6.専用ヘッドホン・ヘッドホンアンプ
モニターヘッドホン・DJヘッドホン
モニターヘッドホン・DJヘッドホンは音楽制作やDJプレイ用のヘッドホンです。
素材の音を正確に聞くことが必要となる音楽制作用モニターヘッドホンでは、高音域から低音域までバランスよく再生可能な(フラット傾向)チューニングがしてあります。
DJプレイではクリアで正確な再生が求められます。これは曲のMIXがバスドラムのキック音に合わせて行なわれることが多いため、クリアな低音で正確に再生可能なチューイングがしてあります。片耳モニターができるようハウジングを±90度反転して使用することができます。また、コードがからみにくい、カールコードを採用することで、使い勝手を向上させています。
ノイズキャンセリングヘッドホン
ノイズキャンセリングヘッドホンは、飛行機や電車などで発生する騒音を抑えることができるヘッドホンです。
ノイズキャンセリング機構は周辺ノイズに対して、その音を打ち消す信号を出すことで雑音を低減します。雑音が少なくなることで必要以上に音量を上げずに済むことから、耳にもやさしく周囲への音漏れの配慮にもなります。
静かに音楽を楽しみたいときだけでなく、ノイズキャンセリング機能だけを利用して、仕事や勉強などに集中したいシーンにも利用することができます。
 
ワイヤレスヘッドホン
ワイヤレスヘッドホンはコードを使用しない製品です。
屋内用では、赤外線や干渉に強い2.4GHzの電波を用いた製品があり、音楽や映画鑑賞に適した性能を誇っています。
屋外用ではBluetooth無線技術を用いた電話での通話なども可能な製品が存在します。ワイヤレスヘッドホンでは、音質の低下を防ぐためにデジタルプロセッサーを搭載し、SRS WOWなど音質を向上させる技術も採用されています。
ヘッドホンアンプ
ヘッドホンアンプとは音質向上のために使用するヘッドホン専用のアンプです。
ポータブルプレーヤーの場合、バッテリーの関係上あまり大きな出力が得られません。また、ポータブルヘッドホンでは小さな出力でも比較的大きな音量が得られるよう設計されていますが、ポータブルヘッドホンアンプを使用すれば、より大きな出力を得ることができます。ヘッドホンの駆動状態が向上し、歪みやノイズなど、音質劣化が少なくキレの良い音質を得ることができます。
室内でヘッドホンを使用する際に通常のアンプを使用した場合、スピーカー用に設計されているため出力が大きすぎてバランス調整が難しくなります。アンプ側のヘッドホン端子に電気抵抗を入れることで出力を抑えてある製品もありますが、その抵抗によって音質が低下してしまう傾向があります。
据え置き型のヘッドホンアンプは、ヘッドホンにとって最も効率よく駆動することができるように調整されているため、ヘッドホンの性能を最大限に発揮することができます。
ノイズキャンセリングのしくみ
ノイズキャンセリングとは、ノイズとなる音の成分に対し逆位相の音を発生させ、オーディオ信号と同時に出力することでお互いを相殺し、その結果ノイズを低減させるものです。アクティブノイズキャンセリングはヘッドホンに用いられる代表的な方式です。ヘッドホンに収音マイクを設置し、収音されたノイズ成分に対し、逆位相の信号をデジタル回路やアナログ回路で別途生成。オーディオ信号と重ねることでノイズを減衰させます。
マイクロホンの設置方法により、FEED BACK方式とFEED FORWARD方式があります。
FEED BACK方式は、ユニット内部にノイズ収音マイクを搭載。マイクロホンで拾ったオーディオ成分とノイズ成分の内、ノイズ成分のみを除去します。
FEED FORWARD方式は、収音マイクをユニットの外側に搭載。ノイズ信号のみを収音するため、音楽信号を損ねることはありません。また、マイクロホンが外部にあるためユニットの小型化が可能になります。
一般的には、FEED BACK方式の方がノイズキャンセル効果は高く、一方FEED FORWARD方式では音質を優先にした設計が可能となります。ユニットのチューニングやキャンセリング回路の向上により、両方式とも同等の効果が得られる製品も存在します。
ヘッドホンアンプについて
ヘッドホン専用のアンプ。このヘッドホンアンプを使用すると、なぜ音質が向上するのでしょうか?

音量が取りやすくなる
一般にアンプを使用すると音量が取りやすくなります。これはオーディオ用のアンプには定格回路という、入力電圧を増幅させる機能を持っているためです。ポータブル機器などに内蔵されているアンプはバッテリーの関係で、出力の弱いアンプ回路を使っています。インピーダンスの低いヘッドホンを使用すれば音量を取ることができますが、インピータンスの高い大型ヘッドホンを使用する際には出力が不足してしまいます。一般的なアンプはヘッドホンより何倍も重いスピーカーのダイアフラムを動かす用に作られています。そのため、そのまま使うと少しボリュームを上げただけで大音量となってしまいます。それらを回避するためにアンプ側のヘッドホン端子に電気抵抗を入れることでバランスを取っていますが、それにより音質が低下してしまいます。ヘッドホンアンプは電圧や電流がヘッドホンに最適になるよう設計されているため、音量が取りやすくその能力を最大限に生かすことが可能となります。

音の締まりがよくなる
ヘッドホンで音を再生する場合、ヘッドホンアンプを使用すると、締まった音質となります。これは、通常ヘッドホンで音楽信号を再生した際に、ダイアフラム(振動板)が必要以上に動いてしまう場合があるからです。
例えば1Vの電圧がヘッドホンにかかったときのダイアフラムが1mm前に動いたと仮定した場合、ヘッドホンへの入力が0Vになった時点で、ダイアフラムは元の位置に戻らなければなりません。しかし、慣性の法則が働き元の位置よりも後ろに下がってしまう場合があります。またその際、電磁石は電気を発生させてしまいます。このような場合、例えばヘッドホン側の入力をショートさせ0Vにするとマイナスの制動力がかかり、ダイアフラムは静止します。音源側の出力端子が0Vになるような安定性をもっていれば、ダイアフラムの制動力が強くなり、また起電力吸収することができます。
このような振動板の過度の振動を減少させる制動係数をダンピングファクタと呼び、「アンプの内部抵抗」として表されます。ダンピングファクタが低いという事は、抵抗がある→電流が流れにくい→ダンピングファクタが下がる→制動力が下がる、ということを意味しています。
ダンピングファクタ(DF)は[ヘッドホンのインピーダンス(Ω)]を[アンプの出力インピーダンス(Ω)+ケーブルなどの附加抵抗値(Ω)]で割った値で、数値が小さけれ制動力がなく音がブワつきます。大きすぎると制動しすぎで締まりすぎた音になります。
ヘッドホンアンプはヘッドホンのインピーダンスを考慮した出力設計になっています。そのためダンピングファクタも最適化され、締まったキレのいい音(特に低音)を再生することが可能となります。