レコードやアナログって、流行ってるけど実際どうなの?そんな興味はあれども手が伸びない方々へ。 「円盤好子のアナログジャーニー」では、レコードの魅力をビギナー目線でお伝えしていきます。

第27回のテーマは「レコードからCDへの移行期に発売されたレコード」。 1982年に初めてCDソフトが発売され、それ以降レコードからCDへと主流が変わっていく激動の時代を、当時発売されたレコードと共にご紹介したいと思います。

円盤好子とH先生のプロフィール

こんにちは、円盤好子です。 先日、とあるイベントに向けて選曲をしているときにH先生が持っていたレコード。 レコードなのにジャケットにはCDプレーヤーが登場していました。

円盤:このレコードって不思議な感じがしますね。

H先生:どこが?

円盤:レコードなのにCDプレーヤーをぶらさげた少女がジャケットにドーン!と写っています。 しかもCDキャンペーンソングって書いてある…

H先生:ちょうどこの曲が発売されている1980年代はCDソフトが登場してレコードとCDどちらも入り混じっている時代なんだよ。 1982年に初めてCDソフトが発売されたんだ。 懐かしいなあ~。

レコードなのにCDプレーヤーをぶらさげた少女がジャケットにドーン!と写っています

そんなわけで(?)今回はレコードとCDが入り交じる80年代に発売されたレコードを、H先生と一緒にご紹介します!

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「Liberty」 鈴木雅之

H先生:このレコードは当時、ソニーの「VOCE of CD」オーディオキャンペーンっていう、CDプレーヤーのキャンペーンテーマソングになっていたんだよ。

円盤:B面がロンリー・チャップリンなんですね…!レコードのジャケットはポータブルCDプレーヤーを肩から下げている女の子が立っているという不思議な1枚です。 レコードなのに、CDプレーヤーというのがちょうど移行期に発売されたということをダイレクトに感じさせますね。

「Liberty」 鈴木雅之
この曲をレコードで聴いたのは初めてですが、鈴木雅之さんの声がよりムードを纏って心地よいです。

「Playin’ It Cool」 Timothy・B・Schmit

H先生:写真はアルバムですが、このアルバムに入っている「So Much in Love」という曲は1982年にシングルでも発売されいて、当時はパイオニアのミニコンポのCMソングだったんです。 CDが少しずつメインになっていくこの時代はカセット、レコード、そしてCDとさまざまな形で音源が残されている時代なんですね。 同じ音源が違う形で複数発売されることもあれば、逆に移行期はレコードでしか収録されていない曲もあったりとレア盤が存在するのです。

「Playin' It Cool」 Timothy・B・Schmit

「LONELY BUTTERFLY」 REBECCA

H先生:このシングルはマストだね~。
1986年に発売されたんだけど、このシングルはレコードでしか発売されていないんだよ。 それで、後にリリースされたこの曲が収録されているアルバムはレコードとCDどちらも発売されたんだ。

円盤:じゃあレア盤ですね!

「LONELY BUTTERFLY」 REBECCA

H先生:ちなみに僕は当時、好きなアーティストの盤はレコードとCDどちらも購入していたよ。 俺の奥さんもそうだったって言ってた。

円盤:え!収録曲は同じですよね?どうして違う形態を2枚購入するんですか?

H先生:それはやっぱり、レコードのジャケットが良いからだよ。 CDのジャケットだと寂しいんだよね。 特にダブルジャケット(ゲートフォールドカバー)だとジャケットやライナーノーツを見ながらじっくり音楽と向き合える。 それがレコードの良さだね。

円盤:なるほど~!レコードを買い続けるのも頷けます!中古のレコードが良い状態で長い間世の中に残っているのもこういったレコードラヴァーの想いがあってこそのことですね。

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私はレコードをリアルタイムで再生していたわけではないですが、感覚でいうとCDから配信音源に移っていった時期の感じに近いのでしょうか…?レコードはCDや配信音源の再生環境とはまた違うので、そういった音以外の動作や雰囲気も含めてレコードファンが多いんでしょうね。 デジタル世代がレコードにハマるのもそういった一連の新鮮さにあるようです。 レコードが気になっている人はまず、レコードに触ってみるところからはじめてみるのも良いかもしれませんね。

では!

Words & Photos:SUKIKO.E
Illustrator:Tatsuya Hirayama
Direction:May Mochizuki