1981年に南アフリカでリリースされたジャズファンク作品『I Feel It Rising』。本作は、ギタリストのポール・ピーターセン(Paul Petersen)と、スピリッツ・リジョイス(Spirits Rejoice)のメンバーたちによるプロジェクト、〈ドクター・リズム(Doctor Rhythm)〉名義で発表された唯一のアルバムだ。
ファンクやソウルの熱気を封じ込めた本作は、長年コレクター垂涎の一枚とされてきたが、2025年8月6日、ついにCDとLPでの正規再発が決定。リマスター音源に加え、グラフィックデザイナーのSNEA(Shiro Ishihara)による新装ジャケットも注目を集めている。

ドクター・リズムは、スピリッツ・リジョイスで活動していた名うてのプレイヤーたちが、ポール・ピーターセンのギターを中心に結成したスタジオプロジェクトで、80年代初頭の南アフリカにおけるジャズとディスコの交錯を象徴する存在。中でもブギーの「I’m So Strong Now」や、ディスコファンクの「Hook It Up」などは、近年の再評価によって欧州のDJたちからも再注目されている。
アナログ再発によって、この時代特有のグルーヴ感をあらためて味わえるようになった。ぜひこの機会に、南アフリカの知られざるジャズファンクに耳を傾けてみてはいかがだろう。
Edit:Tom Tanaka