今、世界的な再注目の最中にあるアナログ・レコード。デジタルで得られない音質や大きなジャケットなどその魅力は様々あるが、裏面にプロデューサーやバックミュージシャン、レーベル名を記した「クレジット」もその1つと言えるだろう。

「クレジット」――それは、レコードショップに並ぶ無数のレコードから自分が求める一枚を選ぶための重要な道標。「Credit5」と題した本連載では、蓄積した知識が偶然の出会いを必然へと変える「クレジット買い」体験について、アーティストやDJ、文化人たちが語っていく。あの人が選んだ5枚のレコードを道標に、新しい音楽の旅を始めてみよう。

TENDREが考える「アナログ・レコードの魅力」

データやサブスクリプションなど音楽自体の扱いが多様になっている中で、自ら装置に向かって針を落とす瞬間や度々盤面をひっくり返す行程というのは、今となっては音楽そのものへの触れ方や思い入れが特別になってくる。
そこを面倒と思うのかロマンと感じるか、すこし意識が変わることで、また音楽の聴こえ方が変わってくる。
いろいろな観点から見てアナログの音は、より素直に受け止められる様な気がします。
古着などと同じく、レコードも年月を経てさまざまな場所を巡り巡って、今自分の手元にあると考えると本当におもしろいことであって、それも含めて味なのだなとも改めて思います。

TENDREが「クレジット買い」した5枚のアナログ・レコード

Herbie Hancock『Round Midnight – Original Motion Picture Soundtrack』

Herbie Hancock『Round Midnight - Original Motion Picture Soundtrack』

『ラウンド・ミッドナイト』(原題:Round Midnight)という映画をまだ観ていなかったながら、レコードショップでふと見つけた一枚。
ジャケにどことなく惹かれた部分もあるかもしれないですが、数々の名プレイヤーが記載されているクレジットの中に、昔母から教わったボビー・マクファーリン(Bobby McFerrin)の名前が目に飛び込んだので、どんな風に参加してるんだろうかと興味本位で買いました。音楽も映画も当たりでした。

Michael Franks『Sleeping Gypsy』

Michael Franks『Sleeping Gypsy』

マイケル・フランクス(Michael Franks)の『The Art Of Tea』というアルバムばかりを昔からよく聴いていたのですが、一度とあるレコードショップで一日店長をやらせてもらった事があり、その際にたまたま見つけた一枚。
ジョー・サンプル(Joe Sample)というピアニストが小さい頃からなぜかとても好きで、その名前が入っている作品はとにかくチェックするようになっていました。ずっときもちいい作品です。

Red Garland『Groovy』

Red Garland『Groovy』

ピアノトリオが好きで家でもそればかりを聴くことが多く、レッド・ガーランド(Red Garland)も大好きなピアニストのひとり。
父が昔よく自宅で見ていたVHSのライブ映像で演奏していたベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)の演奏を見ながら、どことなく似てるようなそうでないような、と姿を重ねていた記憶がありまして。
その記憶を辿りながら彼のベースが好きになったこともあって、名前を見つけるとどこか勝手に嬉しくなってしまいます。

Various Artists『Stay Awake (Various Interpretations of Music from Vintage Disney)』

Various Artists『Stay Awake (Various Interpretations of Music from Vintage Disney)』

このレコードは様々なミュージシャンが独自の解釈でディズニー映画の曲を演奏して録音したトリビュート・アルバムでして、クレジットにあるジェームス・テイラー(James Taylor)やトム・ウェイツ(Tom Waits)の名前が目についたので興味本位で買いました。想像よりぶっ飛んでて格好良かったです。プロデューサーのハル・ウィルナー(Hal Willner)もそこから掘り下げる様になりました。

Luther Vandross『The Night I Fell In Love』

Luther Vandross『The Night I Fell In Love』

プロデューサーにベーシストのマーカス・ミラー(Marcus Miller)の記載があったことがきっかけで、たしか大学生の時に買いました。
マーカスのソロ作品も昔から父と度々チェックしていたのですが、どちらかというと他のミュージシャンの作品でバラードを弾いてる彼のプレイが好きだったので、プロデューサーワークがどういうものなのかという探りで買ったのを覚えています。

TENDRE

テンダー

ベースに加え、ギターや鍵盤、サックスなども演奏するマルチプレイヤー、河原太朗のソロ・プロジェクト。2017年12⽉にTENDRE名義での6曲⼊りデビューEP『Red Focus』をリリース。同作はタワーレコード “タワレコメン” 、HMV “エイチオシ” 、iTunes “NEW ARTIST” 、スペースシャワーTVミドルローテーション “it” に選ばれるなど、各⽅⾯より⾼い評価を獲得。

2018年10⽉には、tofubeatsによるリミックスも話題となった配信シングル『RIDE』を含む1stフル・アルバム『NOT IN ALMIGHTY』をリリース。国内の主要フェスにも軒並み出演を果たした他、同年6⽉に開催された東名阪のワンマン・ツアーは追加公演を含む全公演がソールドアウト。

2020年9⽉、先⾏配信されたシングル「LIFE」「HOPE」「JOKE」を含む2枚⽬となるフル・アルバム『LIFE LESS LONELY』をリリース。「HOPE」は、今年1⽉に放送されたテレビ朝⽇系列「関ジャム 完全燃SHOW」で年間ベスト10に選出され、サウンドデザインのセンスやメロディーのキャッチーさが⾼く評価された。

2021年4⽉7⽇、満を持してEMI Records / UNIVERSAL MUSICよりメジャーデビュー。9月29日には、Digital Single「PIECE」「PARADISE」「FLOWER」「ENDLESS feat. SIRUP」を含む、待望のメジャー1stアルバム「IMAGINE」をリリース。

2022年3月に配信された池田智子 × TENDREが歌うサントリーほろよいCMソング「水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal」やNHK「あさイチ」2022年度テーマ曲を担当し、さらにディズニープラス「スター」の日本発オリジナルドラマシリーズ『すべて忘れてしまうから』で、自身初となる実写ドラマの劇伴を手掛け、話題を呼んだ。

6月にDigital Single「LIGHT HOUSE」、8月にDigital Single「HAVE A NICE DAY」をリリース。9月には、2ndアルバム『PRISMATICS』発売、そして全国ツアーを開催。

テンダー4月12日に配信EP「BEGINNING – EP」リリース、4月16日には、自身初となるホール(人見記念講堂)でのワンマン・ライブを開催。さらに、10月6日宮城:仙台darwinを皮切りに、ツアーファイナル11月29日東京Zepp DiverCity Tokyoまで8都市8公演のワンマン・ツアーを開催。

HP
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Edit Takahiro Fujikawa