MESSAGE
オーディオテクニカの歴史は、ターンテーブル用のピックアップカートリッジを開発・販売を始めた1962年に遡ります。創業以来、数々の音響機器を世に送り出してきた、当社の変わらない想い。それが人間の感性・人間らしさこそが豊かさの根源であるとする、独自の「アナログ」観です。どんなに時代や環境が移り変わろうとも、人間中心の考え方を持ち続けることで、ニーズに応じた多様な音体験を創造していくことができると私たちは信じております。
昨年は、アナログ分野において、当社のフラッグシップモデルであるダイレクトパワーステレオMCカートリッジを8年ぶりにリニューアルし、『AT-ART1000X』として販売を開始しました。国内初のお披露目はオーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2024」にて行い、大きな反響を呼びました。 またヘッドホン分野において、長年販売してきた開放型のハイエンドモデルを再定義して“トゥルーオープンエアーオーディオ”を掲げ、エアーダイナミックヘッドホン『ATH-ADX3000』を発売しました。Hi-Fiヘッドホンユーザーの共感を得るとともに、複数の専門誌アワードを受賞するなど、高級オーディオマーケットでも良い評価をいただいております。 一方、業務用機器の分野では、メディア総合イベント「InterBEE 2024」に3年連続で出展しました。レシーバーを5台接続することで最大20チャンネルの使用が可能な2.4GHz帯デジタルワイヤレスシステム『System 20 PRO』をお披露目したほか、1台だけで3Dオーディオサウンドの収音が可能なイマーシブオーディオマイクロホン『BP3600』をご体感いただき、驚きとともに高評価をいただくことができました。
ほかにも、未来につながる施策として“未知との出会い”をテーマにした子どものための屋内広場「PLAY! PARK」との継続的な取り組みや、本社を構える東京都町田市と多摩市・稲城市との共同事業「子ども体験塾」にも参加しました。これらのイベントを通して、子どもたちの感性を育む機会を創出しています。また、音楽と芸術教育で世界中の子どもの育成を手助けする「PLAYING FOR CHANGE」へのスポンサー支援を行い、音楽文化への貢献を続けています。スポーツ分野においても、オートバイロードレースの世界選手権「MotoGP™」のオフィシャルマイクロホンソリューションプロバイダーとしてもお役に立つことができました。
さらに新たな挑戦として、今年4月、世界最大規模のデザインの祭典である「ミラノデザインウィーク」に初出展し、空間に音の彩りをもたらすターンテーブル『Hotaru』を発表しました。本製品は、世界最大級のデザインコンペティション「A' DESIGN AWARD 2025」で最高峰の“プラチナ賞”をいただいております。
2025年は、 中国のAudio-Technica(GC)が30周年、杭州鐵三角が25周年、オーディオテクニカフクイが55周年の節目の年を迎えます。今後も新しい価値を生み出し、音楽を愛する全ての人にフレッシュな感動と幸福を提供し続けることこそが当社の大切な役割であり、守るべき使命だと考えています。
- 2025年4月
代表取締役社長