ケニアで近年注目を集めるパワフルな姉妹といえば、ペインターでイラストレーターのパティ・エンドーとイヴォンヌ・エンドー。現在はEndo² (エンドー・スクエアード)として活動する彼女たち、日本人の母とケニア人の父のもとに生まれ、ルーツを東京にもつ。

現地の男性たちがつい振り向かえってしまうほどの魅力をもつ二人は、今はナイロビにて、アート/ファッションの才能とビジネスマインドを原動力に、ミニマルなアートとファッションアクセサリーを制作。国内のクリエイティブシーンを席巻している。

2019年には、地元で人気のキャンバスバッグとトートバッグのブランドSandstormとコラボレーションを果し、パティの特徴的な肖像画をフィーチャーしたバッグのラインをリリース。その後も、ケニアのラム島を拠点にするデザイン/家具メーカーのSaba Studiosと組み、トートバッグと枕カバーシリーズを手がけている。ナイロビのエネルギッシュなクリエイティブシーンに身を置く彼女たちの次なる夢は、自分たちのルーツがある日本のファッションブランドとのコラボレーションだそうだ。



AL:日本(東京都調布市)にルーツをもつ二人ですが、もうひとつのルーツであるナイロビへの想いを聞かせてください。

E:いろんな顔をもつ多様な街だと思います。穴場のスポット、素晴らしい気候、遠出しなくても楽しめる、美しい緑の景色でいっぱいの場所。何かに夢中で打ち込んでいる人々やポジティブなバイブスで溢れていますね。

AL:街にまつわる特別な思い出はありますか?

E:間違いなく、ナイロビに引っ越した1999年!まだまだ幼かったけど、家の近所がどんな雰囲気だったのか鮮明に覚えています。越してくる前にこの街に抱いていたイメージは、残念ながらテレビで見るような“お決まりのサファリや貧困”でした。でも、こっちに住んでからはそれ以上にもっといいところを発見しています。東京とは違う、ありのままのナイロビにだんだん愛着が湧いてきて、“故郷”と呼べるようになったことを誇りに思います。

AL:ナイロビという街自体にインスパイアーされますか?

E:ナイロビのクリエイティブシーンは、紛れもなく成長していて、ニッチかどうか、時代の流れにはまっているかどうかなんて関係なしに、新進気鋭のクリエイターの作品が大切にされ、認められてきている感じです。そんなシーンから、間違いなくクリエイティブなエネルギーをもらっています。地元のクリエイターたちのハッスル精神は、常に創造的であり続けることを後押ししてくれる。音楽であろうとアートであろうと、そのシーンでの規範に反して独創的なアプローチをしているクリエイターたちが、特にモチベーションをくれる人たちです。

AL:音楽好きの二人ですが、(ALと初めて会ったのもナイロビのライブ会場)、音楽が創作のインスピレーション源や作品のアイデアになることは?

E:特定の曲に影響された作品というのはないですが、音楽は、創作過程においてムード作りをしてくれています。私の作品はひと続きの線をモチーフにしたものが多いので、シームレスな作品に取り掛かっている時に音楽をかけることで、一種のトランス状態になります。自主隔離中、婚約者のSean Peeversが制作していた音楽がBGMになって、自分の作品作りに大いに影響を与えてくれましたね。あと、クルアンビンのアルバム『Mordechai』と『Con Todo El Mundo』は製作中によく聴きます。音楽とアートは密接に関係してると思うんです。両方とも日々の生活のなかで必須なもの。それは作り手にとっても、聴き手にとっても、自己表現の最適なはけ口なのだと思います。

AL:東京をルーツに持つ二人から見て、ナイロビの音楽文化/シーンって東京と比較してどうですか?

E:ナイロビは色んなジャンルの音楽のシーンがどんどん増えてきている真っ只中って感じがしますね。
日本はあまり知られていない楽器を使った実験的な音楽なんかも色々あって、すでにかなり成熟してる印象です。そういえば、この前、子ども用の楽器を使用しているPascalsFuchigami & Funatoのライブを見て、びっくりしました。

AL:ナイロビの音楽イベントについて知りたいです。最後に行ったライブは?

