Audio-Technica New “SOUND BURGER” Impression

オーディオテクニカがちょうど40年前に発売した、異端のプロダクト「サウンドバーガー」がこの度、新たな機能を備えて復活する。DJとして活動し、レコードを愛する 水原佑果さん(写真左)と 垣畑真由さん(右)が実際に使ってその印象と魅力をお届け。

サウンドバーガー
1982年にオーディオテクニカが発売したポータブルレコードプレーヤーの「サウンドバーガー」。写真の前モデルはイヤフォン接続ができる、当時としては斬新なプロダクトだった!発売から40周年を迎える今年、Bluetooth機能を新たに搭載して数量限定でリバイバル販売される。

レコードを挟めるから、“バーガー”。

サウンドバーガー

水原:まず、レトロなデザインが可愛いですね。それに「サウンドバーガー」っていう名前がキャッチーで良い!レコードを挟めるから“バーガー”なんですね。80年代のモデルはイヤフォンを接続して使っていたみたいだけど、新型はBluetoothにペアリングできるようになっているし、より気軽に音楽を楽しめそう。

垣畑:旅行の時のお供にしたいかも。あと、例えば試聴環境がなかったりするレコード屋さんとかに持って行って、自分のイヤフォンと同期させればそのまま試聴できちゃう。周りを気にせず自分の好きな音量で色んなレコードに手を延ばすこともできますよね。各レコード屋さんに何台か置いておいて欲しいくらいです。

水原:ワイヤレスだから動きに制限が出ないし、アウトドアにも使えますよね。海に持って行っても映えそう。地方でDJイベントがある時に持って行ったら、その土地のレコード屋で掘って、夜にそのままホテルで聴くこともできる。なんか、ちょっとエモいですね(笑)。

垣畑:サウンドバーガー自体が思ったより軽くてハンディーだから、持ち運びが自由になりますよね。家の中でもリビングとかに限定されないから、場所を選ばずに楽しめそう。寝室で聴くレコードもなかなかムーディーですよね!サイドテーブルに置けるサイズ感も良い。

水原:7インチだったらギリギリ飛行機でも聴けそうじゃない?

垣畑:さすがに揺れちゃう!(笑) ちょっとヘッドフォンで聴いてみても良いですか?

サウンドバーガー
レコードの音源を即座に楽しめるのが魅力。水原さんが選んだレコードはラー・バンドの「Clouds Across the Moon(Super Nova MIX)」。「サウンドバーガー」があれば、レコード屋ですぐに試聴できる(かもしれない)。

〜ワイヤレスヘッドフォン装着〜

水原:音質が不思議な感じ!味わったことがない感覚です。 MP3をワイヤレスで聴くと、電波がピーって入る感じが時々あったのですが、それが全くなくて。

サウンドバーガー
「ワイヤレスなのに、レコード音質で音楽を聴ける感覚がすごく新鮮です。」

垣畑:音に深みがあるというか、しっかりとレコードの音がしますね。

水原:レコードの音がするのにワイヤレスって不思議な感覚だね。

垣畑:「サウンドバーガー」はビギナーでも手に取りやすいですよね。レコードを買ってみたいけれども、どう手を付けたら良いのか分からない人も少なくないと思うんですよ。そういう機材を揃えるハードルを「サウンドバーガー」は下げてくれる。しかもレコードの深みを体験できるので、ただ可愛いだけのアイテムじゃないなって。
私がレコードで音楽を聴き始めた時、色々と自分なりに揃えてはみたけど、音のクオリティーがあまり良くなくて残念だったのを覚えているので。これは音のバランスも良いし、あの時に欲しかったなって(笑)。

水原:すごく分かる。可愛い「サウンドバーガー」があったら良かったね。

垣畑:近年、レコード自体のリバイバルが起きていますが、60周年を迎えたオーディオテクニカさんが「サウンドバーガー」を再販するのって、そのリバイバルを後押しする試みだと思うんですよね。若い世代はBluetoothに馴染みがありますし、これでより簡単にレコードにアクセスできるようになりますね。

サウンドバーガー
「軽くてポータビリティにも長けているし、音楽を聴く場所を選びませんね。」

レコードと一緒に「サウンドバーガー」を買えば、今日からでもレコード生活ができる。

水原:私たちの世代って、MDとかiPodで音楽を聴きはじめた世代なので、レコードって全く新しいフィーリングだったんです。だから最初に手にした時は、未知過ぎて(笑)。教科書を持っているような感覚だったし、フィジカルにはこんなに情報が溢れているんだという発見があって。

