アナログ盤はメディアではない、人生そのものである!

本書の巻頭に置かれたこの文章が、そこまでまるっきりイカれている訳でもない、その説明とでもいったほうがよさそうな序文的何か(ジェフ・トゥイーデイ)

“嘘のような本当にあった話”、“『ハイフィデリティ』の実話版”と評されたベストセラー『レコードは死なず』が発売された。序文はウィルコのジェフ・トゥイーデイ、装画はよしもとよしともが担当している。

本書は、「エスクワイア」「ローリング・ストーン」「ニューヨーク・タイムス」「ビルボード」などに寄稿する売れっ子ライターのエリック・スピッツネイゲルが自身の“常軌を逸した究極のレコード探し”を綴った実話本だ。翻訳は、昨年末に発売され話題となったXXXTentacionの評伝『ぜんぶ間違ってやれ』(ジャレット・コベック著)でも知られる浅倉卓弥が手掛けている。

四十五才の子持ち男の “僕” は、大手の雑誌で著名人とのインタビューなどもこなしているが、収入はまるっきり不安定。
毎月綱渡りしながら妻と交代で愛息の面倒をみる日々だ。
何を失くし、どうやってここまできたのかもすでによくわからなくなっている。
ところが取材相手のクエストラヴから、今まで買ったレコード盤は全部大事に持っていると聞かされて、いてもたってもたまらなくなった。
そんなもの、自分はとっくに売り払ってしまっていたからだ。
そしてカーラジオから流れ出した、その日二度目の「リヴィング・オン・ア・プレイヤー」が心のどこかに火をつけた。取り戻さなくちゃ。
何を? 何のために?
それすらも定かではないままに、僕のいわば “アナログ盤クエスト” が幕を開けた──。

本文中には、ハスカー・デュ、リプレイスメンツ、キッス、ニューヨーク・ドールズ、シュガーヒル・ギャング、ピクシーズ、ローリング・ストーンズ、ボン・ジョヴィ、ザ・キュアー、ジョイ・ディヴィジョン、ビリー・ジョエル、イギー・ポップ、ザ・スミス、デッド・ケネディーズ、ニルヴァーナ、ソニック・ユース、アニマル・コレクティヴにディアハンターまで、膨大なロック系アーティストの名が連なる。ストーリーはさることながら、レコード探しの道中で登場する名盤の数々にも注目。ぜひ読んでみてほしい。

RELEASE INFORMATION

『レコードは死なず』


著者:エリック・スピッツネイゲル
訳者:浅倉卓弥
発行:株式会社Pヴァイン
発売:日販アイ・ピー・エス株式会社
発売日:2021.01.29
定価:本体3,150円+税
ISBN:978-4-909483-84-3
【目次】
本書の巻頭に置かれたこの文章が、そこまでまるっきりイカれている訳でもない、その説明とでもいったほうがよさそうな序文的何か(ジェフ・トゥイーデイ)
はじめに
One
Two
Three
Four
Five
Six
Seven
Eight
Nine
Ten
Eleven
Twelve
謝辞
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