日常的にマイクを使う機会が増えてきた。良い音で聴きたいと思うのと同じように、良い音で録りたいと思っても、いざマイクを使おうとなると、たくさんの種類があって、選ぶだけでも途方に暮れてしまう。話すのか、歌うのか、楽器を演奏するのか、使う人のシチュエーションもさまざまだ。
そこで、オーディオテクニカ「アストロスタジオ」のスタジオマネージャーが、マイクの基礎や使用方法、目的に合ったマイク選びを、簡単、簡潔に徹底解説。これでもうマイク選びには迷わない!
(第4回はこちら

▼第5回
「手のひらサイズのAT993USB 前編」

声を拾うことに特化してテレワークに最適

AT993USBは、カタログ写真では普通サイズのマイクかと思いましたが、現物は手のひらに乗るほど小型で驚きました。

僕は手が小さいんですけど、そんな僕でも片手で簡単に使えるマイク、しかもUSBに直接挿して設定したら、すぐに使えます。方向性のあるコンデンサーマイクなので、ちゃんと自分の方向で音が録れます。それにマイクの向きを自由に、シチュエーションに合わせてグースネックで動かせる作りです。グースネックの効きがいいんですよ。普通のグースネックは動かすと戻ってくるんですけど、これは戻ってこないので、どんなところに置いても、このグースネックを動かすだけで自分の方向に向けたりできます。

声を拾うことに特化してテレワークに最適

小型なだけではなく、使い勝手もいいんですね。

スマホより小さくて、簡単にセットアップ出来て、手頃で、好きな音も録れます。周波数特性は、下は40Hzから上は16KHz。40Hzまでとなると普通のダイナミックマイクは40Hz以下はあまり出ないですけど、コンデンサーマイクだと下が40Hzまでというのが中々無いんです。普通、40Hzより下の帯域だと空調や冷蔵庫の音を拾うんですが、これは40Hz以下は拾わないです。16KHzまでというのは、キンキン、キーンとした音、高周波なものは拾わないので、丁度人間の可聴範囲に合わせた設計になってます。

テレワークが当たり前のようになってきて、ビデオ会議などがトラブルなく気軽にできる環境を作るにはうってつけのマイクですね。

そうです。用途に特化している、声に特化したコンパクトなUSBマイクですね。

スタンド付きでコスパも最高

AT9933USB

USBマイクロホン

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マイクの部分はそんなに小さくできるんですね。

コンパクトにここまで抑えられるのは、うちの技術の結晶ですね。僕がやった訳ではないんですけど(笑)。拾うエリア、指向性、サイズに合わせて、これくらい技術が凝縮されると、素晴らしい技術だと思うんです。ピンマイクに使ってみても良いんじゃないかってレベルですからね。

AT993USBの発売はいつですか?

2015年です。

テレワークの需要がある前からとは、先見の明がありますね。

あったのか偶然なのか(笑)。AT993USBのニーズは会議用途もあるんですけど、色々な自分の声を撮ってみたいというのもあったと思います。

それは歌うのとは別のニーズですか?

歌うのではなくて、ナレーションの声の素材を録ってみたいところから始まってると思います。動画を作りたい時に、AT993USBをパソコンに挿せば、ちょっとした声を簡単に録ることができるので、そういうニーズもあったと思うんです。

AT9933USB

最初は、割とニッチなニーズがあったわけですね。

本当にニッチなものです。それがテレワークが当たり前になってきて、AT993USBが使えるとなってきたんです。このサイズで、価格は税込3,850円ですから。

しかも、スタンド付きなのがいいですね。

マイクだけではなく、テレワークするためにパソコンも買わないといけないとか、家にネット環境がないからWi-Fi環境を入れないといけないとか、そういう人もいっぱいいると思うんですけど、その上、マイクのスタンドまでお金をかけられないですよね。その時にコンパクトでさっと繋げられて使えるマイクって何だろうと思うと、このAT993USBが一番のお勧めです。もちろん、自分でも使ってます。

第6回「手のひらサイズのAT993USB 後編」へ続く