サウンドバーガー

垣畑:レコードは、ジャケットの裏やライナーに書いてあるクレジットを眺めるだけで新しい発見がたくさんあるんです。ネットでいくらでも調べられるとはいえ、アナログは実際のモノを手にして楽しむことができるのも魅力だと思っています。
ストリーミングって、聴きたい音楽にすぐにアクセスできるのは本当に便利でありがたいんですけど、自分で手に入れたレコードを聴くという体験はより音楽と向き合えると思う。アナログならではの温かみも感じ取ることができるというか。

水原:だから「サウンドバーガー」はレコードの入り口としてはすごく良いアイテムですよね。きっと人それぞれの楽しみ方があるから、これから街で見かけることがあるかもしれないし、どんな使い方をしているかを見られたら面白いだろうなって。学校でレコードの掘り方って授業があっても面白いですし(笑)。

垣畑:私は高校生の時からDISK UNIONで働いていて、当時のレコード屋さんの客層って年齢が上の方がたくさんいるイメージだったんですけど、最近は若いお客さんも増えてきていると感じています。レコードと一緒に「サウンドバーガー」を手に入れたら、今日からでもレコードライフが楽しめますね。

水原:真由ちゃんは、どうして最初にDISK UNIONで働くことになったの?

垣畑:高校生の時に、大学生と同じように授業を組めるちょっと特殊なプログラムがあって。授業が無いときは時間をつくることもできたし、ある程度自由にバイトできるようになったので、よく通っていたDISK UNIONで働きたいって思って頼みに行ったのがきっかけ。なんでもいいからバイトしたいというよりは、とにかくいろんなジャンルを知りたかったのと、レコードにたくさん触れたくてレコード屋さんで修行してみたいという想いが強かった!

水原:すごーい。私も入りたかったな(笑)。

垣畑:はじめてのバイトだったし、先輩方には色んなことを教えてもらいました。私を雇ってくれた店長さんのところで今も働いてます。そういえばこの間、渋谷で『アザー・ミュージック*』という映画を観てきたんですけど、自分もレコ屋で働いてることもあって感情移入しまくりでした(笑)。ニューヨークにあったレコード屋のドキュメンタリー映画なんですけど、本当に最高でした。

水原:こうやって改めて話してみると、レコードって全体的に作品としての完成度が高いし、それだけ情報量も多いからか、自然と話が盛り上がる。音楽を身近に感じさせてくれるだけでなく、音楽をより楽しむことのできるアイテムなんですよね。

*アザー・ミュージック
コアでエキセントリックな音楽や新ジャンルを積極的に取り扱う、ニューヨークにあった伝説のレコードショップ。タワーレコードの向かいに店舗を構えたことから、“その他の音楽”という意味で「OTHER MUSIC」。NY同時多発テロ、iTunes誕生、タワーレコード倒産と、時代のうねりに翻弄されつつも2000年代のインディーミュージックシーンをイースト・ヴィレッジから世界中に発信していたが、2016年にファンに惜しまれながらも閉店した。そんな伝説的ショップの、愉快で一癖も二癖もあるスタッフたちが彼らの声でリスナーと語らい、そしてアーティストとリスナーを繋ぐ「コミュニケーションの場」としてシーンを温めていく過程を記録したドキュメンタリー映画。

Profile

水原佑果 Yuka Mizuhara

ファッションモデル/タレント/DJ

1994年、兵庫県生まれ。2015年秋にはモデルとしてパリコレクションに出演した他、TOWA TEIとの出会いから、近年はDJ活動を積極的に行っている。

垣畑真由 Mayu Kakihata

レコード店スタッフ/編集/DJ

1995年、東京都生まれ。中学生の頃にレコードと出会い、60〜70年代の音楽を聴き始める。レコード店での勤務やDJ、レーベルでの仕事を通し、音楽に携わる日々を送っている。

AT-SB2022「SOUND BURGER」

WIRELESS STEREO DISC PLAYER SYSTEM

希望小売価格:¥23,800(税込)
発売日:2022年11月7日
限定販売台数:7,000台※Audio-Technicaオンラインストア限定販売

レコードを挟んでどこでも聴けるポータブル仕様。発売当初のものをほぼ完全に踏襲したレトロなデザインが主な特徴。乾電池不要の繰り返し使えるUSB充電式で、連続再生時間は最大約12時間。Bluetooth TX内蔵でワイヤレスリスニングに対応している。゙高成型精度のアルミダイキャスト製プラッターを採用した、コンパクトかつ本格的な最新版「サウンドバーガー」。

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Words: Jun Kuramoto(WATARIGARASU)
Photos: Hinano Kimoto