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—N.E.R.D FOHエンジニア Alex Oana氏インタビュー—

 





アレックス・オアナ氏
(Alex Oana)

“AT4040は信じられないぐらいスムーズでナチュラルに音を拾ってくれたので驚いたね”

“AT4040 was so incredibly smooth and natural sounding.”

 

■"SUMMER SONIC 2004"(8月7・8日、東京・大阪)のステージで注目を集めた話題のユニットN.E.R.D。その正体は、ジャネット・ジャクソン、ブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ティンバーレイクなどのプロデュースも手がけている米・ヒップホップシーンでも屈指の人気プロデューサーチーム“ザ・ネプチューンズ”(ファレル・ウィリアムスとチャド・ヒューゴ)に、ラッパーのシェイ(シェルドン・ヘイリー)が加わったもので、「N.E.R.D」とは、“No One EverReally Dies”(真の意味で死ぬ者はいない)の略だとのこと。今回のサマーソニックでは注目のパワー・ポップ・バンド“スパイモブ”Spymobがバック・バンドとして参加し、その実力を存分に見せてくれました。大物プロデューサーが率いるユニットだけに、サウンドも申し分なく、素晴らしくパワフルなのにクリアーで、キレもよく奥行きの豊かな音づくりは、見事というほかありませんでした。そんなN.E.R.Dが使用したマイクは、フロントの二人のワイヤレスも含めてすべてオーディオテクニカのものでしたので、FOHエンジニアのアレックス・オアナAlex Oana氏にお時間をいただいてお話をうかがいました。


☆お忙しいところ、お時間をくださいましてありがとうございます。N.E.R.Dは音づくりにとてもこだわりを持っているバンドだと思いますので、まず、バンドのメンバーはオアナさんにどんな要求をぶつけてくるのかということからお聞きしたいのですが?
オアナ〔以下、O〕:バンドの連中は、まず“生きた音”を出したがってる、ということだろうね。

☆“生きた”というのは“生魚”の“ナマ”(raw)のことですね?
それは、実際の音源としては、どんなものでしょうか?

O:サンプリングした音も使われてはいるけれど、ほとんどの音はバンドが演奏して出している音だね。ギターとベース、そして生のドラムとキーボードの音がメインで、サンプラーの音はあくまでも脇役だと思ってもらっていいと思うよ。

☆念のために、バンドの構成についてお聞きしておきたいのですが?
O:ドラム、ベース、ギター、キーボードが1人ずつだから、まず4人で、それにボーカルが2人いて、ドラマーとキーボードプレイヤーも歌うので、リードボーカルが2人とコーラスが2人と思ってもらえばいいかな。ボーカルの2人はラッパー兼シンガーのようなスタイルだけれどね。

☆事前によく確認できなかったのですが、それほど大編成ではないのですね。
O:全部で6人だけだからね。——ただ、まずバンドの4人について言わせてもらうと、これまでに行ったところではどこでもすごい人気で、というのも、彼らはスパイモブ(Spymob)という名前の独立したバンドで、ドラムとベース、ギター、キーボードの4人なのだけれど、キャリアも十分だし、とにかくいいバンドで、本来のN.E.R.Dである2人のシンガーに彼らが加わって、一緒になった6人でもN.E.R.Dだということだね。

 


ドラム全景


ATM23HE、AE3000、AT4040

 

☆ようやくわかりました(笑)。
O:ぼくにとっては、スパイモブとの仕事はとても楽なんだ。というのも、彼らはとても優秀なプレイヤーなので、彼らが生み出す音をマイクで拾ってやるだけで、文句なしにいい音になるんだ。つまり、彼らの演奏は、アンサンブルも抜群で、それだけ完成度が高いということだね。ぼくはレコーディングエンジニアでもあるんだけれど、いい音を録るには何が一番大事かというと、とにかくいいバンドを見つけるということで、その点、スパイモブは本当にいい音を出してくれるし、オーディオテクニカのマイクがあれば、バンドが生み出す音をありのままに録ることができるということだろうね。

