音楽を聴いていないときでさえ、オブジェのように空間を満たしていてほしい。レコードプレーヤーには、そんな空間を彩る役割も期待したくなります。オーディオテクニカの『AT-LPA2』は、その佇まいそのものが一つの価値を持つレコードプレーヤーです。透明なアクリルが織りなすミニマルなデザインは、どんな空間にも静かに溶け込むはず。そして、そのサウンドが、リスニング空間をより特別なものへと変えていきます。目と耳で、その透明感をじっくりと感じてみてはいかがでしょうか。

空間に溶け込む、音の透明感

まず目を引くのは、静謐ささえ感じさせるその透明な佇まいです。30mm厚のアクリルで構成されたシャーシは、外観の美しさだけでなく、レコード盤に近い共振特性を持つ素材でもあります。これにより、不要な響きを抑え、音の輪郭をより明確にします。

レコードを乗せるプラッターも、20mm厚のアクリル製

その透明感は、見た目だけの話ではありません。レコードを乗せるプラッターも、20mm厚のアクリル製。その質量が不要な響きを抑え込み、レコード盤をどっしりと安定して回転させるのです。そこに、付属のMC型カートリッジ『AT-OC9XEN』が溝の情報を繊細に拾い上げ、クリアで澄み渡った音の世界が広がります。

電源とコントロール回路をターンテーブルと別体にすることで、繊細なオーディオ信号からノイズを徹底的に排除

良質なアナログ再生は、ノイズをいかに抑えるかがポイントです。AT-LPA2では、電源とコントロール回路をターンテーブルと別体にすることで、繊細なオーディオ信号からノイズを徹底的に排除しています。

さらに、安定した回転にも工夫が見られます。光学センサーがプラッターの回転速度を常に監視し、モーターを高精度に制御することで、音楽の根幹であるピッチ(音の高さ)の正確さを揺らぐことなく保ちます。

軽量で剛性の高いカーボンファイバー製トーンアームが溝を正確にトレースし、外部振動を遮断するインシュレーターが再生環境の安定性を高める。といったように、音楽が持つ本来の情報を、できる限り忠実に引き出すための工夫が至る所に盛り込まれています。

軽量で剛性の高いカーボンファイバー製トーンアームが溝を正確にトレースし、外部振動を遮断するインシュレーターが再生環境の安定性を高める

AT-LPA2は、レコードに刻まれた音をありのままに引き出せる実力を備えたレコードプレーヤーです。インテリアとしての存在感も相まって、音楽と過ごす時間と空間をより上質なものにしてくれるでしょう。

AT-LPA2は、レコードに刻まれた音をありのままに引き出せる実力を備えたレコードプレーヤー

AT-LPA2の詳細を見る

関連記事

Words: Kosuke Kusano
Photos:Soichi Ishida

SNS SHARE