電化製品の配線方法は家具の配置やお部屋のデコレーションを考えるときにおいて工夫が必要となってくるポイントですが、ワイヤレス機器を使用すればその設置に制限がなくなり、自由度がアップします。 「音だけじゃなく、インテリアとしてもレコードを楽しみたい!」「レコードプレーヤーのある生活を送りたい!」という人におすすめなのが、Bluetooth機能搭載のプレーヤーなのです。
今回はコンテンポラリーで色彩豊かなクラフト作品をオーガナイズするキュレーション/ディストリビューションチーム、KIANの石川佳世子さんがオーディオテクニカの新作レコードプレーヤー『AT-LP70XBT』を使って棚の上を飾る様子を観察しました。 作品が変わるとどのように雰囲気が変わるのか、一緒に見ていきましょう。
まずはレコードプレーヤーの周り、何を置こう?
レコードを聴く前後で必ず行って欲しいのが、クリーニングです。 ホコリをはらってレコード盤や針先をきれいに保つことで、ダメージやノイズの発生を防ぐことができます。
そのためにクリーニングアイテムはレコードの近くに置いておきたいところ。 オーディオテクニカのレコードクリーナーにはいくつか種類がありますが、今回選んだのは湿式/乾式レコードクリーナーの『AT6012a』と同梱のクリーナー液『AT634a』です。
「おもちゃみたいで可愛い」と、石川さんはそのまま棚の上に配置。
一緒に飾ったのはガラス作家・熊谷駿の作品(写真左上)、代官山のSUPER PERSONAL SHOWCASEで見つけたビンテージのタイマー(写真中央)、Amazonで購入したという木製のツボ押し(写真左下)です。
落ち着いたブラックを基調としたAT-LP70XBTに対して、プラスチック製の白いクリーナーは一見浮いてしまいそうにも見えますが、オブジェのひとつとして捉え、ビンテージのタイマーやガラスの像など近い質感・素材感の小物を配することで、インテリアとして馴染ませることができました。
アートブックを開いて飾ると
アートブックはステファン・マルクス(Stefan Marx)の作品集。 蛇腹折りの本なのでスタンドなどを使用せずに自立させることができます。 音楽にあわせて好きなページを開くのも楽しそう。
棚の2段目の左側には写真集、その上には髙橋漠のガラス作品が置かれました。 写真集は上から木工作家の辻有希、写真家の山本昌男、そしてインテリアの作品集とのこと。 その右隣に並ぶのが、金のだるまとアンティークオブジェたち。 その下の段に収まっているのはブラジルの工芸品のアルマジロの置物と、スクエアのバスケットです。
機種やメーカーによって異なりますが(サウンドバーガーのような特殊なデザインを除いて)だいたいのレコードプレーヤーの幅と奥行きは35〜40cmくらい、ダストカバーを含めると高さはおよそ15〜20cmくらいの大きさが一般的です。 存在感のあるプレーヤーに対してアートブックとバスケットをそれぞれの段で左右交互に置くことで余白が埋まり、バランスをとっています。
棚の最下段にはフラップ扉がついているので、レコードのコレクションや身の回り品などボリュームのあるものを扉の後ろに収納することが可能。 視覚的にスッキリしています。
作品をそのまま置いて飾ると
次に飾ったのは、カリフォルニアを拠点に活動する日本人アーティスト・HORITOMOのプリント作品「MONMON CATS」。 先ほどの横に広がるアートブックとは異なり、A4判よりひとまわり大きいくらいの一枚絵は作品の左右に余白が生まれ、印象が変わります。
ここで愛猫のやえちゃんが登場。
部屋の中を舞うホコリや動物の毛は、レコード盤や針先へのダメージやノイズの原因になります。 また、カートリッジのプロテクターの誤飲など、予期せぬ原因で大切なペットに何かが起きては大変です。 使用しないときはできるだけダストカバーは閉じておきましょう。
ついでに余談ですが、動物も音楽を楽しんでいるという説もあるそうですよ。
ポストカードと花瓶を飾ると
