一見頑丈に見えるレコードも、実は指紋やホコリ、小さな傷が音質に大きく影響する非常に繊細な媒体です。

良い状態で保管するためにまず大切なのは、盤面に触れないこと。目に見えないホコリや汚れが音楽に大きな影響を与えるうえに、手指の脂は雑菌やカビにとって大好物。盤面がどんどん汚れ、カビが生える原因になります。

また、レコードにとって傷は大敵。盤面はもちろんのこと、レコード盤をプレーヤーに載せるときは中心穴付近に傷が付きやすいので要注意。スピンドル(レコードをセットする真ん中の棒)を目視して、慎重に差し込みましょう。必要なら手袋を使うと安心です。

そして見落とされがちなのが、保管時の内袋や外袋の開口部の向き。取り出しやすさを優先して横向きに収納する人もいますが、それではレコード盤が不意に飛び出して、傷がついてしまうかも。

最大の注意点が、保管環境です。レコードの素材である塩化ビニルは熱に弱く、車内や直射日光の下に置くと反りや変形を起こし、元には戻せません。保管は必ず直射日光の当たらない涼しい場所で、できるだけまっすぐに立てて並べましょう。

レコードは正しく扱い、適切に保管すれば、世代を超えて音楽を楽しめるメディアです。繊細だからこそ、ひと手間を惜しまないことで、その魅力を長く味わうことができるのです。

さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

Words & Edit:May Mochizuki

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