株式会社オーディオテクニカ

株式会社オーディオテクニカ

MESSAGE

2022年4月、オーディオテクニカは創業60周年をむかえます。
始めはアナログレコード再生に必須の精密パーツ、ピックアップ・カートリッジの専門メーカーでした。その頃はまだめずらしかったMM型の高級機AT-3が大ヒットし、5年後の1967年にはさらに高性能で高音質なVM型を開発して欧米市場にも進出しました。ピックアップ・カートリッジでつちかった当社の精密技術は、1970年代に入って大きく成長し始めます。1974年にヘッドホンを、1978年にはマイクロホンを発売。これらはコンシューマー向けの一般市販品だけにととまらず、プロオーディオの世界にもひろく浸透していくことになります。たとえば1996年のアトランタ・オリンピック大会から始まったビッグスポーツイベントのマイクロホンサポート。そしてもちろん音楽用途のマイクロホン/モニターヘッドホンは世界中のサウンドプロやミュ―ジシャンに愛され、音楽産業最高の一夜とされるグラミー賞授賞式などでも毎回活躍しています。これらの事業には、技術力や経営基盤の強化とともに、多くの人びとのための社会貢献、文化の発展に寄与するといった意味もありますので、引き続き注力していきたいと思います。当社はそのほか、複数のオーケストラにたいする資金援助や将来の社会を担う人材の育成など、日常のビジネスを離れた各種の社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

オーディオテクニカの60年は、このように音の精密技術を核として、よりよい社会との接点を探りながら大きくひろがってきました。洗練された高品位な製品、信頼性の高い業務用機器、あるいはユニークな新世代商品等を世界に向けて送り出すことで、活力と創造力に富む誠実なグローバル企業に成長してきたとも考えています。

最近、デジタルのオーディオツールが急速に変化しています。たとえばリッピングやダウンロードからストリーミングへ、といったコンテンツの管理技術が、リスニングスタイルの常識を変えるほどの勢いで音楽再生の新時代を築き始めているのです。音楽とともに60年を生きてきた私たちのリスニング機器づくりも、変化を見つめて変わらなければなりません。新しい時代にふさわしいイノベーションを起こし、音楽を愛するすべての人びとにフレッシュな感動と幸福を提供し続けること。それが今後も大切なオーディオテクニカの役割、守るべき使命ではないかと思います。

いっぽうで、世界的に見直されているのが昔ながらのアナログレコードです。長い年月を生き抜いた伝統技術や文化を守り育てるのも重要な社会貢献。しかもオーディオテクニカにとって特別な意味をもつ歴史的技術がアナログなのですから、やはり特別な対応が求められることでしょう。60周年の私たちに与えられたテーマは、いつにも増して多彩です。


2022年1月

代表取締役社長
松下和雄