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Live Report top 2007.8.11 sat 2007.8.12 sun
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— この業界にはどのようにして入られたのですか?

HZ:  私は何年もの間スタジオでバイトしていました。制作費が削減されていた頃だったので時期は悪かったのですが。メジャーなレーベルでさえレコードを制作するのに70万ドル以上かけなくなりました。そのうちスタジオで働くのをやめて、知り合いが二人いたEMIキャピタル・レコードの郵便仕分けの仕事を始めたのです。面白い仕事でしたね。仕分け室にいるだけでレコード会社の仕組みがわかってきたのです。そのうちにA&R担当の人間と仲良くなり、そのうちの一人が「ライブの仕事はしたことがあるかい?」と聞いてきたのです。その時点ではまだ経験がありませんでしたので、正直にそう伝えました。すると彼は「じゃあ、2日間あのライブ・ハウスで仕事をしてみて君に何ができるかを見てみようじゃないか。それからツアーに出してあげよう。今度このバンドと契約したので、誰か必要なんだ。うまく行くと思うけどね。」と言ってくれました。
それで私はそのバンドと2日間一緒にいました。結果としてBrowniesが仕事をオファーしてくれました。そしてVerbenaというバンドとツアーに出ました。これが始まりでしたが、ライブ・バンドのミキサーになろうとは全く思ってはいませんでした。

— 専門学校などへは行かれましたか?

HZ: いいえ。

— 働きながら覚えたのですか?

HZ:  私は録音スタジオで働く前はリハーサル・スタジオで働いていたので、一日中PAを鳴らしていました。録音スタジオとライブサウンドの両方の環境で適用できる基本的な流れはそこで学びました。基本は身に付いていたので、実践で練習することだけが必要でした。Browniesには毎晩4バンドか5バンド出演していたのでそういった練習をすることが可能でした。

 
— そうやって実際に学んだのですね。

HZ: そこで私はエンジニアになり技術を磨いたのです。結果として、私はライブ・ハウスのみんなからとても支援を受けています。彼らはツアーに出ていってそういった飛躍をしたいと考えていますが、どうやって飛躍をすればいいのでしょうか?それは自分の腕を磨くことと思いやりです。ライブ・ハウスで働く多くの人間が「ここにいたくない」病にかかっているようです。ツアー・エンジニアとして私もその状況に陥ったこともありました。もしそこに居たくないのであれば、どこか違う所に行って別の仕事を見つけることです。もしそこに居たいのであればそれは素晴らしいことです。そこは素晴らしい場所であり、そこから何かを見つけることができるからです。時には戸惑いもありますが、私はそこから何かを見つけましたよ。私はかつて200人収容のライブ・ハウスで働いていましたが、9月14日にはマジソン・スクエア・ガーデンでライブを行なうまでになりました。
こういったことがあり得るのです。私が生き証人です。楽しんで仕事をする、その仕事を真剣に受け止める、でもやっぱり楽しんで仕事をする。私は自分がやっていることが好きです。そしてその姿勢が仕事を楽にしてくれます。ツアーを続けてスーツケース1個で生活するのは時々辛くもありますが、毎日前向きに考えていますよ。私はこのバンドとクルーのための1時間10分のために生きています。あるいは私が仕事をするどんなバンドのためにも。

 
— この仕事のどういったところがお好きなのでしょうか?

HZ: これはテクニカルなことですが、同時にクリエイティブなことでもあるのです。私にとっては好都合です。

— 右脳と左脳の両立ですね。

HZ: そのとおりです。まさに均等に使っています。まずは基本がないとだめなのです。その基本とは全てテクニカルなことで、絵を描いているようなものです。抽象画の絵描きになるには、写実的に描けなければなりません。つまり基本が大事なのです。

経験の浅いエンジニアの犯しがちなミスはどのようなものですか?

HZ:  最近はデジタルの卓が増えてきましたが、これはアナログの卓でも起きることです。機材に振り回され過ぎることです。まず基本をしっかりと押さえることです。ケーキにトッピングするにはまずケーキを焼かなければなりません。そういうことだと思います。

もう少し具体的にお願いできますか?

