで、モンゴル800のサウンドとオーディオテクニカのマイクのマッチングが、基本的にはとてもよいことが十分に確認できたといってよいでしょう。そして、今回の“百々 2004”ツアーが進むにつれて、誰もが納得するような結果が出ることは、もう約束されたようなものかも知れません。

ベースアンプ ATM23HE AE5100

ギターアンプ AT4050/CM5

 

バスドラム AE2500

 

 

◎MONGOL800・エンジニア米須清和氏インタビュー:
“AE5100とATM35は、AT4050に近いぐらいの
 いい印象がありますね”

 

☆お忙しい中、どうもありがとうございます。早速ですが、まず、これまでオーディオテクニカのマイクとどんな接点をお持ちだったかということからお聞かせいただければと思います。

米須〔以下、K〕
:ぼくはレコーディングもやっていまして、レコーディングの方でサイドアドレスタイプのマイクを何度か使ったことがあるのですが、その時に非常にいいなという印象がありましたね。

☆サイドアドレスというと、AT4050でしょうか?
K:そうですね。4050です。

☆幸いなことに、AT4050についてはスタジオユースを中心に国内でもかなりご認知いただいていますが、以前から、ライブ用のマイクをもっと出してほしいというご要望がありました。そこで、今回もお使いいただいているArtist Elite(AE)シリーズを開発しまして、ようやくラインナップもほぼ揃いました。今回のツアーでは、このAEシリーズも含めて、マイクはすべてオーディオテクニカでまとめていただいています。お使いいただいての率直な印象をお聞かせいただければと思います。
K:実際、ライブでは、これまではATM25ぐらいしか使ったことがなかったんです。それで、実はぼくは代わったばかりで、これまでのハウスエンジニアの方からの引き継ぎでオーディオテクニカのマイクを使わせてもらっているんですが、基本的には、楽器回りで使わせてもらっているマイクに関しては十分にいけるなと感じています。それで、ボーカルについてはAE6100とかAE4100を使わせていただいているんですが、これらでは、多分、6.3kHzと8kHzのあたりが持ち上がった形になっていると思うんです。そして、おそらくそのせいで、モニター回りでちょっとキツイなという印象を受けますね。とくに、ハウスで表返しのモニターを作る時には、チャンネル分けをして、モニター用の音を作り込んであげないと、表のニュアンスと中のニュアンスがかなり違うので、コントロールしにくいなという印象がありますね。別卓が組まれていれば問題なくいけると思うんですが。

☆これまで、モニターは別卓でというケースがほとんどでしたので、その点のご指摘はあまりいただいたことがありませんでした。ぜひ、参考にさせていただきたいと思います。ともあれ、楽器向けのマイクについても、個別の印象をお聞きしたいと思います。
K:やはり、AE2500はとてもインパクトが強いマイクだと思います。ただ、ダイナミックとコンデンサーの2つのユニットの内、コンデンサーの方にはpadとハイパスフィルターが付いていますが、できればダイナミックの方にもpadぐらいはあった方がいいのかなという感じがしますね。それと、2つのユニットの位相が揃っていることは非常にいいんですが、シチュエーションによっては揃いすぎていると感じることもあるんですね。ですから、構造的に可能であれば、たとえばコンデンサーの方のユニットを何ミリか前後に動かせるようになっていたりするとありがたいなと思います。また、最初に使う時に、すべてのエンジニアがヘッドケースを外して中まで見てみるとは限らないと思いますので、こちらにダイナミックのユニットがあって、こちらにコンデンサーのユニットがあるということが外部からもわかるように、ケースにマークが付いているといいんじゃないかなと思いますね。

☆サウンドの特徴ということでは、モンゴル800のサウンドにはとてもスピード感なり疾走感があって、キレがいいし、よく聴いてみると、かなり繊細な音も大事にした演奏をしていると思います。そのへんは、基本的にオーディオテクニカのマイクとの相性はいいのではないかと思うのですが。

