audio-technica
HOME イベント・ニュース 業務用音響機器
Enent/News イベントレポート Back
Live Report | Top | 8.7 sat | 8.8 sun |
Live Report top 2010.8.7 sat 2010.8.8 sun
| Interview01 | Interview02 |
— オーディオエンジニアという、ちょっと変わったお仕事を始められたきっかけは何ですか?

アンドレア・ヴィト・カレーナ氏(以下Vito): 私は音に関わる仕事がしたかったので、アリゾナにある「Conservatory of Recording Arts & Sciences」という音響エンジニアリングの専門学校に通いました。最初はスタジオで働きたいと思っていましたが、少し後になって自分にはライブの方が面白そうだ、ということに気付きました。心を動かされましたね。それからナッシュビルに移り、インターンシップの仕事を始めたのですが、全くうまくいきませんでした。2年が経ち、生演奏をやっているナッシュビルのバーベキューレストランで働き始めてから大きなチャンスが巡って来たのです。

— それは何というお店ですか?

Vito:「ジャッジ・ビーンズ・バーベキュー」というところです。

— 今でもある店ですか?

Vito:「ありますね。場所こそ変わりましたが、今でも音楽をやっていて、素晴らしいカントリーミュージシャンたちが出ています。

— そこで専属エンジニアになったのですね。

Vito:そうです。専属ではありましたが、ウェイターとしてビールを注いだり、飲んだりもしていました。

— まさにテイラー・スウィフトへたどり着くまでにかなりの経験を積んだ、と言えますね。

Vito:苦労はしましたが、楽しみながらやっていましたよ。


— その後、ライブツアーでの最初のチャンスは何だったのですか?

Vito:Vince Gill(ビンス・ギル)が、ファンフェア(CMAミュージック・フェスティバル )をやっている時に、そのレストランでファンクラブの集会を行ないました。小さなコンサートもあって、そこで出会ったのが「サウンドイメージ」という会社のEverett Lyboltという人物でした。その2週間後に、Toby Keith(トビー・キース)のツアーPAの仕事をオファーしてくれたのです。


— 本当ですか?

Vito:ええ、それがうまくいったのです。

— 現在あなたはモニター・エンジニアですが、これまでずっとそうだったのか、それともフロント・オブ・ハウス(FOH=メイン・エンジニア)の仕事もされているのですか?

Vito:わたしは完全にモニター屋です。いつでもFOHの仕事をやってみたいとは思っていますし、自分にとってもクリエイティブなことだとは分かっていますが、なかなかチャンスがなくモニターの役どころが回ってきます。

— しかし、そこにはモニター・エンジニアとして関わる場合とは違ったストレスがあると思います。そうしたストレスについて、ライブサウンドに関わりたいのに方法がわからない人たちに向けて説明していただけますか?

Vito:おっしゃる通り、FOHエンジニアにも種類こそ違いますが、同じだけのストレスはありますね。モニター・エンジニアとしてステージにいると、そこで何かがうまく行っていない時でも自分が何とかしなければならない、というプレッシャーがあります。FOHエンジニアだと、実際にステージまで行って問題を見つける必要はなく、それはモニター・エンジニアの腕次第、あるいはアーティストたちとのやりとりという問題になります。そういう意味では、これまでとても良いアーティストたちと仕事をすることができた私はラッキーですね。性格的にも才能的にも良いアーティストに出会えたおかげで、そこまで難しいことはありませんでした。

— 例えば、それはどういったアーティストでしょうか?

Vito:私がこれまでモニター・エンジニアをした、Colbie Caillat(コルビー・キャレイ)とKeith Anderson(キース・アンダーソン)、あと最近では再びToby Keithのツアーでもやりましたが、彼らですね。

— 日本でのツアーで何か発見はありましたか?また、これまで日本でほかのアーティストと来られたことはありますか?

Vito:前に来たことがあります。最初はColbie Caillatと一緒に来ました。皆とてもプロフェッショナルで仕事熱心なので、いつも素晴らしい経験をさせてもらっています。

— 今回の仕事はいかがでしたか? 昨日は大阪にいて、今は東京にいるわけですが、移動などは順調でしたか?

Vito: 移動はとてもスムーズだったと思います。私たちの機材一式がすでに東京に着いており、ほぼ全員同じスタッフも移動してきましたから。

— 機材と一緒に来た、という感じですね。

Vito:ええ。機材には見覚えがありますし、見かけも同じなのでとてもやりやすいですね。
— だからこういった規模のフェスでも、バンドとバンドの切り替えがとてもすばやくできるわけですね。普段あなたたちがヘッドライナーとして出演するような通常のフェスと比較して、どのような違いがありますか?

Vito:このフェスは、切り替え時間に関してはかなりのんびりしているように見えます。昨日は、本番前に何もやることがなくて暇つぶしをしていたくらいですし。いつもだともっとバタバタと切り替えるので、リラックスして臨めるのが今回はうれしいですね。スタッフは計画通り、準備万端に進めてくれているのでとてもハッピーです。

— それは良かったです。今回、オーディオテクニカ製品のラインナップの中で、目立ったマイクロホンはありますか? また特に気に入っているマイクロホンや、あるいは普段使わないようなものなどは?

