マイクロホンを識る

超指向性(干渉管型、二次音圧傾度型)

超指向性(干渉管型、二次音圧傾度型)

超指向性とは?


通常は、振動板の向いている方向(0度)を主に捉える「単一指向性」ですが、「超指向性」は、狙った方向の延長線上にある遠い音を捉えたいときには、この指向性をさらに狭角にしたものです。現場やスポーツ、舞台などのテレビ中継などで見え隠れする細長い棒、あれが「超指向性」を持ったショットガンマイクロホンです。テレビ・ドラマ収録用スタジオでは、バトン(照明器具や美術関連物を取り付ける、天井から吊られたパイプ)や、足場に取り付けて役者の声を狙う場合もあります。野外の生物の鳴き声を録音する際などでも必需品となります。また、音楽の場合はライブの観客の拍手や歓声(いわゆる「ガヤ」)録音用として使われることもあります。

超指向性の構造(干渉管型と二次音圧傾度型)


構造的には、干渉管を使う「干渉管型」と、マイクロホンユニットを2つ使う「二次音圧傾度型」などがあります。
「干渉管型」は、側面にスリットを刻んだ長めの筒を専用マイクロホンユニットの先端に取り付けて、音響(アコースティック)的に指向性を狭角にしています。 「二次音圧傾度型」は正相と逆相の2つの単一指向性マイクロホンユニットを持ち、電気(エレクトリック)的に指向性を狭くします。
どちらも原理としては、方向の違う所で鳴った音の位相差を利用している点で共通しています。「干渉管型」は、干渉管自体に非常に高度な設計と複雑な加工が必要で、その結果コストもかさんでしまいますが、「二次音圧傾度型」より指向性をより狭角にすることができ、またノイズなどの面でも有利なことから、業務用で広く採用されています。「二次音圧傾度型」は、一般的な「単一指向性」のマイクロホンユニットを利用できるので比較的安価に仕上げられ、一般製品用にも多く出回っています。

超指向性(干渉管型)

干渉管型ポーラパターン
干渉管型イメージ

超指向性(二次音圧傾度型)

二次音圧傾度型ポーラパターン
二次音圧傾度型イメージ

オーディオテクニカの超指向性マイクロホン


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マイクロホンの外部構造