☆ありがとうございます。大変うれしく思います。それでは、オーディオテクニカのマイクの機種ごとの印象をお聞かせいただければと思うのですが?
O:こちらこそ、ぜひ話したいな。まず、昨日大阪でサウンドチェックをした時に感じたことだけれど、(ドラムの)オーバーヘッドに使ってみたAT4040は信じられないぐらいスムーズでナチュラルに音を拾ってくれたので驚いたね。それに、バスドラムに使っているAE2500もとても斬新だし、ずっと前からこんなマイクがあればいいのにと思っていた、まさにそのものという感じだね。コンデンサーとダイナミックを一体にするというのは素晴らしいアイデアで、ぼくはスタジオで、スネアにダイナミックとコンデンサーを同時にセッティングして使っているので、スネア用にもあれと同じようなマイクを作ってくれたらうれしいね。

☆感じられたことを、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
O:これまで、ほとんどの現場やフェスティバルではシュアーやゼンハイザーやAKGといった以前からあるマイクしか用意されてなくて、たとえばタム用のマイクでいえば、ぼくはシュアーのBETA98はあまり好きじゃなかったんだ。でも、昨日初めて使ってみたAE3000の音はBETA98よりもパンチがあるし、コンデンサーマイクらしい音の透明感もあるので、とても気に入ったね。

☆うれしいですね(笑)。
O:それに、スネアのトップとボトムに使ってみたATM23HEも、パンチがあって歯切れもいい、とてもいいマイクだね。ロックやヒップホップのように重い低域がベースになるサウンドの中では、スネアの音にパンチと歯切れのよさが必要なのだけれど、ATM23HEをスネアに使うと、その急所をしっかり押さえられると思うね。

☆リードボーカルにお使いいただいているATW-T98についてはいかがでしょうか?ワイヤレスのマイクですが。
O:あれは、ゼンハイザーよりも低域がスムーズだと思ったし、あのマイクに限らず、昨日使ってみたボーカルマイクすべてについてなのだけれど、ぼくはローエンドをカットする必要がなかったし、ほとんどEQをかけなくても中低域がブーミーになるようなことはなかったので、いい感じだったね。それに、ギターに使ったAT4050は音が実にスムーズだし、パワフルで感度がいいので、とても気に入ったね。PAの音量が大きくなると、音がムラなくスムーズに出ることがとても大事なのだけれど、その点、AT4050は申し分なくスムーズだね。

☆AT4050/CM5は、ギターだけでなくベースにもお使いいただいていると思いましたが。
O:ベースもそうだね。AT4050/CM5のおかげで、ベースの音もとてもスムーズになっていたと思うよ。——それに、N.E.R.Dというのは“No one Ever ReallyDies”というフレーズのモジリなのだけれど、オーディオテクニカのマイクを使うようになってからは、“They Never Really Die”(彼らは不滅だ)という感じかな(笑)。というのも、これまで使っていて、オーディオテクニカのマイクは一つも壊れたことがないんだ。

☆とても丈夫なマイクだということですね。
O:その通り。“audio-technica never really die”(オーディオテクニカは不滅だ=絶対に壊れない)といってもいいと思うね。

☆いいフレーズですね(笑)。ありがとうございます。ところで、オアナさんのキャリアについて、少しお聞かせいただけますか?
O:ぼくがライブのミキシングの仕事を始めたのは80年代のことで、それを3、4年やってから、スタジオでのレコーディングの仕事もやるようになって、もう10年とちょっとになるかな。実をいえば、最近はレコーディングの方が中心で、ライブの仕事はあまりやっていないんだけどね。ただ、ぼくはスパイモブの連中とは長いつき合いで、最初は彼らのファンだったことから始まって、一緒にヨーロッパへのツアーに行ったり、アメリカでも、彼らの仕事にはずっと関わってきてるんだ。ライブの仕事はのびのびとやれるし、たくさんのファンの熱気をじかに感じることができるので、とてもエキサイティングで好きなんだけれどね。

☆わかりました。今日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。
[2004年8月8日 幕張メッセにて]

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(C)SUMMER SONIC

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