お知らせ

2023.08.11

本日より香港で開催される「Hong Kong High-End Audio Visual Show 2023」で新製品を発表

株式会社オーディオテクニカは、中国の香港コンベンションアンドエキシビションセンターで本日8月11日(金)より開催される、国内最大級のオーディオ展示イベント「Hong Kong High-End Audio Visual Show 2023」に出展いたします。同イベントのオーディオテクニカブースにて、ヘッドホンアンプ/プリアンプを中心とした新たなハイエンドオーディオシステム「鳴神(NARUKAMI)」をお披露目いたします。

■ヘッドホンアンプ/プリアンプ『HPA-KG NARU』
日本の伝統文化において「鳴神(NARUKAMI)」とは、雷の神である“雷神”、または自然の力の現れともいえる雷の鳴る音“雷鳴”を意味します。「鳴神」の姿は、自然への敬意を表すものとして人々に崇められ、日本のお祭りや伝統劇では太鼓を打ち鳴らすことで雷や “雷鳴” を表現します。こうした歴史的な背景から、音楽に関連する事物の多くが「鳴神」という名で登場し、音と活力を表現するとともに、人々の音楽への情熱と追求を示すものとなっています。「鳴神」の名を冠したヘッドホンアンプ/プリアンプ『HPA-KG NARU』は、オーディオテクニカが創業以来60年の間に蓄積してきた音響技術と厳選されたカスタムパーツにより、音のディテールと深みをよりリアルに感じることができます。繊細で自然なリスニング体験を通じて、音楽の喜びをお楽しみいただけます。

<黒柿について>
・希少で貴重な木材
オーディオテクニカが日本のブランドであることを表すために、製品開発にあたり、素材選びには何度も試行錯誤を重ねました。そして、「黒柿」こそが「自然の神秘」と「日本の職人技」を体現できるものとして相応しいと考え、この希少で貴重な木材を使うことに決めました。
・神秘の銘木
「黒柿」は樹種ではなく、柿の木の中で内部に黒い紋様が現れたものを「黒柿」と呼称します。なぜ黒い紋様ができるのかについては、未だに解明されていません。100年以上経った古木でしか見つかっておらず、意図的に育てたとしても、「黒柿」に出会う確率は非常に低い。こうした理由から、“神秘の銘木”とも言われています。また、「黒柿」の乾燥作業はとても難しく、専門知識とともに長年培ってきた高い技術が必要です。そのため、生産量が極めて少ないことも特徴となります。

<デザインコンセプトについて>
・日本庭園に音の宇宙を
日本の伝統的な庭園は、空間や自然との調和そのものが庭に凝縮されています。『HPA-KG NARU』は、日本の庭園をコンセプトとして、枯山水と和室のイメージを取り入れ、オーディオテクニカが表現したい音の宇宙を構成しました。
・伝統的な枯山水
伝統的な庭園スタイルである「枯山水」は、シンプルで抽象的な庭園デザインのひとつです。細やかな砂や石を使い、水の流れや山々を表現し、最低限の植生を使って自然の風景を表現するといった、“禅”の思想を取り入れたものでもあります。 『HPA-KG NARU』にはその「枯山水」を想起させるデザインを採用しています。トップパネルの孔の位置に真空管が配置されており、横方向には水流をイメージした紋様が真っ直ぐに刻まれています。紋様で表現された水流が出会うことで渦を生み、無限を象徴する∞を形成しています。そして本体の両側へと水が流れ落ちるように「黒柿」を囲んで流れます。また、数字の8はアジア文化圏では縁起の良い象徴でもあります。
・綾杉紋様
真空管および出力トランスを保護する金属のメッシュカバーには、「綾杉模様」が採用されています。綾杉は日本固有の樹種で、庭園や景観設計に広く使われるものです。深い緑色の平らな針葉は、枝に密集して配置され、濃密で美しい樹冠を形成します。その葉の美しさは、古来より愛され、多くの伝統的な模様のデザインに使用されています。

