Chapter.4
イオンマイクロホンのこれから
イオンマイクロホンは未来の扉を開く

振動板をもたないイオンマイクロホンは、音波を検知する放電炎の先端が小さいことから、従来のマイクロホンでは不可能だったごく低い周波数からとても高い周波数の音まで正確にキャッチできる可能性を秘めています。秋野の挑戦は、やがて夢の扉を開くことになるでしょう。
秋野:「イオンマイクロホンというのは、IECやJISでも"イオンプラズマ及び周囲の空気の相互作用によって動作するマイクロホン”と定義されている音響用語で、私が自分で名づけたものではありません。イオンマイクロホンには、無限に近い未来があると思います。今はまだ研究途上ですが、当面使えそうだと思われるのは音楽収音のリファレンスになるような超高音質ワイドレンジマイクロホンです。あるいは、空気の圧力変化でなく粒子の動きを捉える高感度センサーですから、たとえば精密な風速計などにも応用できそうですね。」
秋野 裕:プロフィール
1981年 陸上自衛隊尉官を経てオーディオテクニカに入社。製造部、製造技術部から技術部に移り、マイクロホンの開発と設計に従事。
2008年 勤務のかたわら神奈川工科大学大学院・博士課程に入学。イオンマイクロホンの研究を開始。
2012年 技術部・研究開発室でマイクロホンを含む電気音響変換器の研究開発に専従。
2013年 神奈川工科大学大学院・博士課程を修了。博士(工学)。博士論文「イオンマイクロホンの研究」。
2016年 オーディオテクニカを定年退職。
現在 同社契約社員。神奈川工科大学 創造学部 ホームエレクトロニクス開発学科 特別客員教授。 今でもイオンマイクロホンの研究を続けています。