ランニング中、音楽を聴きたくなる瞬間は多い。ペースを上げたいとき、気分を切り替えたいとき、没入したいとき。一方で、「イヤホンだと周囲の音が聞こえづらい」「汗でズレる」「誰かと一緒に走りたい時に会話ができない」——そんな理由であきらめている人も少なくないはずだ。

そういう時に選択肢に挙がるのが、骨伝導タイプのイヤホン/ヘッドホンだ。耳をふさがずに音楽を楽しめるのでランニングとの相性が良く、使用する人も増えている。

オーディオテクニカも同様の耳をふさがないタイプのヘッドホン『ATH-CC500BT2』をリリースしている。が、こちらは骨伝導ではなく「軟骨伝導」である。“ながらラン” においてよりその真価を発揮するという同製品の底力を試すべく、都内で活動するランニングクルー「080TOKYO」に実際の使用感を確かめてもらった。

新感覚のランイベント「TABA CULTURE RUN」

舞台となったのは、多摩川周辺のクラフトビールブルワリーを束ねるコミュニティ「TABA」による人気野外イベント「Sound&Chair」。当日は快晴。春先の晴れやかな良い空気のなか、多くの参加者が音楽とランニング、そしてひと汗かいた後の最高の一杯を楽しむ。

「TABA CULTURE RUN」と題されたランニングイベントは、走ることと街の文化体験を結びつける新しい試みだ。

イベントでは、初心者向けから経験者向けまで3つのセッションを用意。約6kmのコースをゆるやかに走るプログラムから、ペースを上げたチャレンジランまで、それぞれのレベルに応じたランニング体験が設計されていた。

骨伝導とどう違う?“軟骨伝導”という選択肢

今回、オーディオテクニカのヘッドホンを体験してもらったのは、ランキング経験者向けのプログラム「FINAL SESSION チャレンジラン with 080TOKYO」で先導して走るランニングクルー「080TOKYO」のメンバーたち。多様なバックグラウンドを持つメンバーが集う080TOKYOは、日常的に街を走りながら、さまざまな企業やブランド、他ジャンルのコミュニティとのコラボレーションを重ねてきた「ソーシャルランニング」を実践するコミュニティだ。

080TOKYO

約6kmのコースを、一定のペースで走るこのセッション。080TOKYOのメンバーたちにはATH-CC500BT2のヘッドホンを装着してもらい、音楽を聴きながら走ってもらった。

ATH-CC500BT2はいわゆる骨伝導ではなく「軟骨伝導」という方式のヘッドホンだ。骨伝導は、こめかみ付近などの骨に振動を伝え、その振動が内耳に届くことで音を認識する仕組み。一方で軟骨伝導は、耳の入り口付近にある筒状の軟骨に振動を伝え、その振動によって耳の中に音を発生させる。

骨伝導は振動をしっかり伝えるためにデバイスを押し当てる必要があるが、軟骨伝導は耳に軽く触れるだけで音が届く。装着時の圧迫感が少なく、長時間でもストレスになりにくいのが特徴だ。

さらに、従来の骨伝導では屋外だと音がかき消されがちだった音が、軟骨伝導ではよりクリアに感じやすい点もメリットのひとつ。connectアプリのイコライザーの「クリアボイス」モードを使えば、外音の干渉を緩和し、ボーカルや、オーディオブックのナレーションなどがさらに聞き取りやすくなる。もちろん、耳穴をふさがないため周囲の音を自然に取り込めるという点は骨伝導と同様だ。

「周囲の音と音楽のバランスが抜群」玄人ランナーたちの反応は上々

桜が咲き、穏やかな気候のなかでのラン。走り終えたばかりの080TOKYOのメンバーたちに話を聞くと、「これまでのイヤホンだと難しかったことが自然にできた」という反応が。

まず多かったのが「外の音がちゃんと聞こえるので安心して使える」「音楽を聴きながら普通に会話できるのが新鮮だった」という外音とのバランスの良さに対する感想。そこには「音楽を聴きながらでも状況を把握できる」「普通のイヤホンをしていると声援が聞こえなくなって寂しいけど、これはちゃんと聞こえるのが良い」といった、ランナーにとっては切実なメリットがあるのだとか。加えて「これまで使用していたモデルに比べて、音量も音質も満足のいくクオリティだった」という声も。

また、これまでイヤホンやヘッドホンの装着感に懸念があって音楽を聴きながらのランニングをしてこなかったという男性からは「しっかりフィットしていて安心感があった。落ちる心配がなかったので、次の大会から使っていきたい」という評価も。ストレスになりがちだった “汗でズレる” 問題から解放されることで、走ることに集中できるようだ。

風景と音、そして物語が交わることで生まれる体験

音楽に没入しながらも、仲間とつながり、街とつながる。そのバランスが、ランニングという行為をもう一段階、自由なものにしていく。今回の「TABA CULTURE RUN」では、その体験をさらに拡張する試みも用意されていた。TABAが東京藝大発のベンチャー企業・cotonとの協働によって開発された、位置情報と連動するサウンドアプリケーションである。

TABA CULTURE RUNのアプリ画面

スマートフォンを持って走るだけで、走行位置やスピードに応じて、音楽やナレーションが再生されるというかつてない仕組みだ。

走る風景に合わせて、街の物語や文化が立ち上がる。耳に届く音が、その土地の記憶とリンクしていく。それらがゆるやかにつながることで生まれる立体的な体験。

都市に暮らす人々のために開発されたATH-CC500BT2だが、そのポテンシャルが最大限に活かされた「TABA CULTURE RUN」の試みは、そんなこれからのランニングのあり方を示していた。

ATH-CC500BT2

ATH-CC500BT2

ワイヤレス軟骨伝導ヘッドホン

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TABA

TABA(TAMAGAWA ALL BREWERIES ALLIANCE)は、多摩川流域のブルワリーが集結し、新しいファンを作るための「動き」をつくる新たな試みです。ユニークで新しいクラフトビールの楽しみ方をご提案しています。2026年にはクラフトビール×ランニング×地域文化を融合した「TABA CULTURE RUN」を始動。WEBアプリとイベントを連動させ、多摩川流域を巡りながらブルワリーと出会う新体験を展開します。

HP

080TOKYO

東京を拠点とする、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まるランニングクルー。年齢、性別、職業、国籍を超えた様々なメンバーが集まり、渋谷のストリートシーンを走っています。私達はただ走る事を楽しむだけではなく、ランニングから生まれる新たなコミュニケーションを大切にしています。だから080TOKYOは誰もが参加できるクルーとして存在しています。そして2017年3月創設以来、一貫してMissionZeroに基づいた活動をしています。

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Photos:mookamanabu
Interview:Aiko Iijima
Words & Edit:Kunihiro Miki

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