マスキングテープをくまなく貼って塗ったカラフルな壁。2人が訪れたこともある、荒川修作とマドリン・ギンズの住宅プロジェクト「Bioscleave House」を彷彿させる。

デザイナー兼アートディレクターとして、ファッション、デザイン、アート、テクノロジーと多方面で活躍するLeta。
パートナーWade Jeffree と共にWADE AND LETAとしても広く知られている。2人が住んでいる地区は、ニューヨークのブルックリンはウィリアムズバーグ。

リビングはグリーンとイエロー、寝室はブルー、作業部屋はライトブルーにライトピンク。全部自分たちで塗ったカラフルな壁。

作業部屋の革製の椅子は、モダニズムの先駆者として知られるハンガリーの建築家兼デザイナーMarcel Breuerのもの。約10年前に見つけて、ブロンクスから持ち帰ってきた。

作業中には、ヘッドホンが欠かせない。「普段はヘッドホンを着けて、1人で音楽を聞く。その方が入り込めるの」。仕事中はテクノを流すことが多い。「歌詞のある曲は集中力を妨げてしまうのね。だから不規則なビートやユニークな構成のテクノがいい。それに、作品にインスピレーションを与えてくれるの。無音の中で作業するより、いいものが作れるの」。

大量のアート本と自慢のフィギュアが並ぶ本棚に、最近揃えたお気に入りのレコードコレクション。「ほとんどがイエロー・マジック・オーケストラ」で、お気に入りの1枚は「奇妙でトリッピーで仕事用にぴったり」だというススム・ヨコタの『Acid Mt.Fuji』。

日本の漫画やアニメに目が無いLetaのフィギュアコレクション。「私は『新世紀エヴァンゲリオン』が、彼は『スラムダンク』が大好き」。

「私の仕事はアナログだから」というLetaは、アナログで音楽を聴くことに相性を感じている。彼女の作品作りの際は材料を切り、組み立て、色を塗る手作業。レコードを聴くもまた、埃を取り、針を下ろし、A面を聞き終えると盤をB面に裏返しもう一度針を下ろす。「それにね、あのプツプツというノイズ音。最高ね」

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Words: Yu Takamichi
Photos: Kohei Kawashima