レコードの歴史は、今から約150年前の1877年にトーマス・エジソンがフォノグラフを発明したことから始まります。それまで音は楽譜でしか残せませんでしたが、この発明によって「音そのもの」を記録できるようになりました。続いてベルリナーがグラモフォンを発明し、これが現代のレコードの原型となります。

1920年代、ラジオの発展とともに真空管が登場。マイクで変換した電気信号を増幅して円盤に刻む電気吹き込み方式が普及し、格段にクリアな録音が実現します。この技術は電気蓄音器の誕生にもつながり、オーディオ機器の礎となりました。それから約20年後の第二次世界大戦期には磁気テープ録音や塩化ビニルが開発され、これらが戦後のLP盤・シングル盤の普及を支えます。

戦後の技術革新は、モノラルからステレオへの転換も後押ししました。1940年にはディズニー映画『ファンタジア』が世界初のステレオ音声を持つ映画として歴史に残っています。この頃に現代のステレオレコードの記録方式である45-45方式が業界標準として確立しました。1950〜60年代にはステレオ盤の普及、スピーカーの小型化、トランジスタアンプの登場により、レコードは家庭娯楽として広く浸透します。また、1960年代の宇宙開発競争は遠距離通信技術を進化させ、PCM録音を生み出す基盤となりました。これによりワウフラッターが抑えられ、安定した高音質録音が可能になりました。

カセットテープは日本メーカーの参入で急速に高性能化し、ウォークマンの誕生により持ち歩く音楽という文化が確立。そして1980年代にはCDが登場します。発売当初は高価でしたが、ミニコンポの普及とともにレコードを上回る成功を収めました。そしてデジタルプレーヤー普及後の現代では、サブスクリプションによる音楽視聴が一般化した一方でアナログ人気が再燃。Bluetooth対応プレーヤーで手軽にレコードを楽しめるようになっています。

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Words & Edit:May Mochizuki

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