続いて飾ったのはアムステルダムを拠点に活動するドイツ人アーティスト・B.D.グラフト(B.D. Graft)のイラストが描かれたポストカード。 先の2つのアートに比べると小ぶりな作品なので、その横にバレリア・バッシ(Valeria Vasi)のグリーンの花瓶を置きました。 写真では隠れてしまっていますがU字型をしているので、単体では花瓶としてはもちろん、オブジェとしてもポイントになるインテリアです。 アジサイやヒマワリ、ケイトウのようなボリュームがあるお花を飾っても素敵そう。
もう少し大きめの作品を飾ると
こちらは日本人アーティスト・Donchi(ドンチ)の型染め作品。 「型染め」とは和紙に型紙や糊を使って彩色していく、日本の伝統的な染色技法のひとつのこと。 その技術や和紙の質感を活かしつつ、ポップでカラフルな色彩が作品の特徴です。
B.D.グラフトのポストカードと比べると、どちらも色彩が鮮やかなフラワーモチーフの作品なのでトーンや雰囲気は近いですが、大きさで印象がかなり変わりました。
さらに大きな作品を飾ると
東京を拠点に活動するアーティスト・オーガミノリの作品。 大きく描かれたペイントはお部屋のイメージの決め手になりますが、こちらはモノトーンで出過ぎない印象です。
Bluetooth対応のAT-LP70XBTはアンプやスピーカーをケーブルで繋げる必要がないので、棚やプレーヤーの周りの余白を活かすことができて、大きいサイズのアートも近くに飾りやすいと思います。 スピーカーを好きな場所に設置することができるのも魅力。 高い位置に設置して音楽を浴びるように聴く、別の部屋で聴く、イヤホンやヘッドホンで聴くなど、いろいろな楽しみ方ができます。
作品を壁に飾ると
最後に飾ったのは、福岡を拠点に活動するアーティスト・佐々木亮平のシルクスクリーン作品。 額装はせずに目玉クリップでとめて、つまみ部分の穴から壁に画鋲を刺して飾っています。 作品が空中に浮いているので、これまでとは一味違った雰囲気に。 この方法なら、季節や作品との出会いごとに気軽にお部屋の雰囲気を変えることができますね。
アートは空間のアクセントとなり、部屋に華やかさをプラスしてくれます。 音楽を楽しむことはもちろんですが、レコードプレーヤーをインテリアとしてお気に入りの作品と一緒に飾ることやそれで変化するお部屋の雰囲気も、ぜひ楽しんでいただきたいです。
石川佳世子
インテリアとアートの中間に位置するような工芸作品を取り扱うギャラリー〈KIAN〉キュレーターとして、海外アーティストの作品を中心にエキシビションを開催する他、それらの国内総代理店としての卸業務、店舗及びオンラインストアの運営、新規施設におけるアートピースのコーディネートなどを手掛ける。 2024年4月には “かわいい!” からはじまる、サステナブルなテーブルウェアブランド〈MARINA & MITSUKO(マリナとミツコ)〉を金 祥艾とともに立ち上げた。
AT-LP70XBT
ターンテーブル本体の仕様
駆動モーター:DCモーター
駆動方式:ベルトドライブ方式
回転数:33-1/3または45回転/分
S/N比: > 55dB
出力レベルPHONO:標準値4.0mV(1kHz、5cm/秒)
出力レベルLINE:標準値252mV(1kHz、5cm/秒)
PHONOプリアンプゲイン:標準値36dB、イコライザー特性RIAA
トーンアームの仕様
有効長:220mm
オーバーハング:18mm
最大トラッキングエラー角:2.0°未満
カートリッジの仕様
カートリッジ型式:AT-VM95C*
カートリッジ種別:VM型ステレオカートリッジ
推奨負荷インピーダンス:47kΩ
出力電圧:4.0mV(1kHz、5cm/秒)
スタイラス:0.6mil 接合丸針
* カートリッジは取り外しができません。
通信仕様
通信方式:Bluetooth標準規格Ver.5.2準拠
対応Bluetoothプロファイル:A2DP
対応コーデック:Qualcomm® aptX™ Adaptive audio、
Qualcomm® aptX™ audio、SBC
Words & photos:May Mochizuki