<厳選されたオーディオ部品と回路設計>
・高品質な電子回路部品
電圧増幅段には「ECC83S」を使用したSRPP回路を採用し、電流増幅段には「TA-300B」を使用して出力トランス「LL2765AgAM」を駆動します。また、回路設計ではルンダール社製の入力トランス「LL1532」や、特別仕様のアモルファスコア+銀線で作られている出力トランス「LL2765AgAM」、ヘッドホンアンプ用として選別された高槻電器工業社製の真空管「TA-300B」、アムトランスの極めて高い放熱特性を発揮する材料と構造を持った最高級オーディオ抵抗、本製品のために専用設計された染谷電子社製の左右独立電源トランス、そしてJJ Electronic社製の真空管「ECC83S-gold」と「GZ34S」など、あらゆる面で厳選された高品質な部品が使用されています。そして、入力の切り替えや出力トランスの切り替えは、すべてシールされたリレーで行い、耐久性と信頼性を保証します。加えて、リレーを使用することにより、最適化した信号の流れを実現しています。
・贅沢なフルバランスデザイン
『HPA-KG NARU』は、フルバランス駆動を採用しています。前段各4本の「ECC83S」をSRPP回路で信号を増幅し、後段各4本の「TA-300B」を力強く駆動させることで、洗練されたアンプ回路設計を実現しました。バランス入力を使用する場合、信号は直接左右のバランス回路に送られます。ライン入力を使用する場合は、信号は入力トランス「LL1532」を介してバランス信号に変換され、左右のバランス回路に送られます。このバランス変換回路はハーモニクスが豊かでダイナミックレンジがあり、真空管ならではの音の味わいをより引き出すとともに、クリアで高品質な音色を実現します。
・L/Rの左右独立信号回路と左右独立電源供給
『HPA-KG NARU』の回路設計は、左右のチャンネルをHOT側・COLD側のバランス回路構成とし、全体としては4つの回路を持つ贅沢な回路構成になっています。また、左右の音声信号回路に供給される電流は、左右独立した専用電源トランスから安定かつピュアな状態で供給され、高い分離度と低ノイズで透明かつ豊かな音質を導きます。こうした設計による優れた音楽再生能力は、オーディオ愛好家の方にもきっとご満足いただける仕上がりです。
・ルンダール社のアモルファスコア銀線出力トランス
音響機器において、出力トランスは非常に重要な要素です。そのため、私たちはルンダール社製の出力トランスを選択しました。トランスのコアは、一般的なコアとは異なるアモルファス合金で作られており、非常に低い磁気ヒステリシス損失、高い飽和磁束密度、優れた周波数特性を持っています。また、コアは高純度の銀線で巻かれており、非常に低い抵抗と優れた導電性を有しています。 この設計は、真空管アンプの出力トランスとヘッドホンのインピーダンスをマッチングするために使用され、最適なインピーダンスマッチングを提供します。アンプはヘッドホンにより大きなパワーを供給し、豊かな表現力を加え、優れた周波数特性を保持することができます。また、出力トランスのヘッドホンマッチング回路には3つのポジションがあり、ヘッドホンの特性や音質に応じてインピーダンスを選択可能。さらに、プリアンプの出力機能も備えているため、真空管「TA-300B」で駆動される出力トランスの信号を出力してパワーアンプを駆動することができます。
・厳選された真空管
真空管は個別にテストとマッチングが行われ、より最適化したパフォーマンスを発揮します。信号増幅段には、ペアリングされたJJ Electronic社製の「ECC83S」を採用し、豊かで響きのあるサウンドが特徴です。またパワー段には、高槻電器工業社製の「TA-300B」が2ペア使用され、パワフルなドライブ力と躍動感のある高品質なサウンドを提供します。 「TA-300B」は日本でひとつひとつ手作業で組み上げられており、その優れた性能と音質でよく知られています。専用金型でプレスされたプレート、特殊設計と製法によるフィラメント、高精度なグリッドなどにより、豊かな中音域と自然な高音を持ち、明るすぎず耳障りではありません。低音はコンパクトでクリアであり、良好なエクステンションと豊かなディテールを備えています。 ハムやその他のノイズが信号に入らないようにするために、「TA-300B」のヒーターは複雑な直流点灯方式で駆動され、複数のフィルターにより点灯電源がクリーン化され、低ノイズを実現しています。

■ヘッドホン『AW-KG NARU』
「鳴神」の名を冠したヘッドホン『AW-KG NARU』は、「黒柿」のハウジングに加え、特別なチューニングにより優れた音質を提供します。さらに、本製品専用に調整された付属のヘッドホンケーブルは、『HPA-KG NARU』との組み合わせで実力を最大限に発揮することができます。


ヘッドホン『AW-KG NARU』


なお、どちらの製品も日本国内での発売は未定です。本製品のお問い合わせにつきましては マイクロサイト(https://www.audio-technica.co.jp/narukami/)のフォームからお問い合わせください。