マイクは音を出す仕組みによって、「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」の2つに分けられます。歌や楽器演奏の動画を配信する場合には、音質に優れる傾向があるコンデンサーマイクがおすすめです。

そこで今回の記事では、コンデンサーマイクの特徴や魅力、選び方をご紹介します。

コンデンサーマイクとは

コンデンサーマイクは、歌録りやナレーションの録音に良く使われるマイクです。

「振動板」と呼ばれる膜と「固定極」と呼ばれる板を組み合わせて、音を電気信号へと変換します。振動板と固定極の間にはあらかじめ電気が貯められており、音によって振動板が震えることで電圧が変化して、電気信号が生まれる仕組みです。

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少し複雑な説明になってしまいましたが、続く特徴の項目に入るにあたって、以下の2点さえ押さえておけば問題ありません。

・コンデンサーマイクはその構造上、感度が高い
・音を電気信号にするために、内部に電気を貯めておく必要がある

コンデンサーマイクの特徴

コンデンサーマイクの特徴として挙げられるのは、以下の3点です。総じて、コンデンサーマイクは繊細な分、高い音質が期待できるマイクと言えるでしょう。

感度が高くクリアな音を拾える

コンデンサーマイクの最大の特徴とも言えるのが、この音質の高さです。感度の高さによってわずかな音でも漏らさずに拾えるため、クリアな音を録音できます。特に高い周波数の音に敏感であり、高音を正確に捉えられる点も強みと言えるでしょう。

基本的には外部から電源の供給が必要

先ほどご説明したとおり、コンデンサーマイクはあらかじめ内部に電気を貯めておくことが前提になっています。そのため、使用の際には外部からの電源供給が必要です。基本的にはオーディオインターフェースやミキサーにつなぐだけでOKですが、別途「ファンタム(ファントム)電源」という専用の電源を用意しなければならないケースも考えられます。

振動や温度変化、湿気に弱い

コンデンサーマイクはその精密な構造から、振動などの衝撃、温度変化、湿気……といった外部要因に弱いという特徴があります。保管を含めた取り扱いに注意が必要なのはもちろん、吐息に含まれる湿気から保護するために「ポップガード(風よけ)」を付けて使用するのが理想です。

なお、コンデンサーマイクと対になる「ダイナミックマイク」の特徴については、以下で詳しくご説明しています。コンデンサーマイクの特徴をより正確につかむために、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

ボーカル収録や動画配信におすすめ!ダイナミックマイクの選び方

コンデンサーマイクを選ぶポイント

コンデンサーマイクを選ぶときは、以下の3つのポイントに注目するのがおすすめです。

指向性

指向性とは、マイクが音を拾いやすい方向を表した特性のことです。正面からの音を主に拾う「単一指向性」や、全方向から等しく音を拾う「無指向性(全指向性)」などがあり、用途によって最適な指向性は異なります。

歌や楽器の演奏など特定の音を拾う際には単一指向性、環境音も含めて収録したい場合には無指向性を選ぶと良いでしょう。また、対談やデュエットの収録には、正面と背面の両方から音を拾う「双指向性」がおすすめです。

指向性

なお、コンデンサーマイクの中には複数の指向性に対応しており、必要に応じて切り替えができるモデルもあります。

周波数特性

周波数特性とは、マイクがどの周波数帯域の音を強調するかを表した目安です。マイクごとの音の特徴と言い換えることもできるでしょう。

周波数特性は「○○Hz〜○○Hz」といった形で表記されるほか、各帯域の相対的なレベルをグラフで図示する場合もあります。これらのスペックを単体で見るというよりは、「このマイクはボーカルの録音向き」など、マイクの特徴とあわせて指標にするのがおすすめです。

形状

手に持って使う「ハンドヘルド」やクリップなどを使って服に取り付ける「ピンマイク」、振動板が大きい「ラージダイアフラム」など、同じコンデンサーマイクでも形状はさまざまです。

特にこだわりがない場合には、汎用性の高いラージダイアフラムがおすすめ。手軽さを重視するならスタンドなどが不要のハンドヘルド、動きながら使う場合にはピンマイクを選ぶと良いでしょう。

まとめ

コンデンサーマイクは取り扱いに注意が必要な一方で、高い音質での録音が期待できるマイクです。音質にこだわって動画配信をしたい方は、ぜひ今回の記事を参考にコンデンサーマイクを導入してみてください。