スマートフォンひとつあれば、音楽や映画にドラマ、膨大なコンテンツと情報にアクセスできるようになった昨今。さまざまなフィールドでデジタル化は進むものの、写真や映像では感じられない手触りや温度を体験したり、ライブやフェスで身体で感じることの価値は決して失われることはなく、むしろ高まっている感覚すらあるだろう。
ライブ後は、お風呂に浸かって疲れた体を癒したい——「音の余韻は湯けむりの中で」は、そんな思いを持つ人たちに送る連載企画。
第3回は、趣向を変えて東京のライブハウスの前後に立ち寄りたい温泉を紹介。温泉ライターの泉よしかをガイド役に、Zepp Hanedaの近隣にある名湯をピックアップし、身も心もさらに充実させる湯けむりの世界へご案内しよう。
ライブ前後に時間を持て余しがちなZepp Haneda近隣の温泉を紹介
Zepp Hanedaはキャパシティ3,000人規模を誇る国内最大級のライブハウスのひとつ。
YOASOBIやVaundyなどの人気アーティストはもちろん、アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)、メン・アイ・トラスト(Men I Trust)、PJハーヴェイ(PJ Harvey)など海外アーティストの来日公演も多数開催され、2020年開業ながら音楽好きには馴染みのあるハコだろう。
最寄駅は京急空港線、および東京モノレールの天空橋駅。会場周辺はHANEDA INNOVATION CITYとして開発が進んでいるものの、ライブ前後の時間をどう過ごすかが悩ましく、時間を持て余したり、ライブが終わってそのまま帰路に着く人もきっと多いかもしれない。
せっかく足を運ぶのだから、ライブだけでなく楽しいことができたら……その気持ちに応えるべく、今回はZepp Hanedaでの公演前後に立ち寄ることができる温泉を温泉ライターの泉よしかが紹介する。
地下2000mからくみ上げる濃厚な強塩泉&サウナでデトックス
まずは定番の「天然温泉平和島」。
昨今はサウナ人気が高いですが、天然温泉の日帰り入浴施設とてもとても使い勝手が良い。なんといっても24時間営業、そして平和島駅からワンコインバス(100円)でアクセス楽々(終バスは平和島駅22:20発)。
温泉は地下2,000mという驚きの深さからくみ上げるナトリウム―塩化物強塩温泉。「強」の字が付く濃厚な温泉ゆえに、入れば浴後はすっきりデトックス!
お風呂に入ってリラックスした後は、岩盤浴エリアにある “ロウリュウ・サウナ Loyly” でアツアツの熱波を浴びてはいかが。
天然温泉平和島
住所:
〒143-0006 東京都大田区平和島1丁目1−1 ビッグファン平和島2F
アクセス:
・Zepp Hanedaより公共交通機関で約30分
・京急・平和島駅より徒歩約15分
※お立寄りの際は、事前に営業時間や施設の案内、アクセス情報をご確認ください
圧倒的な黒さを誇る黒湯を体験しよう
次に紹介するのは蒲田駅徒歩5分の「黒湯の温泉 ゆ〜シティー蒲田」。
蒲田周辺を中心に東京湾沿岸には真っ黒な温泉が少なくないです。その中でも圧倒的な黒さを誇る一角がこちら。さながら墨汁の中で入浴しているみたい。
ここは昔ながらの東京の銭湯ではありますが、建物はビルで昭和レトロな風情。タイルの浴槽、ビーチとヨットを描いた壁のモザイクタイル、アーチ形の鏡など思わず可愛いとつぶやいてしまいそう。泉質はつるつる美肌になれるアルカリ性のナトリウム―炭酸水素塩冷鉱泉。
湯上りは2階の “湯上がりスペース YCKホール” で一杯やるのがお約束。
黒湯の温泉 ゆ〜シティー蒲田
住所:
〒144-0052 東京都大田区蒲田1丁目26−16
アクセス:
・Zepp Hanedaより公共交通機関で約30分
・JR蒲田駅東口より徒歩約5分
※お立寄りの際は、事前に営業時間や施設の案内、アクセス情報をご確認ください
都市型リゾートの黒湯温泉もねらい目
最後は蒲田駅西口徒歩1分の「黒湯温泉スパ&ホテル和」。
入浴は70分のスピードコースと5時間のレギュラーコースがあり、気軽に温泉を楽しむにも、じっくり休憩しながら満喫するにも向いています。お湯は真っ黒な黒湯で都内では珍しい源泉掛け流し浴槽も。
源泉温度が18度と低いことから、非加熱の源泉浴槽と加温した温泉浴槽を交互浴すればリフレッシュ効果も倍増。また、別料金の貴陽石岩盤浴でじっくり汗をかいてデトックスするのも一興です。
スパ利用の基本料金にレンタルタオルや館内着も含まれているので、手ぶら訪問OK。夜間も営業しているので仮眠を取るにもいいスポットでしょう。
黒湯温泉スパ&ホテル和
住所:
〒144-0051 東京都大田区西蒲田7丁目4−12 弘城ビル 4F
アクセス:
・Zepp Hanedaより公共交通機関で約30分
・JR京浜東北線・東急線蒲田駅西口より徒歩1分
※お立寄りの際は、事前に営業時間や施設の案内、アクセス情報をご確認ください
Words & Photos:Yoshika Izumi
Edit:Shoichi Yamamoto