4.ドライバーユニット
ドライバユニットとは:ヘッドホンの音を鳴らす機構がドライバーユニットです。マグネット、ダイアフラム、ボイスコイルなどが含まれます。
駆動方式
ドライバーユニットの駆動(動くしくみ)には以下のような方式があります。
ダイナミック型
ヘッドホンのもっとも一般的な駆動方式で音楽信号をダイアフラム(振動板)に伝えることで音を作ります。ダイアフラムが大きくなれば音質を向上させることができます。パワフルな低音再生が可能で音圧もあるため、オーバーヘッド型のほかにインナーイヤーや耳かけ型、耳栓型(カナル)など多用途に使用できます。
バランスドアーマチュア型
おもに耳栓型(カナル)に使用される方式で、クリアで明瞭な音を再生します。小型化が容易で、医療用途としては補聴器など、音楽用途としては演奏時のモニターヘッドホンの多くに使用されています。
コンデンサー(静電)型
薄い振動膜に電気をあらかじめ貯めておき、周辺に音楽信号を流すことで振動膜を振動させて音を出すしくみです。電力供給のため専用アンプが必要となります。
ダイナミック型
ボイスコイルを配置した磁気回路を使用して、厚さ4〜50μのド−ム型のダイアフラム(振動板)を振動させて音を出すしくみ。
ダイアフラムにはボイスコイルが巻き付いており、永久磁石が向きあっています。音楽信号をボイスコイルに流すことで発生する磁束と、マグネットでできた磁気回路の磁束の引き付け・反発作用を用いて駆動力を発生させることにより、ダイアフラムを上下に振動させて音を出します。
バランスドアーマチュア型
アーマチュアと呼ばれるU字型の金属を2セットのコイルとマグネットではさむ構造のユニット。
コイルに音声信号を流すと、その方向によりアーマチュアの極性が変化し、上下マグネットへの引き付け・反発作用でアーマチュアが振動します。その振動がドライバーロッドを通じダイアフラム(振動板)を駆動、空気を振動させて音を出します。
構造上小型化が可能であり、振動板も金属を使用するため耐久性が高く、補聴器やコンサートなどの過酷な環境で使用するプロのアーチストにモニターヘッドホン(イヤーモニター)として使用されています。音質はメリハリのあるクリアな音色。ヴォーカルの明瞭感は高いがダイアフラムが小さいため音圧が低めで、ユニットあたりの再生周波数帯域もせまくなります。ヘッドホンでは広帯域化と音圧確保のため、2Wayや3Wayで構成され高音質チューニングを施したバランスドアーマチュアユニットを開発、使用しています。
コンデンサー(静電)型
専用アンプを使用する静電気の原理を応用した方式。
電極板2枚とその間に振動膜が入っている構造。振動膜に電圧をかけ+極性(静電)とし、電極板に音声信号を流します。音声信号は電流の方向により電極板の極性を変化させます。その結果、引き付け・反発作用が発生し、導体が振動して音を出します。
振動膜は非常に薄いため(1〜2/1,000mm位)軽く、音の立ち上がりや応答性に優れ、繊細で歪みの少ない音質が得られますが、大音量は苦手です。また高電圧を使用するため専用アンプが必要となります。
ドライバー口径
ヘッドホンはダイアフラム(振動板)の大きさに比例して音質が向上します。ドライバー口径はそのサイズを表すもので、インナーイヤーでφ13.5〜15.4mm、耳栓型(カナル)でφ8.8〜12.5mm、オーバーヘッド型でφ30〜53mmが多く使用されています。
マグネット材質
ヘッドホンは磁気回路で使用される永久磁石の性能によって音質が向上します。一般的なフェライト磁石やコバルト磁石などのほかに、より強力な強磁力マグネットなどが使用されています。
ボイスコイル材質
ボイスコイルは音声信号を振動(音)に変換する際の重要なパーツです。音質向上のため、通常の銅線以外にもPCOCC やHi-OFC と呼ばれる純度の高い銅線などさまざまな素材が用いられます。