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LOSTPROPHETS/ZEBRAHEADの強烈な存在感

4月4日、日曜日、幕張メッセ9・10・11ホール。11時の開場を待ちきれないパンク・キッズたちが会場の外に長い列を成している。例年になく冷え込みの厳しい2010年の春、この日も時折小雨の舞う肌寒い天候だったが、Tシャツ姿で集まったパンク・ファンの気合いは早くも十分だ。
昨年同様、2つのステージ=「RED STAGE」「BLUE STAGE」が設けられたメイン・ホールと、第3のステージ=「GREEN STAGE」が設置されたサブ・ホール、そして「PUNKSPRING」オフィシャル・グッズおよびアーティスト・グッズ・コーナー、という場内のレイアウト。メイン/サブ・ホール間を隣接させてオーディエンスの動線をスムーズにして、ドリンク・コーナーを除いて飲食エリアを屋外に移設し……と、より快適なフェス空間作りのため、昨年の仕様にいくつかアレンジが施されているのも見逃せない。そして……。
圧倒的な存在感をアピールしていたのが、「RED STAGE」でこの日の堂々のヘッドライン・アクトを飾ってみせたUKの精鋭・LOSTPROPHETS! かつてのキャッチーな音楽性はきれいに払拭され、メタリック・ハードコアの極致のような強靭なサウンドで幕張メッセを震撼させる。「Where We Belong」での1万人以上に上る観客の大ジャンプも、ハード・エッジなバラード・ナンバー=「Rooftops(A Revelation Broadcast)」でメッセ一丸の大合唱も、今のLOSTPROPHETSのサウンドが持つ鋭利な切れ味と圧倒的なダイナミズムを証明していた。一方、「BLUE STAGE」でトリを務めたのはUSパンク・ミクスチャー代表格=ZEBRAHEAD!一時期シーンを席巻した「ヒップホップ×ポップ・パンク」の図式を2010年まで鍛え上げ続けた彼らのサウンドは、暴走列車のような疾走感とマッチョな迫力に満ちあふれたものだった。その軽妙な(下ネタも盛り込んだ)MCとともに、USパンク全盛期にはここ日本でも強烈な人気を誇り、今なお熱い支持を受ける彼ら。その強靭な底力を感じさせたアクトだった。
「2010年代のパンク像」を占うラインナップ

このヘッドライナー2組に象徴されるように、今年の「PUNKSPRING」にラインナップされたバンドたちは、パンク・ロックそのものをストイックに追求したアーティストというよりは、「パンク・ロックに他の要素を取り入れて、独自のロック・フォーマットを作り出したバンド」という印象が強かった。それは取りも直さず、「今」のパンクの多様な可能性を総括することで「2010年代のパンク・ロック像」を積極的に提示しようとする試みにも見えた。
それをさらに強く印象づけたのが、メイン2ステージのサブ・ヘッドライナー=311と9mm Parabellum Bulletだった。レゲエ/ダブ/スカ/ニューウェーヴなど幅広い音楽性を取り込んで、90年代初頭から「パンク・ロックを主体としたミスクチャー・ロック」をいち早く提示していた311。メンバー全員でパーカッション大会を繰り広げたり、というパンクらしからぬ場面も盛り込みつつ、その型破りな自由さでもって、独自のパンキッシュな空気感を描き出していた。どちらかと言えばメタル/ハードコア寄りのサウンドで日本ロックの最前線をひた走る9mm Parabellum Bulletはしかし、シングル曲「Cold Edge」「Black Market Blues」から「どうにもとまらない」カバーまで自在に織り交ぜながら、破天荒で予測不能な音世界で幕張メッセのオーディエンスを魅了していた。さらに、NEW FOUND GLORYはパンク・ロックに5つのジェット・エンジンを積んだようなとてつもないパワーで面白いようにメッセを揺さぶっていたし、ジェットコースターのような曲展開でハイブリッド・ハードコアの最新型を見せつけていたFACTも、日本のパンク最先端のエッジ感を存分に見せつけていた。
過去にもBUZZCOCKSやTHE DAMNEDなど70年代パンク・サバイバーとも言えるバンドを招聘している「PUNKSPRING」だが、今年はTHE STRANGLERの来日が実現! CMにも起用された「All Day And All Of The Night」カバーなども交えつつ、今年のラインナップの多彩な音楽性の中にオリジナル・パンクの歴史の重みを加えていた。また、ロンドン・パンク勃興期から抜け出してきたようなUKの新鋭=THE KING BLUESのようなバンドの存在も付け加えておきたい。また、日本の0年代パンク・ムーヴメントの生き証人と言えるLOW IQ 01は稀代の2人バンド「LOW IQ & THE BEAT BREAKER」編成で登場。前日の名古屋公演の後、ドラマー=恒岡章が体調不良になるアクシデントに遭遇するも、急遽呼び寄せた盟友=福田“TDC”忠章とともに圧巻の轟音を聴かせていた。
日本のパンク・ニューカマー勢の層の厚さも光る

「GREEN STAGE」では、今や日本メロコア・シーンを牽引する存在に成長した2バンド=locofrank/TOTALFATが堂々のクライマックスを見せつける一方で、オープニング・アクトのstack44/SECRET 7 LINE、そしてLAST ALLIANCE/knotlamp……と、洋楽勢との対バンで認知と支持を広げつつある日本の精鋭が続々登場。そこにHIT THE LIGHTSのポップ・パンク、THE CREEPSHOWの紅一点ヴォーカル=サラの絶唱とサイコ・ビリー・サウンド、カリフォルニア発メロディック・ハードコアの大津波=SET YOUR GOALS、メッセにエレクトロニック・パンク・ディスコ空間を生み出したELEVENTYSEVENといった個性的なバンドが加わり、メイン・ステージとは異なるカオス感が「GREEN STAGE」を包んでいく。
「個性的」といえば、メイン・ステージも負けてはいない。オープニングを務めたcoldrainのハイブリッド・ミクスチャー・サウンドをはじめ、ポップ・パンクからヘヴィ・ミクスチャーまで自在に繰り出すUKの5人組=YOU ME AT SIX、ヘヴィ・スクリーモの究極系ともいえるTHE BLACKOUT、さらにGALLOWSが描き出すUKハードコア・パンク……その尽きることのない多彩な音楽性は紛れもなく、ロック・ミュージックの歴史の中でもひときわ鋭利で攻撃的な表現であるパンク・ロックの表現の可能性そのものだった。
開催5年目であると同時に、2010年代という新たな節目を迎えた「PUNKSPRING」は、こうして大成功のうちに終了しました。audio-technicaは今後もスポンサードという形を通して、日本のフェス文化と音楽文化のさらなる発展をバックアップしていきたいと考えています。
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