株式会社オーディオテクニカ

株式会社オーディオテクニカ

MESSAGE

オーディオテクニカの歴史は、ターンテーブル用のピックアップカートリッジを開発・販売を始めた1962年に遡ります。創業以来、数々の音響機器を世に送り出してきた、当社の変わらない想い。それが人間の感性・人間らしさこそが豊かさの根源であるとする、独自の「アナログ」観です。どんなに時代や環境が移り変わろうとも、人間中心の考え方を持ち続けることで、ニーズに応じた多様な音体験を創造していくことができると私たちは信じております。

昨年は、民生用機器の新たな一歩として、60年以上受け継がれてきた伝統と蓄積されたノウハウ、高い技術力により実現したハイエンドオーディオシステム「鳴神(NARUKAMI)」を発表・発売いたしました。日本の伝統文化をモチーフに、最先端の音響技術と厳選されたカスタムパーツで作られる至極の音体験をご提案することができました。一方、業務用機器では昨年に続き、国際放送機器展「Inter BEE 2023」に出展しています。中でも注目を集めたのが、展示ブースに大きく構えたハドルルームです。ビームフォーミングアレイマイクロホン『ATND1061DAN』『ATND1061LK』に追加された「ボイスリフト機能」を会場で初お披露目。広い会議室でのミーティングや大教室での講義において、自然でクリアなコミュニケーションが行える本機能を体験できることもあり、多くのお客様に訪れていただきました。

海外においては、音楽と芸術教育で世界中の子どもの育成を手助けする「PLAYING FOR CHANGE」へのスポンサー支援による音楽文化への貢献や、2019年より継続しているモーターサイクルレースの最高峰「MotoGP」世界選手権のオフィシャルマイクロホンソリューションプロバイダーとして、当社製品がスポーツ分野においてもお役に立つことができました。

2024年を迎え、3月には世界の最先端を行くニューヨークに、情報収集および情報発信の新たな拠点となるオフィス「Technica House New York」を構えました。ニューヨークの多様性と日本発のメーカーらしさをブレンドすることで、当社の思想が反映された場所に育てて行きます。アメリカにはもうひとつ、サンディエゴに新たな物流センターをオープンしています。西海岸倉庫を増設することで、北米市場における物流効率をさらに改善し、できるだけ短納期でのお客様への配送を実現いたします。さらに、7月には大阪に「テクニカハウス大阪」を立ち上げました。3つの事業部が集まる営業拠点としながら、お客様に音楽を聴いてもらえる試聴室やスタジオ、プロオーディオ機器デモルームなど、さまざまな機能を備えています。

今後も新しい価値を生み出し、音楽を愛する全ての人にフレッシュな感動と幸福を提供し続けることこそが当社の大切な役割であり、守るべき使命だと考えます。


2024年7月

代表取締役社長
松下和雄