新生活準備の作業用に。身支度をしながら心が弾むBGM

癒しとウェルネスをテーマに、Face Recordsからのおすすめレコードを毎月お届け。 3月のテーマは「新生活準備の作業用に。 身支度をしながら心が弾むBGM」。 新しい生活が始まる春、新しい環境に踏み出す勇気を与えてくれそうなおすすめの音楽を、Face Recordsの藍隆幸さんがご紹介します。

新しい生活への心の準備

新しい生活を始める前に目的や目標を明確にしたり、事前に知識を深めておくことだったり、様々な準備があると思いますが、心の準備となるとどうでしょうか。
恐らくですが、「過去を振り返らず今の自分に自己肯定感を持ってポジティブな考え方を心掛ける。 」といったところでしょうか。
と言われても、どうすればそんな心の準備が出来るのかは正直私にも分かりません。
そこで、音楽が少しでもその助けになればと思い、「自分って意外とイケてるかも」と錯覚させてくれそうな(笑)カッコイイ音楽を選んでみました。

私たちフェイスレコードは今年で設立30周年を迎えますが、このあたりの音楽はこれまで沢山取り扱ってきた得意分野です。
その中でも特にレコードで最高の音体験が出来る、自信を持っておすすめできる楽曲たちをご紹介します。

TOWN / 吉田美奈子

まずは情熱的で洗練されたアーバンサウンドでポジティブな気分に浸ります。
新しい生活のスタートで住む街も変わる方もいらっしゃると思います。 先日、お客様と交わした会話で「都会って冷たい人が多いってよく聞くけど、ぜんぜんそんなこと無いね。 親切で温かい人ばかりで生活が楽しい。 」という声を聞きました。

1981年にリリースされた吉田美奈子の名曲「TOWN」は緊張感のあるサウンドながら、そんな都会の温かさを感じさせます。 このレコードは1982年の発売当初、渋谷の輸入盤レコード店で買ったUSプレス盤です。

Malibu / Full Moon

フル・ムーン（Full Moon）は、バジー・フェイトン（Buzzy Feiten）、ニール・ラーセン（Neil Larsen）が中心となって結成されたバンド。 「Malibu」は1972年にリリースされた1stアルバム『Full Moon』に収録されています。

ジャズ、ファンク、ロック、AORのテイストのあるこのグルーヴ感は今でも色褪せないどころか、1972年という年にこれほどのカッコイイ音楽が先駆け的にリリースされていたことに驚きます。 日本のシティポップシーンにも多大な影響を与えた、今風「カッコイイ音楽」のルーツ的な傑作ですね。

Expansions / Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes

アメリカのキーボードプレイヤー、ロニー・リストン・スミス（Lonnie Liston Smith）のグループ、ロニー・リストン・スミス & ザ・コズミック・エコーズ（Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes）が1975年にリリースした彼らの代表作。 レア・グルーヴシーンで長く人気があります。

セシル・マクビー（Cecil McBee）のベースと、ローレンス・キリアン（Lawrence Killian）のコンガが織りなすグルーヴがカッコイイ。

Find A Way / Secret Night Gang

シークレット・ナイト・ギャング（Secret Night Gang）はUKのソウル・ファンク・バンドで、DJでありレコードレーベルのオーナーでもあるジャイルス・ピーターソン（Gilles Peterson）によって見出されました。 クルアンビン（Khruangbin）のツアーサポートも行っています。

「Find A Way」は2023年にリリースされた2枚目のアルバム『Belongs On A Place Called Earth』に収められています。 ジャズの影響も感じられるソウル・ファンクはいろんなジャンルのカッコイイ要素を美味しいとこ取りしたような高揚感が嬉しいです。

Say Something / Emma-Jean Thackray

エマ=ジーン・サックレイ（Emma-Jean Thackray）はシークレット・ナイト・ギャングと同じくUKのクラブシーンで活躍するジャズ・フュージョンアーティストです。 と言ってもやはり特定のジャンルには分類できない、強いて言えばジャズ・フュージョン・ファンクといった感じでしょうか。 トランペット、フリューゲルホーン、トロンボーンといった管楽器中心ですが、キーボード、ベース、ドラムまでもを操るマルチプレイヤーです。
UKのクラブシーンはジャンルを越えたカッコイイ音楽を求めるムーブメントに沸いています。

Its You / Joyce Cooling

最後にとっておきをもう一曲。 カッコイイ音楽好きの界隈では既に定番ですが、まだ聞いたことが無いという人には強くお勧めします。

ジョイス・クーリング（Joyce Cooling）はアメリカのスムースジャズを得意とするギタリストです。 ブラジリアン・フュージョンテイストの爽やかなグルーヴが魅力な「Its You」は、春から夏を迎えるこれからの季節にぴったりです。
新生活準備、身支度をする手をちょっと止めて窓を開けてみたら、清涼感のある風が気分を整えてくれるかもしれません。

新生活準備は自分へのエール

新しい生活の準備は、まず自分自身へのエールから始まります。 過去は振り返らず今の自分を肯定して、ポジティブな未来に向けて前向きなマインド作りをしましょう。 根拠のないポジティブマインドで十分です。 その手助けになりそうなカッコイイ音楽と共に、新たな一歩を踏み出しましょう。

Face Recordsは、新生活の一歩を踏み出すための後押しを音楽と共にサポートします。

Words: Takayuki Ai