レコードにつきまといがちな“ノイズ”の問題。「プチ、プチ」「パチッ」という不必要な音が混じっていると、せっかくの音楽も台無しになってしまいます。

そこで今回は、レコードを聴くときにノイズが発生する原因や、それらを除去する方法をご紹介します。

ノイズの主な原因はレコードに付着した不純物

レコードは溝(音溝)に針を沿わせて音楽を再生する、極めてアナログな媒体です。そのため、CDなどのデジタル媒体と比較してノイズが発生しやすい傾向にあります。

ノイズの原因になるのは主に、レコードについたキズや盤面に付着したチリやホコリです。その他に、カビや指紋(手の皮脂)もノイズを発生させます。

ノイズにお悩みの際は、レコードのキズは修正できませんが、「レコードが汚れていないかどうか」を疑ってみるとよいでしょう。レコードの盤面ではなく、溝(音溝)に溜まった汚れがノイズの原因になっているケースもあります。

静電気もノイズのもとになる

物理的な不純物以外に、静電気もノイズの原因になります。カートリッジでレコードの情報を読み取るときに、静電気が影響を与えてしまうのです。

加えて、レコードに帯びた静電気は、チリやホコリなどを引き寄せてしまいます。

レコードプレーヤーに原因がある場合も

どのレコードを聴いてもノイズが発生してしまう場合には、プレーヤー側に原因があるかもしれません。

代表的なのは、カートリッジのスタイラス(針先)に付いた不純物です。また、カートリッジとトーンアームの間にある「ヘッドシェル」や、ヘッドシェルの接点が汚れている場合もあります。

レコードのノイズを除去する4つの方法

ノイズの原因をひと通り確認したところで、ここからはノイズを除去する方法を見ていきましょう。方法は大きく分けて4つです。

レコードをクリーニングする

まずはじめに試したいのが、レコードのクリーニングです。専用のクリーナーやクロスを使って、付着した不純物を取り除きましょう。

レコードをクリーニングする

クリーニングの基礎知識や方法は以下の記事で詳しく紹介しています。
大切なレコードをいつまでも高音質で。レコードクリーニングの重要性や基礎知識を解説

レコードの静電気を除去する

クリーニングでもノイズが改善されない場合は、静電気が悪さをしているかもしれません。静電気を除去するときには、レコード用の除電ブラシやシート、静電気防止スプレーを使うのがおすすめです。

レコードプレーヤーのメンテナンスをする

先ほど簡単にお話したとおり、レコードプレーヤーをメンテナンスするときに注目したいのは、「スタイラス」「ヘッドシェルとその接点」です。

スタイラスは専用のクリーナーを、ヘッドシェルとその接点にはクロスや綿棒を使って、丁寧に汚れを除去しておきましょう。

あわせて、プレーヤー本体やカバー(ダストカバー)のほか、ターンテーブルマットもクロスなどで拭っておきたいところです。特にターンテーブルマットの汚れは、そのままレコードの汚れにもつながります。日頃から、定期的なメンテナンスを心がけるとよいでしょう。

レコードの保管方法を見直す

こちらは、どちらかと言えばノイズを予防するための方法です。

レコードの保管方法を見直す

高温、多湿、直射日光が当たる……といった場所にレコードを保管している方は、保管方法を見直したいところ。カビなどの不純物によってノイズが発生するのはもちろん、レコードそのものが変形・劣化してしまう恐れもあります。

また、繰り返し静電気に悩まされる場合には、レコードを入れる内袋を交換するのも有効です。内袋にはポリ製と紙製の2種類があり、ポリ製は安価な一方で静電気が発生しやすいデメリットを抱えています。内袋は単体でも売られているため、紙製のものをまとめて購入するとよいかもしれません。

ノイズを除去して快適な音楽ライフを!

ノイズの原因はさまざまであり、対処法も原因ごとに違います。しかし、簡単なクリーニングやメンテナンスなど、実践するハードルはどれもそこまで高くありません。

「レコードがダメになってしまったのかも?」とあきらめる前に、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。