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— あなたがたはそれぞれ、何年リンキン・パークと一緒に仕事をされているのですか?

ケン“プーチ”ヴァン・ドゥルーテン(以下P): 3年になります。私たちは同じ時期に彼らとの仕事をやり始めたのですが、実際には、テイターの方が私より多く2つのライブを担当していたので、3年半位にはなるでしょう。

— それ以前はどこで仕事をされていたのですか?

ケヴィン“テイター”マッカーシー(以下T):  一緒にやったのは、Kid Rock、Ted Nugent、そしてPuddle of Mudですね。

P: 
それより昔にさかのぼると、彼はGodsmackとJudas Priest、私はKid RockとKissだったかな。あとはSystem of a Downなど、その周辺のバンドともやっていました。

— あなたがたは一緒に仕事をしているわけですが、ハウス・エンジニアとモニター・エンジニアとしての連絡は、通常どの程度行なっているのですか?また、ライブではどういった感じなのでしょう?

P: 結構密にやっていると思います。日常的な事柄について、特にリンキン・パークのことはお互いよく分かっているので、連絡するときは「ヘイ、準備はできているかい?」「OK、バッチリだ!」みたいな感じですね。

— ライブ中はどちらの役割が大変でしょうか?

P: テイターですね。モニター・エンジニアは、ライブ中はいつも大変です。実際の仕事も準備の時も、どの周波数も絶対にクリーンな状態にしておかなければならないし、またどのマイクロホンもしっかり音が出ていることを確認して、アーティストに渡さなければなりませんから。

— テイターさんにうかがいますが、音響の仕事はどのようにして始められたのですか?

T: 中学と高校のときにバンドでベースを弾いていて、高校の時には自分たちのPAシステムを持っていました。その頃から演奏することよりも、PAの方に熱中するようになったのです。

Kevin "Tater" McCarthy
Ken "Pooch" Van Druten
— ということは、ほとんど全てを現場で訓練されたのですか?

T: 100%現場ですね。

— プーチさんはいかがですか?

P: 私は今でもミュージシャンであり続けています。私は3歳の時にクラシック・ピアノを習い始め、全寮制の音楽学校に通っていました。高校の時にコンテストで2度優勝、私のバンドも2度優勝しましたので、最終的にスタジオで録音できることになったのです。私はそのときの録音エンジニアがやっていることを大変興味深く見ていました。そして彼は私に、自由に演奏をやらせてくれたのです。これがきっかけとなり、私は録音エンジニアという仕事にベクトルを向けました。それからバークレー音楽院に5年間通い、音楽制作とエンジニアリングで学士号を取得。その後ロサンゼルスに戻り、スタジオ勤務を始めたのです。何年もの間スタジオ・プロデューサーとエンジニアとして働いていましたが、あるときライブ・ショーの仕事が入りました。そこで私は、達成感とともに、1万人の観衆が自分のやっていることに絶叫するということにすっかり心を奪われてしまったのです。

— それは誰しも共通テーマとも言えるでしょうね。もう元へは戻れないし、またミックスのやり直しもできない現場ですから。

P: いや、おもしろいことに私にとっては原点に戻っているんですよ。現在の私はリンキン・パークのライブ録音スタッフでもあり、世に出回っているものは私のミックスしたライブです。なので、私は録音エンジニアでもあり、ライブのミキサーでもあるのです。今私たちは日本を始め、ほかの国にいるので物理的に充分な時間がない、ということで状況が少し違いますが、アメリカに戻るとツアー全てのライブをミックスします。ただし、ライブの配信が行なわれるとなると、1ヶ月程度延期されます。通常8日間で配信されるライブ録音が、1ヶ月半ほどかかってしまうのです。
— 以前にお話をうかがったときのことを覚えているのですが、あなたの手掛けたライブ、1つ1つの音の違いを実際に聴き比べているファンがいるそうですね。

