「真空管アンプ」は、心地良い音を奏でてくれるアンプとしてオーディオマニアの間では延髄の的になっています。しかし、一口に「真空管アンプ」と言っても、具体的にどのような素晴らしさがあるのでしょうか?またはデメリットはないのでしょうか?今回はオーディオ初心者に向けて、真空管アンプの仕組みや魅力、デメリットをわかりやすく解説します。

真空管アンプとトランジスタアンプ

まず、最初にオーディオ用のアンプについて簡単に説明します。アンプの主な役目とは、CDプレーヤー、レコードプレーヤーなどから出力された信号をコントロールし、増幅してスピーカーへ送るための装置です。通常のアンプでは音を増幅させるためのキーデバイスとして、「真空管」か「トランジスタ(半導体)」のどちらかを用いています。

つまり、前者を用いたものが真空管アンプ、後者を用いたものがトランジスタアンプと呼ばれ、大きく二種類に分かれます。この二つはそれぞれの音質の傾向の違いから、「アナログな真空管」、対して「デジタルなトランジスタ」というイメージが強く、このイメージで捉えておけばほぼ問題はないと言っていいでしょう。

この二つは、共通した特徴を持っています。もちろん、もちろんアンプのモデルによっても音質は異なってきますが、それよりも音質はそれぞれの音を増幅する仕組みによって左右されることが大きいと言えます。
この音質の大きな差や仕組みの違いによって、「真空管アンプ」と「トランジスタアンプ」の二種類に分けられるケースが多いのです。

温かみある音質を楽しめる真空管アンプ

真空管アンプ

真空管アンプの最大の魅力は、限りなくアナログチックな温かみのある音質を得られるという点です。

一方のトランジスタアンプの音質をCDに例えるなら、真空管アンプの音質はレコードと言えるでしょう。さらに、アナログレコードの再生装置にぴったりな、そのレトロな外観も魅力です。真空管アンプを使うと、懐かしくリラックスして音楽を楽しめます。使用している部品や仕組みなどによってアンプの性能そのものを考えると、「高音質」という点ではトランジスタアンプに軍配があがるかもしれません。しかし、真空管アンプには、このような情緒的な魅力があり、それがマニアの心を捉えて離しません。

また、真空管アンプは真空管だけを取り替えることで音質を変化させることができ、自分好みのセットアップが楽しめるのも魅力です。

短い寿命と定期的なメンテナンスがネックか

しかし、真空管アンプにはもちろんデメリットもあります。まずは真空管に寿命がある点です。真空管は一般的には5,000時間が寿命とされており、さらに定期的なメンテナンスも必要になります。

これに対し、トランジスタはカタログスペックのうえでは寿命がないとされています。このため、半永久的に使い続けられるとされています。もちろん、トランジスタも故障しないわけではありません。しかし、総体的に真空管と比較すると長持ちする傾向にあります。

真空管ごとの音の違いを楽しむ

真空管

前述したように、真空管アンプの音質は、使用する真空管によって変わります。加えて、モデルや製造したメーカーによっても音質は変わってきます。

トランジスタアンプと異なるのは、この点です。真空管を取り替えることで、自分好みを音を模索したり、さまざまな工夫を凝らすことができます。真空管ごとの音の違いを楽しみ、世界に一つだけのシステムを構築することも可能なのです。

真空管アンプでオーディオライフを充実したものに

以上、ざっと真空管アンプの魅力やデメリットをみてきました。音の好みは人それぞれです。しかし、もしあなたがアナログテイストの温かい音が好みならば、真空管アンプを試してみてもよいでしょう。オーディオライフがより深く、充実したものになるのは請け合いです。

Words: neu inc.