HZ: 今の時代、いろいろな種類のプラグインを卓で使うことができて、たくさんのオプションがありますが、基本がしっかりしていないと使いこなせません。音声信号の流れ、利得の構造、これらの連鎖から何が起きるのか、またマイク、ケーブル、これらがどこに繋がっていて、それぞれの繋ぎ目で何が起こっているのかなどを理解しなければなりません。人によってはPro Toolsのパックを買って、自宅で多重録音のスタジオみたいなことをやるのはとても簡単なことです。誰もがこういったことをできるというのは素晴らしい時代ですが、一方でプロとしてやりたいのであれば不器用ではやっていけません。何らしかのきちんとした基礎がなければならないのです。

鋭いご指摘ですね。これは何回言ったことかわからないのですが、どんなライブ・ハウスのPAシステムでも、プロのエンジニアを連れてくればすぐに十倍も音が良くなるのです。プロであればどんなPAでも音をよくしてくれます。ドラム・セットも同じです。あまり良くないドラム・セットでもプロのドラマーが叩けば音が良くなります。機材の質がミキサーの腕を良くしているわけではないのです。

HZ:  私が言い続けているのは基本を理解しなければならないということです。つまり利得の構造です。余計な飾りつけをする前にラインの端から端まで何が起こっているかを理解するのです。ものすごく楽しいことです。こういった技術的な側面も好きなので全然飽きないですね。しかしちゃんと立とうとするならば足がなければなりません。自分がかつてそうだったので、ライブ・ハウスのエンジニアにいつも言っていることなのですが、もしライブ・ハウスから抜け出したいのならば自分の腕を磨くこと、そしてもし楽しんでできないのであれば、違う仕事を探すこと。これは私が今やっていることの支えになっています。

とてもよく解かります。

HZ:  解かってもらえてとても嬉しいですね。

あなたにとってこの仕事でのクリエイティブな経験とはどのようなことですか?

HZ: インターポールでは、例えばステージからのインプットは38あります。会場によって毎晩違うPAシステムであることが多いので、38種類の違う音をCDと同じ感じでミックスする方法を考え出さなければなりません。バンドとその機材以外で、私の持てる唯一の安定したものは、マイクロホンと卓だけです。それ以外は毎晩変わります。そこでクリエイティブな部分が必要になります。CDの音は常に青写真なので、いつもその音に戻るようにしています。
また演奏者の個性とも向き合わなければなりません。演奏者が前の晩と少しでも違う演奏をしているのであれば、昨日と違うトーンの音をどのように対処するのかを自分の意識の奥で考えなければなりません。
さっきも言ったとおり、右脳と左脳をほとんど同じくらい使います。他のバンドであれば、もしそのバンドのドラマーの機嫌がよければもう少しドラマーの雰囲気にたよることがあるかも知れません。こういったことは考慮される必要がありますが、おかしなことに今まで私は全く考えていませんでした。

 
考えなくてもできていたわけですね。

HZ: そのとおりです。そのことについて考えることがなかったので、聞かれるのもいいものですね。誰かが考えさせてくれる質問をされたときは感謝します。自分がどうやってきたか、ということは自分ではわかっていますが、誰かにそれを説明できますか?いつも卓のことについて質問をされますが、私がそこに立って正しい順番にボタンを押していればそうなっているのです。しかし時には一歩下がってこれがそうなってあれがこうなる、ということを言わなければなりません。

あなたにとって絶対に欠かすことのできないマイクロホンは何かありますか?

HZ: AE2500だけで全てのライブの収音ができると思いますよ。全ての楽器にセットしてそれで何とかできると思います。オーバーヘッドではすこし変な感じがするかも知れませんが…。

そんなときはダイナミックを下げて、コンデンサーを上げる。

HZ: そのとおりです。だから私はAE2500を選ぶのです。選択肢が増えますからね。

ありがとうございました。

(訳:国際営業部 木村英樹)

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