レコードショップという名のワンダーランド
第2回 〜RECOfan MAGNET by SHIBUYA109〜

日本全国に展開する、レコードショップの中では大手チェーンの印象がある「RECOfan」。 特に、関東圏に住んでいる40歳以上の男性なら、一度はお店を訪れたことがあることだろう。

中でも渋谷の「RECOfan」は、センター街を抜けた聖地、渋谷・宇田川町の「RECOfan渋谷BEAM店」のイメージが強い。 広くて大きい店内で、それこそ一日中でもレコードをDIGできる環境が本当にありがたかった。

今回は、レコード好きなら誰もが知る、渋谷BEAM店がなくなった後に、渋谷駅から直結した最高すぎる立地に出店した「RECOfan MAGNET by SHIBUYA109」に向かう。 インバウンド需要が高まる渋谷の中でも、平日からグローバルな雰囲気に包まれる賑やかなビルを登った6Fに、私たちのレコードオアシスを見つけることができる。

RECOfan MAGNET by SHIBUYA109

『RECOfanは1981年の創業以来、より多くの方がレコードと触れ合えること、そして次の世代にレコード文化を伝えていくことを目指して、オールジャンルを取り扱う大型店舗として営業をしています。

RECOfan MAGNET by SHIBUYA109は、渋谷駅から最もアクセスのいいレコードショップです。 109坪という広いフロアを活かし、CD・レコードともにオールジャンルを取り揃えています。 また、渋谷という街は音楽への造詣が深いレコードマニアや、トレンドへの感度が高い若年層の方、日本に観光にくる世界中からのお客様が集まる場所でもあります。

今後は、渋谷店の開店1周年を記念したイベントを開催するほか、フェスや来日公演、ライブ連動企画、そしてインストアライブなどいくつか温めている段階です。 こうした企画やイベント、SNSでの発信を通じて、今までご利用いただいていたお客様はもちろん、アナログに馴染みのなかった新しい世代の方々にもレコード文化を発信していく拠点にしていきたいと思います。 』とショップ店員の古屋さんは語る。

『渋谷BEAM店を知る顧客さまから”復活おめでとう”とお声をかけていただけることが多いです。 主に40代～50代の往年のレコードファンの方が多くいらっしゃいます。 また渋谷復活を皮切りに、横浜店や町田店の復活を望む声も多く寄せられています。 J-POP、ROCK、JAZZ、SOUL、R＆B、クラシックと満遍なくどのジャンルも人気があります。 』

店員さんオススメSPOT「新着盤コーナー！」

『好きなアーティスト、ジャンルのコーナーはA～Z・VA（オムニバス）まで全部攻めてほしいですが、時間が限られるようでしたら、まずは、”新着コーナー”をのぞいてみて下さい。 こちらは、名前順にはならないので、もしかしたら探しにくいと感じるかもしれませんが、各コーナーに行く前の、掘り出し物が見つかる可能性が高いと思います！』

初めての方は、少し入りにくいかもしれないレコードショップ。 だが、一足歩を進めると、そこはまさしくワンダーランドだ。 今日はどんなレコードと出会えるだろう、今日はどんなアーティストを見つけられるだろう。 小さなスペースの中に、山のように敷き詰められたレコードを、時間をかけて探す行動は、ほかにはない特別な楽しみがある。
お気に入りの1枚と出会えなくても、明日もレコードショップはそこにある。

サウンドバーガーで推しの1枚を聴く

お店に伺う際は、レコードを挟んでどこでも聴ける「サウンドバーガー」と、その相方、ワイヤレスヘッドホン『ATH-M50xBT2』を持っていく。 おすすめのレコードを「サウンドバーガー」で聴いてもらうためだ。

『お隣が麦わらストア（ワンピース公式グッズショップ）ということもあり、こちらをセレクトしました。 何度聞いても圧倒される変幻自在な歌声と、映画を観る前と後では、歌詞の意味が全く違って感じられるところが魅力的です。 』

早速サウンドバーガーで、今や国民的なメジャーアーティストとなったAdoの1枚を聴いてもらった。

固定ねじを取り外し、レコードをセット。 カバーを閉じて電源を入れてヘッドホンとペアリング。 あとは丁寧に針をレコードに落とすだけだ。 この作法がまた味わい深い。

『まず、操作しやすいなと思いましたね。 レコードを初めて触る方でも、これは簡単だから安心。 使わない時でもインテリアにもなるし、かわいいのでレコードプレーヤーが欲しいなって思ったときに手に取りやすいなと。 ソファのあるリビングで、サウンドバーガーを置いて、コーヒーをゆっくり味わうとか。 私はジャズが好きなので、ビル・エヴァンスの静かな曲でリラックスしたいです。 』
目の前にチルタイムのイメージが浮かぶ、素敵なコメントをいただけた。

レコードを聴いてもらいながらお仕事中。 広い店内に映えるDIGの姿はやはり素敵。 令和の「サウンドバーガー」は、ワイヤレスだからこういうこともできるのだ。

店頭には「サウンドバーガー」が展示されているので、気になった人は直接ショップへ足を運んでほしい。

自店以外でおすすめレコードショップは？

最後に、自分のお店以外で古屋さんおすすめのレコードショップを聞いた。

『6店舗すべて、お世話になった方や元レコファンスタッフの方が独立してスタートしたお店です。 』ということで、縁のある店舗を五十音順にてご紹介する。

『店主さんはその道のベテラン、地域に馴染んだ素敵なお店です。 売り場の雰囲気も、得意なジャンルもみんな違ってみんないい！近くにお立ち寄りの際は、是非ご覧くださいませ。 』

旭川RECOfan：北海道旭川市
「本家レコファンから「のれん分け」した、北海道のレコファン。 現レコファンスタッフは遠くてなかなか行けなくて涙を飲んでいる。 」

Bathing records ： 大分県大分市
「大分で一番おしゃれなレコードショップ。 ツウの間では「ベーレコ」で通っている。 店主の豪快な笑い声がチャームポイント。 」

東都 records & books：東京都文京区
「レコファン勤続33年、渋谷BEAM店の影の立役者でもある保木氏が店長を務める。 私のお気に入りは「僕の伯父さん」古書コーナー。 」

downtown records：東京都江東区
「映えまくるレコードショップ。 レコード一枚一枚に店主手書きの解説が付いているので、初心者でも選びやすい。 Ｘ（旧Twitter）からは息子愛が溢れ出す。 」

DARE RECORDS町田：東京都町田市
「小田急線とJRのターミナル駅町田駅でレコードのみを、オールジャンルを扱う。 地元の人から愛されるこれぞレコード店。 」

mountain records: 神奈川県秦野市
「店主の奥様が仕込んだ特製カレーがとにかくおいしいと評判のお店。 カレーが美味しすぎて、レコードを掘り忘れないようご注意を。 」

久しぶりにレコードを聴きたくなった人には少しなつかしい、これからレコードを始める人にはとても新鮮。 音楽を愛する皆さまへ、「サウンドバーガー」で広がる、なつかし新しい音の世界を是非ご体感ください。

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Words＆Edit：Yagi The Senior
Producer：Enban Sukiko
Photos：Hinano Kimoto