ヘッドホンやイヤホンを愛用していると、長く使うにつれてヘッドホンならイヤーパッド、カナル型イヤホンならイヤーピースが汚れてきたり、劣化して耳当たりが悪くなったりすることがあります。できるだけそうならないようにするには、どうすればいいのでしょうか。また、いよいよ劣化が進んでしまったら、全体を買い替えなければならないのでしょうか。オーディオライターの炭山アキラさんに聞いてみましょう。

ヘッドホンのイヤーパッドを長持ちさせるお手入れ方法

まず、ヘッドホンのイヤーパッドをできるだけ長持ちさせるためのお手入れについて、話していきましょうか。耳をできるだけ清潔に保っていたとしても、長時間の装用で汗や脂がイヤーパッドに付着してしまうことがあります。そんな時は、やはりきれいにしておきたいものですよね。汗の塩分や皮脂は、イヤーパッドの表皮によく用いられる合成皮革の劣化につながることがあるので、注意が必要です。

汗の塩分や皮脂は、イヤーパッドの表皮によく用いられる合成皮革の劣化につながることがある

イヤーパッドの汗や皮脂を拭い去るのに、例えばエタノールを含ませたウェットティッシュや、近年大きく普及しているアルカリ電解水を含ませたペーパータオルなんかをお使いになっている人はいませんか。

エタノールやアルカリ電解水は、汗や脂をとてもよく落としてくれますが、半面で一部の石油化学製品を侵すことがあり、ものにもよるのですが、イヤーパッド表皮の劣化を早めてしまいかねません。個人的には、薄い中性洗剤の溶液をペーパータオルに含ませて拭き、そのあと真水で拭いてさらに空拭き、という手順を用いています。

薄い中性洗剤の溶液をペーパータオルに含ませて拭き、そのあと真水で拭いてさらに空拭き

私がメインで愛用しているオーバーヘッド型のオーディオテクニカ『ATH-ADX5000』は、フェラーリをはじめとする高級車の座席やハンドル表皮などに用いられる「アルカンタラ」という人工バックスキン材が、イヤーパッドとヘッドバンドの表皮に採用されています。基本的に汚れの付きづらい素材のようで、結構長く愛用していますが、今のところ汚れは目立ちません。

ATH-ADX5000の取扱説明書によれば、イヤーパッドやヘッドバンドに汗や水が付着した時は、乾いた布で拭き取って陰干しすることが推奨されています。

イヤーピースをクリーニングする場合は

イヤホンのイヤーピースは大半がシリコンゴム製ですから、エタノールやアルカリ電解水を使ってクリーニングしても問題ありません。私は綿棒の先に消毒用アルコールを軽くしみ込ませ、イヤーピースを外して掃除します。耳穴をいくら清潔に保っていても、一般的なカナル型のイヤーピースは、キノコの傘のような造形の裏側と、音の通る中心穴付近に汚れが溜まりやすいので、こまめな清掃を強くお薦めするものです。

一部のカナル型には、発泡ウレタンのイヤーピースが採用されているものがあります。そういう製品群は、エタノールやアルカリ電解水の使用は発泡ウレタンが傷みやすいので、あまりお薦めできません。やはり中性洗剤→真水→空拭きが無難でしょうね。

*製品によっては推奨されない場合もあるため、お手持ちのヘッドホン/イヤホンをクリーニングをする際は必ず取扱説明書を事前にご確認ください。

劣化したら買い替え? 実は交換できるパーツの話

そうやって大切に使っていても、イヤーパッドやイヤーピースはいつか駄目になる日がきます。合皮の表面がひび割れてガサガサになったり、あるいは劣化が進んでベトついてきたり。ドライバーやケーブル、ヘッドバンドなどが健全でも、イヤーパッドがそんなことになってしまったら、そのヘッドホンはちょっと使う気にならなくなってしまいますよね。

そういう場合はどうすればよいか。オーディオテクニカのヘッドホンは大半の製品がイヤーパッドを交換可能で、パーツとして取り寄せることができます。交換方法を説明した動画もありますから、参照しながら交換して下さいね。

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左右の異なるイヤパッドの場合

左右とも同じイヤパッドの場合

*動画は一般的なヘッドホンの案内になります。ご不明な点がございましたら、オーディオテクニカお問い合わせフォームよりご相談ください。

一部のオーディオテクニカ製品は、イヤーパッドを自分で交換することができませんが、そういうものでもメーカーへ返送して交換修理することが可能です。

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イヤホンのイヤーピースは、ごく普通に売られているのを見たことがある人も多いと思います。よく似ていても形状の違うものがいろいろありますから、必ずご自分のイヤホンに適合する商品を確かめてから購入して下さいね。私はイヤーピースを清掃しながらずいぶん長く使っていますが、交換イヤーピースはとても廉価なものが多いですから、定期的に取り替えて使い続ける、というのも悪くないと思います。

探して探してようやく巡り合った、好きな音楽を本当に自分好みの音で再生してくれるヘッドホン/イヤホンは、人生の伴侶といっていいものだと思います。きれいにクリーニングし、時に消耗パーツを交換しながら、長く愛用してあげて下さいね。

Words:Akira Sumiyama

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