Vito:型番が思い出せないのですが、小口径でサイドアドレスのコンデンサーの・・・。

— 『ATM450』ですね。

Vito:それです。『ATM450』は私のお気に入りですね。前回の全てのツアーで、ずっとスネアのボトム用として使っていました。

— スネアの真下にぴったり収まる感じですね。

Vito:ええ。このマイクロホンのいいところは狭い場所でも使えることです。ドラムキットはシンバルが低くかったり、スペースが狭かったりするのですが、そういった狭い場所に入り込むための解決策として非常に良いですね。もちろん音も良いです。ほかの小口径ダイアフラムのマイクロホンよりも帯域が広くて、スネアの低域の解像度がしっかりしているので次のツアーではほかの楽器にも使ってみたいですね。

— 現在ワイヤレスの『5000シリーズ』もお使いいただいていますが、いかがでしょうか?

Vito:『5000シリーズ』は、使い始めた時からずっと素晴らしい働きをしてくれています。これまで何の故障もありませんし、これ以上のものは望めないでしょう。このワイヤレスへの信頼は揺るぎないですね。これまでこのシステムで問題が起こったことは一度もありません。

— あなたはテイラー用にカスタムメイドのマイクロホンをお持ちだと思うのですが、何本の違うマイクロホンのボディをお持ちですか?

Vito:衣装、セット、曲の雰囲気に合わせて三色違うものがあります。

— それは重要な要素ですね。話しは戻りますが、あなたは一からの出世というか、長い経験を積みながらもエンジニアとして一気にトップに昇りつめました。このビジネスを目指す人たちに対して、将来オーディオに関わるために今から何か準備すべきことなどアドバイスをいただけますか?

Vito:一番大切なのは“ふさわしい時に、ふさわしい場所にいて、ふさわしい人物と出会う” ことです。学生時代の師匠の一人である、ロバート・スコヴィル(Robert Scovill)が言っていたことですが、“ふさわしい時に、ふさわしい場所に”いなければならないが、まずその場所にたどり着かなければならない。一度そこにたどり着いたら最後まで待ち、できる限り多くの人たちと出会う努力をしなさい、ということです。ほかにももう一つ。“いつでも誰にでも、全てのミュージシャンに対して親切にする”ということです。ミュージシャンたちの名前を覚え、いつでも適応することが重要です。

— 例えば若手のバンドではよくあることですが、エンジニアに出会うときは誰に出会うかは全く分からないですからね。ただ、あなたのようなエンジニアのレベルになると誰もがとても素晴らしく、とても親切です。なので、そういった役割を果たしていると思います。

Vito:そうあってほしいですね。

— 機材の一部とか、何か持って行かなければならないものなど、ツアーにあたって絶対に欠かせないものはありますか?

Vito:この質問をされたら何て答えるか考えていたのですが、一番重要なのは自分の“プロ意識”を持って行くことです。自分自身を連れて行く。実際には使い慣れたペンとか懐中電灯とかになるわけですが、でもやはり立派な態度で接して自分の能力を発揮することだと思います。

— なるほど。では、自分でいつも持っていなければならない機材は何かありますか?

Vito:モニターという仕事上、スペクトラムアナライザーは可能な限り持っているようにしています。日本には持ってきていないので今回はありませんが、もしこれがワイヤレスを酷使するようなツアーだったら持ってきていますね。ただ、スペアナのメーカーがあまりにも少ないので、もしこうした機材がもっと作られていれば、ワイヤレスの問題に対するより良い解決策も出てくると思います。自分にとって本当に欠かせないもの、というのはなかなか思いつきませんね・・・。今回の日本のツアーで実際に私が持ってきたものは、懐中電灯とペンとオーディオテクニカのマイクロホンぐらいです。あとはこっちの「クレア・ブラザーズ(PA会社)」が持ってないことを想定して持ってきた絶縁テープぐらいですね。

— 将来一緒に仕事をしたいアーティストはいますか?あるいは、ぜひ一緒に仕事をしたい、と夢に見るようなアーティストは?

Vito:そうですね。まずは過去に仕事をした全員のアーティストともう一度やりたいですね。たくさんいますけど。個人的にはJohn Mayer(ジョン・メイヤー)の大ファンですし、Diana Krall(ダイアナ・クラール)のようなジャズのアーティストが好きなので・・・言いにくいのですが、実際は少ないかもしれません。

— なるほど、そういう夢があったのですね。

Vito:本当に全部夢のライブになりますが。

— それはいいですね。ちなみに、あなたはライブをやる前にげんかつぎというか、決まってすることなどはありますか?

Vito:ええ。ライブの前に必ずというわけではないのですが、自分のラッキーパンツというものがありますね。私の母がくれた物なのですが、かっこいい紫の下着でイカしたラインが入っています。ある時にそれが幸運のお守りだと気付きました。大きなショーやイベントなどがあるときにはそれを着るようにしていますが、そうするといつでもうまくいくのです。

— まさに昔ながら、ですね。ほかに何か思いつくことなどはありますか?

Vito:このままこの仕事を続けて行きたいですね。充実した時間を過ごせていますし、このまま世界を旅しながら新しい人たち、より多くのエンジニアやアーティストたちに出会っていきたいと思います。

— それは何よりです。あなたがこれまでずっと素晴らしいオーディオテクニカのサポーターであり続けていることに感謝します。また、私たちがこれまでのツアーであなたをサポートできていればうれしく思います。

Vito:ええ、もちろんですよ。ありがとうございます。

Live Report | Top | 8.7 sat | 8.8 sun |
ページのTopへ↑
HOME イベント・ニュース 業務用音響機器