神楽坂エリアからもほど近い飯田橋駅から徒歩3分ほどの路面に位置するBar Meijiu。
落ち着いたカラーの外観、木製の重厚なエントランス、ウッドを基調にした薄明かりの店内に足を踏み入れるとそこはまるで外国のスピークイージー。

バーカウンターと木製のシェルフを大人一人が通れる程の壁近くに設計していることで、秘密の隠れ家に来た様なワクワク感がある。フロントのバーカウンター裏にテーブル席もあるがその空間の通路も狭く、暖色系の薄暗いライトに照らされた店内と相まってどこかミステリアスな雰囲気が漂う。
マスターの松本圭佑さんは大学卒業後神楽坂のオーセンティックバーで数年修行した後、Bar Meijiuを2010年にオープン。店名の由来は中国語で美味しいお酒という意味の美酒(Meijiu)から。

ドアの取っ手部分

父親が音響マニアだった環境で育ち、若い頃から様々なジャンルの音楽とレコードに触れてきた松本さん。
お店の音響システムとレコードは全て松本さんがセレクトしたものになっていてスピーカーにTannoyの名機バークレー、アンプにLuxman L-305, ターンテーブルがDennon DP-500 M、クリアで柔らかい音が気に入っているとのこと。

店内のスピーカーとレコード棚

壁に飾られているレコードスリーブを見るとジャズが多めの店かと思うが、ジャンルの偏見なしで音楽を楽しんできた松本さんらしく、アンビエントやバレリアリックミュージックなど静かめでも雰囲気のある音を中心にセレクションしている。音響システムの話をしている最中にSuzzane Kraftのアルバム『Talk from Home』をかけてくれたが、柔らかい音に包まれ情景が浮かんでくる様はさながら温泉にでも浸かっているかのようなほっこり感を感じた。
飯田橋という土地柄、ビジネスマンのお客様が以前は多かったのだが、SNSやメディアへの露出が増えるにつれ海外からのお客様や音好きな若い世代の顧客も増えてきたという。
自分がセレクトしたレコードをわかってくれる人々がやっと訪れてくれるようになったと笑顔の松本さん。

店内の扉

松本さんが作り出す一杯はオールドファッションやネグローニなどの海外ではクラシックと言われるカクテルはもちろんのこと、自家製のインフューズドリカーやシロップ、ガーニッシュを使い、お客様の要望に合わせ完全ビスポークで一杯一杯を提供している。
値段は一杯1500円からだが、チャージはとっていないので気軽にお店に来て欲しいとのこと。

最近はコーヒーにもハマっていて本格的にコーヒー豆や焙煎の勉強をしている松本さん、バーにはFuji Royalの焙煎機『ディスカバリー』が鎮座しており、ネルドリップで淹れた香り豊かなコーヒーも味わえる。今後は極上のコーヒーカクテルなども出していきたいとのこと。

店内にある全ての物から拘りが感じられ、統一感がありスタイリッシュなMeijiu。
至高の音とカクテルを味わっているといつの間にか時間が過ぎてしまうそんな素敵な場所だ。

ターンテーブル、アンプとレコード棚

Bar Meijiu

〒102-0071
東京都千代田区富士見2-7-2 飯田橋プラーノモールC103
営業時間
15:00 – 24:00
定休日 水曜日
電話番号 03-6272-6969

Photos & Words by Masahiro Takai