P: そうなんです(笑)。LPLive.netというサイトでファンたちが「あの曲は、あそこでギターの音を上げなきゃいけなかったんだ」みたいな感じで、あれこれ議論してくれています。音の違いなどに対する彼らの感覚は、とても鋭いですね。とにかく私にとってのアメリカでの1日は、朝8時半には前回のライブのミックスをどこか近場で始めて、それを夜の7時までずっとやり続け、時々ランチなどの休憩を入れます。午後には休憩がてら、PAシステムの調子を聞きに行きたくなりますが、私はシステム・エンジニアを全面的に信頼していますので、そうはしません。彼が全てをセットアップして、PAの調整をします。通常なら私がやるべきことを、彼がやってくれるのです。だからこそ、ライブ素材のミックスを夜の7時までやって、夕食を1時間くらいかけて食べ、それからライブ・ショーのミックスを手掛けることができるのです。これが私の1日ですね。

— それは大変ですね。ツアーで移動ばかりしていると思いますが、実際には何も見ることができないということですね。

P: (笑)。

— モニターの世界で、何か特定の課題はありますか?あなたはモニター・エンジニアとして正確な仕事をして、アーティストが気に入るように作業を行なっていると思いますが。

T: だと嬉しいのですが。

— それは本当に難しいことですよね?

T: もちろん、それは一番大変な仕事でしょう。アーティストが自分の曲を何度聴いているか、ということを想像してみてください。スタジオでも何回も何回も繰り返し聴いているのです。彼らは自分の曲の細かいところまで知り尽くしているので、もし「あのハイハットの音をもう少し上げてくれないか」なんて言われると怖いですよね。

— もしあなたのようなエンジニアであれば、そういった状況でもアーティストをハッピーにできますね。全く尊敬に値します。

T: リンキン・パークのメンバーたちが特にそうである、ということですね。彼らはスタジオ機器のことに詳しく、しかもProToolsに精通していますから、何がどうあるべきかということにうるさいのです。

— ほかの課題はありますか?あなたはステージ上で、たくさんのことを同時に行なっているように見えますが。

T: 確かにたくさんのことがありますが、一番ハードルが高いのは周波数帯域のコーディネーションです。

— アメリカでデジタル放送への切り換えが進んでいる最近の電波の状況は、良くなったのか、それとも悪くなったのか。どちらなのでしょう?

T: 悪くなっていると言えるでしょうね。しかし今年に関して言えば、私がアメリカでライブを手掛けたのは1回だけなんですよ。

— 良い話といえば、アナログ地上波の放送局は電波を止めなければならない、ということですかね。

T: やっとそうなりますね。そうなれば、使用周波数帯域の自由度が増すと思います。

— しかしそれは、別の側面から見ると、10年から15年くらい前であればそんなことを心配しなくても良かったわけですが。

T: 考えてもみなかったことですね。この仕事をする15年前には全く思いつかなかった何かに変化していると言えるでしょうね。

P: 私たちはいつも、機材をセットアップだけして電源を入れるような人たちについて話をします。周波数のことは無視できないにも関わらず、ちゃんと考えていない場合は大失敗をやらかすでしょう。私たちにとっては何においても、自分のアーティストがワイヤレスシステムでクリーンな周波数帯域が確実に振り分けられている、ということが最優先事項になります。

— インイヤーモニタリングを含めると通常のライブで使用している周波数は何波になりますか?

T: 30波以上ですね。

— それは大変な数ですね。劇場で行なう大掛かりなものではなく、ロック・ショーでその数字というのはすごいですね。

P:  ええ。特にフェスティバルのような状況だと、大勢の人がいてビデオ用の周波数があったりと、いろいろなものが入り乱れているから大変です。

T: 今日は何組のバンドが出るのか、5組だったか6組だったかまだきちんと把握していないのですが、ほかのバンドが今何をしているのかなど、1日の動き知る必要があります。

— それに、彼らがいつ電源を入れて消して・・・・・・なんていうのは全く分かりませんよね。

T: その通りです。何が起こっているかについて、常に彼らとコミュニケーションを取ることが必要です。

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