オーケストラの壮麗な響き。ジャズセッションの小気味よいスイング。
華やかなプレイの陰にはいつも日々の地味な努力の積み重ねがあります。
音楽を紡ぎ出す先頭にいるレコードと針。彼らに最高のプレイを発揮してもらうにも、日々のクリーニングという地味な努力が欠かせません。
最高のメンテナンスで最高のパフォーマンスを発揮させてこそ、音楽を心ゆくまで味わえるというもの。
レコードと針をキレイにするために揃えておくべき三種の神器、「レコードクリーナー」「スタイラス(レコード針)クリーナー」「帯電防止スプレー」を紹介しましょう。
レコードを聴く前の儀式。レコード盤もあなたも穏やかに。
レコードは物理的に情報が記録されていることから、ごく小さな不純物が付着しているだけでも、再生するときにノイズが生まれてしまう可能性があります。そのため、大切なレコードをいつまでも同じ音質で楽しむためには、クリーニングでコンディションを維持することが大切です。
レコード盤の材質は塩化ビニル。耐腐食性が申し分なく、適度な弾力性が長期間保持されることから耐久性も抜群です。
そんなレコードですが、埃(ホコリ)が大敵。音を汚し、レコードを痛め、レコード針の寿命を縮めます。
ジャケットから取り出したらまずクリーナーでさっとひと拭き。これを毎回するだけで音溝への埃の蓄積を防げます。この時のクリーナーは乾式。つまり、から拭き。音楽を聴く前の「さっとひと拭き」。心を穏やかにする儀式にもなってくれます。
よく聴くレコードほど汚れがついてしまう。そんなときは。
よく聴くレコードほど微細な埃が堆積していきます。から拭きで取り切れない汚れには湿式クリーナーを使いましょう。
専用液をクリーナーに注ぎ、レコード盤に塗り拡げるようにして使います。
音溝に潜む汚れを液に取り込んで除去します。
再生するときにはクリーニング液が完全に乾燥しているのを確認してから行いましょう。
①乾式も湿式もこれ1台!レコード盤の専用クリーナー。
初めてレコードクリーニングをしようとお考えの方には、乾式・湿式の両方に対応した「AT6012a」がうってつけ。
湿式用のクリーナーは湿式専用であることも多いため、1台で2役をこなせるのがうれしいポイントです。
同じく乾式・湿式両方のクリーナーの上級品「AT6018a」もおすすめです。
方向性のある植毛を持つベルベット地。音溝の底にある埃までしっかり掻き出します。
②カートリッジの針先のケアも忘れずに。粘着式針先(スタイラス)クリーナー。
カートリッジの針先(スタイラス)にも見えない微細な埃が付着しています。針先(スタイラス)のケアには、「AT617a」をどうぞ。
粘着性のあるゲルに針先(スタイラス)をあてるだけで、付着した不純物を簡単に取り除くことができます。汚れてきたゲルは水洗いすると粘着力が復活。このゲルは安心の日本製です。
③厄介な静電気には帯電防止スプレー
静電気は、レコード盤をクリーニングするときの大敵。せっかくクリーニングをしても、静電気によって不純物が再度吸い付けられてしまいます。
静電気にお困りの場合には、レコード用の静電気除去スプレーを使うのが有効です。例えば「AT6086」なら、スプレーを吹きかけて乾式クリーナーで拭き取るだけで、厄介な静電気を抑えることができます。
レコードクリーナーを使って日々のメンテナンスを快適に!
美味しい料理も、それが盛られた器が良くなければ本来の良さが台無しになります。
音楽を入れた器であるレコード盤もおなじ。手入れ次第で素晴らしい音を奏でてくれます。
クリーナーの三種の神器を傍らに、あなたも安心のレコードライフを始めましょう。
Words:Kikuchiyo KG