E:<Blankets&Wine>というフェスです。ヘッドライナーはGoldlink。グッドフィーリングなさまざまな観衆たちとすばらしい演出でエネルギーも最高潮で、思い出に残りました。フェス・ディレクターを務めたMuthoni Drummer Queenのチームが、最高の仕事をしてくれました。

AL:最近聴いている地元の歌やアーティストも気になります。

E:Sauti Sol、Sho Madjozi、Black Motionが手がけた『Disco Matanga』です。彼らのことは大好き。南アフリカの活気と異なる言語が混じり合った曲で、最高です。

AL:おすすめプレイリストは?

E:二人で一緒に作業する時によくかける曲を集めてみました。

AL:このプレイリスト聴いてたらナイロビに行きたくなリますね。二人のお気に入りの食スポット、穴場なんかも知りたいです。

E:トップ2に入るのは、FurusatoChez Soniaです。Furusatoは行きつけのお寿司屋さん。Chez Soniaは質の良いワイン、シャルキュトリを取り揃えていて。あそこのチーズのプラッターも好きだし、店内の雰囲気も美しい。

Furusato

Ringroad Parklands, Westlands, Nairobi, Kenya

ケニアでも人気の日本食レストラン。寿司や鉄板焼きが評判。また日本食だけでなく、ビビンバ等韓国料理もメニューに並ぶ。
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Chez Sonia

68 Peponi Road, Nairobi, Kenya

有名なビンテージものから小さなブランドまで、欧州のワインを中心に取り揃えたワインバー。フレンチ・イタリアンスタイルのタパスもワインセレクションにいい味を添える。
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AL:ナイロビの、シークレットスポットは?

E:キリマニにあるアートスペースKuona Artists Collective。クリエイターやアートラバーたちにとって、“知る人ぞ知る”的なスポットです!25の多様な若い新進気鋭のビジュアルアーティストたちをフィーチャーしていて。ちなみに、パティも一員ですよ。

Kuona Artists Collective

Likoni Lane, Likoni Close, off Dennis Pritt Road, Hurlingham

1995年に創立されたアーティストのコミュニティ。ケニアの革新的なコンテンポラリーアートを促進する団体として、アーティストスタジオや図書館、展示プログラム、アーティストのワークショップ、メンターシッププログラム等を提供している。
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AL:最後に、1日だけナイロビに滞在する人に、どんなアクティビティや場所をお薦めしますか?3つ教えてください。

E:まずは、Nairobi National Park。世界で唯一、首都にありながらたくさんの動物や鳥たちが生息する保護区域なんです。街でサファリウォッチングができるなんて、誰も思いつかないでしょ!

次にお薦めするのは、Alchemist Bar。お酒をちょっと飲みたくなった時や、ローカルブランドMade in KEのショップを覗きたい時、Mama Rocksで最高のバーガーを食べたい時にふらりと寄れるクリエイティブハブといったところ。

最後に教えたいのが、Ashaki Grill。ここのニャマチョマ(バーベキューの肉)が、今まで食べたなかでも一番柔らかくて美味しい。地元のご飯処といった雰囲気も、これまたいい。

Nairobi National Park

EDUCATION CENTRE, Karen LANGATA KWS SAFARI WALK, Animal Orphanage Road, Nairobi

ナイロビのビジネス地区から遠くない場所にある国立公園。クロサイやライオン、ヒョウ、チータ、ハイエナ、バッファロー、キリン、野生の鳥といった400種以上の野生生物が生息している。
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Alchemist Bar

Parklands Rd,Westlands,Nairobi, 00525, KENYA

街の中心部にある、“クリエイティブ・ハブ”と呼ばれるイベントスペース。アートや飲食、ファッション、音楽等さまざまなシーンの起業家たちが集まるコミュニティとして知られており、バーやラウンジ、フードトラック、ナイトクラブ等が併設されている。
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Mama Rocks

The Alchemist Bar Nairobi, Kenya

アフリカのグルメバーガー店。ナイロビのストリートフードシーンを切り開いたバーガーブランドとしても知られている。
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Ashaki Grill

1,Kindaruma Road, Ngong Road, Nairobi, Kenya

「アフリカの“本物の味”」を謳うバーベキューレストラン。アウトドアのダイニング体験や、食事をしながらのライブ演奏も届けている。
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AL : いろいろ教えてもらえて嬉しいです。「ありがとう!」  ってスワヒリ語でなんて言うのですか?

Endo : Asante (アサンテ)

AL : Asante (アサンテ)

ENDO² (Endo Squared)
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Photos:Maganga Mwagogo
Words:Wanjeri Gakuru