レコード人気の再燃により、「レコードを買ってみたけれど、プレーヤーはどう選べばいいの?」「使い方や調整方法がよくわからない」と感じる初心者も増えています。

本記事では、初心者にもおすすめのBluetooth対応レコードプレーヤーをはじめ、各部位の基礎知識や、音質を左右するセッティングのポイントまで、これまでにAlways Listeningでご紹介してきた記事をまとめました。さらに詳しく知りたい方は、各項目の詳細記事もあわせてチェックしてみてください。

目次
初心者にもおすすめなAudio-Technica レコードプレーヤーの特徴
レコードプレーヤーによって音が違うのはなぜ?
レコードプレーヤーのキーパーツ、『トーンアーム』とは?
カートリッジ交換で音の違いを楽しもう
音を奏でるダイヤモンド。カートリッジの針先、スタイラスの違い
知っていそうで意外に知らない『スペック』の読み方

初心者にもおすすめなAudio-Technica レコードプレーヤーの特徴

初心者にもおすすめなAudio-Technica レコードプレーヤーの特徴

レコードでの楽曲リリースが増える中、「プレーヤーはまだ持っていないけれど、レコードを買い始めた」「これからアナログ再生を楽しみたい」という初心者にも扱いやすいモデルが登場しています。

たとえば『AT-LP60XBT』は、軽量で操作もシンプル。Bluetooth対応で、手持ちのワイヤレスイヤホンやスピーカーとすぐにつないで再生できます。『AT-LP3XBT』はカートリッジの交換に対応しており、音の変化を楽しみたい方にぴったり。さらに音質にこだわりたいなら、共振を抑える木製キャビネットやカーボンアームを採用した『AT-LPW50BT』がおすすめです。そして、DJスタイルのデザインやレコード音源のデジタルデータ変換にも対応など、多機能モデルを探しているなら『AT-LP120XBT-USB』が最適。ライフスタイルや目的に合わせて、自分に合った1台を選んでみてください。

レコードプレーヤーによって音が違うのはなぜ?

レコードプレーヤーによって音が違うのはなぜ?

見た目や価格だけでなく、実は「音」もモデルごとに異なります。その違いに大きく関わるのが、回転軸の精度やトーンアームの動き、キャビネットやプラッターの制振構造です。近年では、手頃な価格帯のエントリーモデルでも高い加工精度や安定した動作を実現しており、十分にクオリティの高い再生が可能です。

一方で、高価格帯のモデルでは制振性に優れた素材や構造を採用し、ノイズの抑制や音の明瞭度、空間表現においてさらなるクオリティを追求しています。たとえばプラッターに重い金属素材や防振材を用いることで、レコード特有のノイズが目立ちにくくなり、音楽の細部がよりクリアに感じられるようになります。こうした構造の違いが、音の聴こえ方に大きな影響を与えているのです。

レコードプレーヤーのキーパーツ、『トーンアーム』とは?

レコードプレーヤーのキーパーツ、『トーンアーム』とは?

レコードプレーヤーの中でも、トーンアームは音質に大きく影響を与える重要なパーツです。針先がレコードの音溝を安定してトレースできるように支える役割を担っており、その構造が不十分だとノイズや音の揺れの原因になります。トーンアームの形状にはストレート型、S字型、J字型があり、機種によって採用されているタイプが異なります。

また、トーンアームの先端にある「ヘッドシェル」が取り外せる構造であれば、カートリッジの交換も容易になり、音の変化を楽しむことができます。特にユニバーサル型のトーンアームでは、市販のヘッドシェルやリード線と組み合わせることで、自分好みの音を追求することも可能です。カートリッジやヘッドシェルを変えることで、再生音は驚くほど変化します。調整や交換を重ねながら、自分だけの理想の音を見つけていくことができるのも、アナログの奥深い魅力でもあります。

カートリッジ交換で音の違いを楽しもう

カートリッジ交換で音の違いを楽しもう

レコードプレーヤーによっては、カートリッジを交換して音の違いを楽しむことができます。カートリッジはレコードの溝から音を拾い、電気信号に変えるパーツ。交換することで、同じレコードでもまるで別の音楽のように聴こえることがあります。

主なタイプは出力が高く力強い音が特長の「MM型」、高音の繊細さに優れる「MC型」、オーディオテクニカが独自に開発した「VM型」の3種類があります。

なお、針先は長く使うことで摩耗するため、300〜500時間を目安に交換すると安心です。カートリッジを変えることで、レコードの楽しみ方がさらに広がります。

音を奏でるダイヤモンド。カートリッジの針先、スタイラスの違い

音を奏でるダイヤモンド。カートリッジの針先、スタイラスの違い

レコードの音を拾い上げる最前線にあるのが、カートリッジの針先「スタイラス」です。その形状によって、同じレコードでも再生される音の印象は大きく変わります。スタイラスの基本は「丸針」で、温かみのある素朴な音が特徴。より繊細な音を求めるなら、接触面が広く高音域に強い「楕円針」や、さらに精度を高めた「超楕円針」もあります。

「ラインコンタクト針」は、音溝に沿って線状に接する構造により、音の情報を高い解像度で再生します。オーディオテクニカでは「マイクロリニア針」「シバタ針」「特殊ラインコンタクト針」など複数の形状が採用され、それぞれが個性ある音を生み出しています。

高音の伸び、低域の厚み、情報量の多さなど、針先の選択によってレコードの楽しみ方はさらに深く広がっていきます。自分の音楽スタイルに合ったスタイラスを見つけることで、レコード再生の奥深さを実感できるはずです。

レコードプレーヤーの実力を引き出す、セッティングの基本とは?

レコードプレーヤーの実力を引き出す、セッティングの基本とは?

レコードプレーヤーは、設置方法や調整によって音質が大きく変化する繊細なオーディオ機器です。まず重要なのは、しっかりとした共振しにくい台に水平に設置すること。水平が狂うとノイズや音の揺れの原因になるため、水準器などを使って正しく調整しましょう。

プラッターやカートリッジを設置する際は、丁寧な取り扱いが必要です。リード線の接続や針先の位置合わせなど、基本的な作業を正しく行うことが、クリアな再生音への第一歩です。ゼロバランスと針圧の調整も重要で、気温や使用環境によって微調整することで音の表情も変化します。

さらに、トーンアームの高さを調整できる機種では、音のバランスもチューニング可能。自分好みのサウンドに追い込めるのは、アナログ再生ならではの楽しさです。

知っていそうで意外に知らない『スペック』の読み方

知っていそうで意外に知らない『スペック』の読み方

レコードプレーヤーを購入する際に目にする「スペック(テクニカルデータ)」。出力形式や回転数、ワウフラッター、カートリッジの種類など、カタログやウェブページにはさまざまな項目が並んでいますが、その意味がわからず戸惑うこともあるかもしれません。基本的な読み方を知っておくと、製品選びの参考になるはず。気になるプレーヤーを見つけたら、スペック表もあわせてチェックしてみてください。

レコードプレーヤー製品一覧
カートリッジ(VM型)製品一覧

Edit: Tom Tanaka

SNS SHARE