K:音の立ち上がりとか音のキレという部分では、とくに問題はありませんね。全体に音が素直に出てきてくれますし、アレンジしたポイントがとても素直に出るという感じがします。逆にいうと、アレンジミスが音に反映されてしまうぐらい、感度のいいマイクだなと感じています。
 ほかには、楽器用のマイクでとくに気になるようなことはないんですが、これまで試してみた中では、スネアのトップにぴったりだと思えるマイクが、まだないんですね。たとえば、ギターなら4050を使うといいよとか、AE2500をギターに使ってもかなりいい感じになるだろうと思うんですが、この楽器にはこのマイクを使ってみるといいかなというプランの中で、スネアのトップを何にしようかなというところだけが、まだうまく決まらないんですね。昨日はAE3000をトップに使ってみたのですが、ドラマーがオープンのフルショットで叩くことも多いので、AE3000ではちょっとハイハットのカブリがきついということもあって、今日はトップにはAE6100、スネアのボトムの方にAE3000というセッティングにしてみました。

☆そのへんは、色々と試してみていただいて、お気付きの点はどんどんご指摘いただければと思いますが。
K:ぼくがハウスを引き継いで、まだ間もないので、実際に個々のマイクの特性なりを完璧に把握できているかというと、そんなこともないので、発想を変えて使ってみるともっといい結果を出してくれるマイクが他にもあるのかなとは思っています。そのへんは、まだ試行錯誤しているところだといっていいと思います。

☆今回、AE5100はかなりの本数を使っていただいていますが、AE5100の印象はいかがでしょうか。
K:AE5100はとてもいいと思います。AE5100と、タムに使っているATM35は、ギターに使っているAT4050に近いぐらいのいい印象がありますね。

☆ベースのアンプにAE5100とATM23HEをペアでセットしてありますが、あのネライはどんなところなのでしょうか。
K:曲によって、イントロがベースから始まるという曲が何曲かあるんですけれども、そこでは弦の高い方の成分というか、音にキラキラしたところがないと成立しないけれども、本編が始まると音が混ざってくれるとありがたいということがあって、使っているキャビネットがネットワークでツイーターが付いているタイプなので、どちらも拾っておいて、ミックスの方のバランスで取ろうということで、それぞれに何がいいかなと考えた結果、あの組合わせになったんです。この仕込み方も、このAXからで、色々と試してみているということですね。

☆モンゴル800の音楽性というのはとても幅が広くて、先ほど申し上げたような疾走感がある一方で、バラード風の曲の場合はとてもしっとりと胸に沁みてくるという面もあるので、そのどちらも全部包み込んで伝えてゆくというのはなかなか大変だなと思うのですが。
K:そのへんはミックスで対応しなければならないことがたくさんあるんですが、大きく分けて、英語の詞のものと日本語の詞のものという二つがあって、メンバーたちも、英語の詞の曲については洋盤と一緒でバンドのサウンドと混ざっててくれていていいということがあるんですが、日本語の詞の曲については、歌をしっかり聴いてもらいたいという気持があるので、そのへんのキャラクターを出すというのか、メリハリをつけて行くのは非常に難しくて、それもあるので、今回、メインボーカル用のマイク選びにはかなり苦労しているということもあるんですね。フロントの二人の声の質が、あまりマイク乗りがいい方じゃありませんので、ある程度インストの音圧を保った状態で、その上にボーカルをどう持ってくるのかというあたりで、目下、試行錯誤しているところです。

☆ご苦労はお察しいたします。どうもありがとうございました。


PROFILE

MONGOL800 モンゴル800
1998年7月、当時、浦添高校(沖縄)に在学中だった上江洌清作(うえず・きよさく、b&vo)、儀間崇(ぎま・たかし、g&vo)、高里悟(たかざと・さとし、ds)の3人で結成。99年、揃って高校を卒業し、12月にファーストアルバム「GO ON AS YOU ARE」をリリース。当初は沖縄限定発売だったが、たちまち話題を呼び、2000年4月には全国発売になる。この頃から全国各地のビッグイベントに出演するととともに、「沖縄にすごいバンドがいる」との噂が広まる。2001年9月にリリースされた待望のセカンドアルバム「MESSAGE」はインディーズレーベルとしては史上で初めてオリコンチャートの1位になり、100万枚を大きく超えるセールスを記録。2004年3月、約2年半ぶりとなるサードアルバム「百々」(もも)をリリースし、4月から全国ツアーをスタート。通称“モンパチ”。日本のロックの明日をになう逸材として、着実に成長し続けている期待のバンド。

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