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ピックアップカートリッジを祖業として創業以来、オーディオテクニカは音響機器の可能性を追求し、世界中に製品を届けてきました。人間の感性と人間らしさこそが豊かさの源泉であるとする信念のもと、独自の「アナログ」観を育み、多様な音体験を創造し続けています。2026年は、さらなる進化を遂げ、グローバルな視点で新しい価値を創出しながら、音を通じて人と人をつなぐ未来を築いていく年としていきます。
昨年はまさに「アナログ再元年」と呼ぶにふさわしい一年でした。当社独自のVM型カートリッジの上位モデルが9年ぶりに「AT-VMx」シリーズとして刷新されたのをはじめ、 MC型スタンダードモデルの「AT33」シリーズ も11年ぶりにモデルチェンジし「AT33x」シリーズとして展開しました。さらに透明なアクリル素材の筐体を採用したターンテーブル『AT-LPA2』が「OTOTEN2025」で高い評価を得ました。ヘッドホンでは開放型「R」シリーズやフラッグシップ『ATH-ADX7000』を発表し、複数の専門誌アワードを受賞。スター・ウォーズをモチーフにした限定モデルも世界中で大きな反響を呼びました。
業務用機器では「Inter BEE 2025」に出展し、当社初となるネットワーク対応スピーカーを披露しました。さらに新たな取り組みとして、音と光を融合したターンテーブル『Hotaru』を発表し、世界的デザイン賞「A' Design Award」を受賞。加えて、”聴こえ”に寄り添うブランド「audio-technica MIMIO」を立ち上げ、新たな挑戦を開始しています。
感性に訴えかける様々なイベントも実施しました。第三回目となる当社主催イベント「Analog Market」を築地本願寺で初開催し、過去最大の来場者数を記録しました。子ども向けの音体験イベントやお子様の感性を育む一助となる活動も継続しています。さらに、グローバルの活動として 、MotoGP™では公式マイクロホンプロバイダーとしてその役割を通じ、レースの興奮を世界中にお届けすることができました。
海外グループ会社では、2025年3月に中国のAudio-Technica(GC)が、創立30周年を迎えました。また、2026年4月8日にはシンガポールのAudio-Technica(S.E.A.)も30周年を迎え、盛大なセレモニーが執り行われました。
国内拠点では、2024年にテクニカハウス大阪を、昨年7月にはテクニカハウス福岡をそれぞれ開設しました。プロオーディオの会議システムやデモルームも整備し、近郊のお客様にも大変好評をいただいています。今年3月には、テクニカハウス大阪の試聴室にて、日本オーディオ協会主催のアナログレコード再生による「オーディオ体感試聴会」を開催し、西日本の皆様にアナログの魅力を直接お届けしました。
日々目まぐるしく展開する世界情勢やAIの急速な進歩など、毎年、何らかの困難や予期せぬ出来事が起きているのが現実です。未来を完全に予測することはできませんが、自分たちの手で未来を切り開くことはできます。そんな今だからこそ、人間の感性やアナログの価値が一層重要になります。変化に寄り添いながら、私たちだからこそ生み出せる価値を通じて、心を震わせる感動と幸福を届け続けることこそが、我々の大切な役割であり、守るべき使命だと考えています。
- 2026年4月
代表取締役社長 