周囲の物音が気になって作業に集中できない、静かすぎてかえって眠れない——そのような悩みを抱える方に注目されているのが「ホワイトノイズ」です。換気扇や空調の音のような「サー」という雑音を、集中力の維持、リラックス、睡眠環境のサポートなどを目的に活用する人が増えています。
アプリや音響機器を使えば手軽に取り入れられる一方、使用方法や音量によっては注意すべき点もあります。本記事では、ホワイトノイズの基本的な仕組み、期待される作用、取り入れる際の注意点を整理して解説します。
ホワイトノイズとは?どんな効果がある?

ホワイトノイズとはノイズ(雑音)の一種で、幅広い周波数の音がほぼ均等に含まれています。 具体的には、換気扇や受信状態が悪いラジオから聞こえてくる、「サーッ」「シーッ」「ゴーッ」のような雑音です。
ホワイトノイズには集中力、リラックス、安眠の向上に作用する効果があるとされ、注目されています。
ホワイトノイズには集中力を高める効果がある

仕事や勉強をしていると、周囲のおしゃべりや屋外から聞こえる騒音が気になって、気が散ってしまう時がありますよね。そういう時は、スピーカーやスマートフォンでホワイトノイズを流してみましょう。
ホワイトノイズは人間の耳に聞こえるすべての周波数が均等に混ざって出来ている音なので、サウンドマスキング(人間にとって不快な音を、別の音を流して気にならないようにすること)が得意という特徴を持っています。つまり、周囲の耳障りな音を相対的に聞こえにくくしてくれるのです。そうすると、余計な雑音に気を取られにくくなるため、それが集中しやすい環境づくりにつながることがあります。
ホワイトノイズにはリラックス効果、安眠効果も
人によっては、シーンと静かな環境よりも、小さな雑音が持続的に続く環境のほうが落ち着いて眠ることができるといわれています。
他の部屋でのドアの開け閉めや、外を走る車など、夜中に発生する物音で目が覚めてしまうことがある方は、ホワイトノイズを試してみてください。幅広い周波数を含むホワイトノイズは余計な音をかき消してくれる効果があるので、突然の音に起こされることなく安眠できるかもしれません。
ただし、音量には気をつけましょう。音が大きすぎると逆効果になり、眠りを妨げる原因になってしまいます。
ホワイトノイズのデメリット。脳や聴覚への悪影響がある可能性も

このように嬉しい効果があるホワイトノイズですが、デメリットも。
米国医師会のジャーナル「JAMA Otolaryngology」にて2018年に掲載された研究によると、ホワイトノイズを構成している様々な周波数の音に長時間さらされることで、音の感知を助けている脳の神経接続が変化し、耳鳴りや難聴などのリスクを引き起こす可能性があると議論されています。
また、大音量で長時間にわたり音を聴き続けると、聴覚神経(蝸牛神経)という神経の有毛細胞がダメージを受けて、どんどん脱けてしまいます。リラックスや集中目的であれば小さな音量で再生する方がほとんどだとは思いますが、それでも長時間の連続再生は耳への負担になります。
さらには、ホワイトノイズに過度に頼りすぎると、静かな環境で居心地の悪さを感じるようになってしまうかもしれません。例えば就寝時に聴く場合はスピーカーで再生する、タイマーをセットして入眠の2〜3時間でオフになるようにするなど、音量と聴く時間には十分配慮しましょう。
ホワイトノイズを活用して、ヘルシーで充実した生活を

受験勉強中の学生やビジネスパーソンは、高い集中力が必要とされる場面が多々あります。気が散って勉強や仕事を思うように進められない時は、ホワイトノイズを試してみてはいかがでしょうか。また、安眠に悩みがある場合でも、低音量・短時間から始めることで環境音対策として役に立つ可能性があります。
ただし、ホワイトノイズの効果は個人差があり、必ず全員に集中力向上やリラックス効果が保証されるというものではありません。また、長時間の再生は耳への負担になる場合があります。お試しの際は、まず最初は小さめの音量で短時間からはじめてみましょう。

